コアラを100年前に存在していた場所に戻すことは、彼らを保存することにつながりうるのか? 2019/7/9

      2019/07/09

『Could taking koalas back to where they existed 100 years ago save them?』(英文PDF)
ABC Wide Bay 2018年12月23日

By Katri Uibu

担当者:S・K

≪要約≫

Grazier Lindsay “ Butch” Titmarshさんの父親は、1907年12月16日にMaryboroughの土地を購入した。

その後、Titmarshさんは次のように述べた。

「私の父は、どこにでもコアラはいると言っていた。しかし、土地を購入してから、突如としてそこからコアラはいなくなってしまった。」

それから数十年後、Titmarsh氏は、彼の家族の土地におけるコアラの個体数を元に戻すことを決意し、クイーンズランド大学の研究グループに牛舎を貸した。

2014年から、科学者らはそこで調査を行うことによって、歴史的に繁栄してきた場所へ在来動物を返すことが、種を保存することの助けとなるのかを研究している。

クイーンズランド大学研究員のDr Sean FitzGibbonは、「今までに、この計画は成功を収めており、私たちが望んでいたように進んでいる。少なくとも、8匹がここ数年の間に生まれた。

私たちは、保有している健康で多くの子供を産んだメスを使って調査を行ってきたが、彼らは本当によくこの環境になじんでいるように見える。」と、都市開発によって住処を失った動物を再棲息させる研究について述べた。

都市開発の圧は、コアラが元々生息していた場所から彼らを追いやり、そのような境遇にあるコアラの数を増加させてきた。

以前にもコアラ移動計画はあったのだが、移動させた後、半数の動物が死亡してしまったことから物議を醸していた。

Dr FitzGibbonは次のように述べ、むやみに動物を再棲息させることは非難すべきことであるという考えを示している。

「現在進行中の都市開発により、コアラが郊外のヤシの木から救助されたり、新しい土地の街灯柱や家の枠組みといった場所からも、コアラが発見されるようなことが起こっている。」

「コアラたちが車や犬から危害を加えられうる場所、もしくは炎症や病気を引き起こしうるようなストレスを感じる環境に彼らを戻しても意味はありません。ただ彼らをAからBへ移しただけで、すべてのことがうまくいくとは思ってはいけないのです。」

We’ re hoping to inform new policy

100年以上前、ハンターはコアラの最大の脅威の一つだった。

しかし今日では、動物たちはそれと異なる危険に直面している。

野生動物獣医師 Amber Gillettは、コアラのクラミジアの羅患率は上昇しており、個体数の大幅な減少につながる可能性があるという考えを示した。

「100年以上前は、毛皮の為に多くのコアラが撃たれ、それがコアラの個体数の大幅な減少につながっていた。現在では、都市開発と病気が、残りの個体数に大きな影響を及ぼしている。一度彼らが病気を発症すると、それは彼らにとっては重大なこととなる。というのも、それによって、重篤な膀胱感染症や結膜炎を引き起こされ、その結果、死に至ったり、少なくとも、潜在的に不妊の原因になりうるからだ。」と、彼女は述べている。

そこでDr FitzGibbonは、コアラがかつて棲息していた場所を特定することが、彼らの個体数を回復することにつながるかもしれないと主張している。

「クイーンズランド州には、コアラを支えることができる場所がたくさんある。特に、再生林がたくさんあるが、そこにコアラはいない。彼らは、かつてそこに棲息していたのだろうが、局所的に絶滅してしまったのであろう。そのことを州政府も認識し、政策を変更しようとしている。私たちは、この研究がどんな新しい政策にも役に立つことを期待している。」

これまで、Mr Titmarshは、コアラを定期的にチェックし、そして野犬の数を管理することで、彼らを保護するための活動に熱心に取り組んでいる。

「かつて何世紀にもわたって彼らが棲息していたTandoraの地に、再び彼らを生息させることは、特別なことだ。誰もが彼らにちなんで名前をつけられたため、私のものが最もやっかいになるかもしれないですね。」

<感想>

コアラの生息地が人為的影響により脅かされているという事実は、トレーニングコースを通じても実感しました。実際に、交通事故に遭って病院へ死亡した状態で運ばれてきたコアラを目の当たりにしました。交通事故やクラミジア感染症により命を落とし、病院へ運ばれてくるコアラは毎日のようにいるそうです。日本にいると、コアラが人間活動によって危険にさらされているということを考える機会はないかもしれませんが、ぜひこの記事を読んで、そのような境遇にあるコアラに思いを馳せ、考えるきっかけにしていただけたらと思います。

 

 - AJWCEFブログ