さんご礁を救うために飛び込む 2013/1/13

      2016/05/13

Courier Mail 2012年1月14日

『Dive in to help save coral reef』

"さんご礁を救うために飛び込む" (英文PDF)
要約/感想:YU KITAMURA

〈要約〉

グレートバリアリーフは世界で最高の仕事場を与えてくれたが、今、そこは世界最高の保護活動の場となっている。

オーストラリア海洋保護科学研究所(AIMS)とアースウォッチ・オーストラリアは、科学者達が美しいオルフェウス(Orpheus)・アイランド周辺の目を見張る様なサンゴ礁を調査するのを手伝ってくれるダイバーのボランティアを募集している。

彼らはサンゴが病気になってきているならば、ノースクイーンズランドの暗礁がサイクロン“Yasi”によってどれほど影響を受けているのかを解明する事と、また気候の変化による影響を査定したいと考えている。

もっとも壮観で、様々な生物の生息地となっているサンゴ礁の一つにOrpheusの裾礁があるが、ここも上昇する水温の脅威にさらされている。

昨日、AIMSの科学者であるDavid Bourne氏は、昨年のサイクロン“Yasi”はその地域に大規模なダメージを引き起こしたと述べ、
「サンゴは回復してきているが、潜って実際に確認するまでは全体の様子を把握することができない」
と語った。
「我々は月曜日から調査を始めます。サンゴはヒトと同じように病気にかかります。
また、サンゴたちはストレスにさらされた時により病気にかかりやすくなってしまいます。」

アースウォッチ・オーストラリアの専務取締役であるRichard Gilmore氏は、
ボランティアに参加してくれるダイバーたちは、著しく多様な種類に富んだサンゴの生息地だった海洋公園の一部や,貝塚と冠水した先住民の遺跡や難破船を見ることができるだろう、と言う。

Gilmore氏はこの重要な世界遺産のために力を発揮しつつ、なにか異なったことを経験することはとても素晴らしいことだと述べ、

Bourne氏はこの調査ではサンゴの病気の季節的変動や、温度、光、水質といった生態系のストレスが病気の進行に対してどのような影響を持つのかを査定できるだろうと述べた。

ブリズベンの北西部1190kmにオルフェウス(Orpheus)は位置し,最初のチームは3月12日に出発すし,続いて次のチームは8月30日に出発する。

この記事を読んで

今回はサンゴ礁の保護活動をサポートしてくれるダイバーを募る記事を紹介させていただきました。“美しいサンゴ礁が広がる海”というと,私はどこか外国に広がる海を想像してしまうのですが、日本でも、九州の南方から台湾の東方にかけて位置する南西諸島の島々では、美しいサンゴ礁を目にすることができます。
この南西諸島のサンゴ礁は、造礁サンゴと呼ばれるサンゴ礁を作るサンゴが生息する北限であり、記事の舞台でもあるオーストラリアのグレート・バリア・リーフにも匹敵するほどのサンゴがみられるといわれています。
サンゴとサンゴ礁,私ははずかしながらこの記事を訳して調べるまでよくわかっていませんでした。少し説明させていただくと,“サンゴ”というのは,広い意味では刺胞動物門の底生動物で骨格を持つものを指し,サンゴ礁を形成している“造礁サンゴ”とは,このサンゴのうちで石灰質の骨を塊として持っていて,細胞内に褐虫藻が共生するサンゴのことをいいます。サンゴはプランクトンを食べ,また,細胞内の褐虫藻が光合成により造った有機物の一部をもらいうけ成長するそうです。イメージとしては,造礁サンゴは体内に栄養を造ってくれる生物を飼い,たくさんの仲間と集まりアパート(=石灰質の骨)を建て,このアパートに暮らしている様なものです。“サンゴ礁”というのは,これら造礁サンゴやその他の生物が死んだあとに残る石灰質の骨格を材料として形成される地層のことを指しています。
このようにサンゴが造ってくれたサンゴ礁は,私たちの目を楽しませてくれるだけではなく,その特異な形から,様々な魚介類の住み場となるため,漁業の場を提供し,津波が起こった際には自然の防波堤となってくれます。2004年に起こったスマトラ沖大地震によるインド洋津波の際にも,サンゴ礁が自然のまま残っていたところでは,サンゴ礁が破壊されてしまっていたところに比べ被害が少なかったと報道されました。
しかし,今回の記事でも調査への協力が呼びかけられているように,サンゴ達には異変が起こっています。サンゴは環境の変化によるストレスに弱く,高温・低温・強光・弱光などで白化が起こります。白化とは,サンゴに住む褐虫藻がサンゴから抜けて行ってしまうことで,直接はサンゴの死というわけではないのですが,素早くその原因が除かれ,環境が回復しない場合はサンゴは死んでしまいます。特に,サンゴは暖かい海に生息する生物ですが,夏場の最高水温はサンゴが耐えうる最高水温に近いため,平年より暑い年には白化が起こりやすくなってしまいます。実際に沖縄では,1998年に8月の気温が平年を2.6℃上回り,サンゴ礁の大量白化が起こりました。また,藻食性の魚類の過剰漁獲によって,サンゴとは競争相手の仲である藻類が増えたためサンゴの成長を抑制され,さらに,近年サンゴを食べるオニヒトデの増加がみられ,サンゴの減少に拍車をかけています。
このような事態をうけ,サンゴ礁が見られる地域では,サンゴを養殖したり,オニヒトデを除去したりとサンゴを守る活動も行われ成果を残していますが,このような活動には限界があり,サンゴ礁の減少は改善されていません。
サンゴ礁を守るために直接できること,というとあまり思いつかないのですが,サンゴ礁の減少は環境が破壊されている指標であるともいえます。自分の生活を振り返り,直接はサンゴ礁を守ることではないけれど,自然の破壊が緩やかになるように広い視点で行動したいと感じました。

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