インドでエミューが飢えに苦しんでいる 2013/5/18

      2016/05/13

Courier Mail 2013年1月25日

『Emus left starving in India』

"インドでエミューが飢えに苦しんでいる"(英文PDF)
担当:YU KITAMURA

要約

インドにおいてエミュー牧場が倒産した際、オーストラリアの象徴的な鳥であるエミューが何万羽も放棄され、その多くが餓死するまで放置された。
エミュー牧場の詐欺事件の首謀者達はすでに逮捕されており、一人のエミュー生産者は殺害され、昨年8月に一獲千金を狙った計画が破綻し始めてから、ビリャニといったエミュー肉の製品は安く売られている。
インド亜大陸における有力なアニマルライト(動物の権利)を主張する団体の一つブルークロスの会長S.Chinny Krishna氏は、75,000羽のエミューが南部地域タミル・ナードゥ州おいて放棄され、10,000羽が餓死したと見積もっている。
Krishna氏は、タミル・ナードゥ州では200、インド全体では1,000ものエミュー牧場があり、最大 55万羽ものエミューがこの国にいたと語る。
Krishna氏はEメールを通じて、“至る所に飢えたエミューがおり,何百羽が野放しにされていた”と述べた。
エミュー農業は、オーストラリアにおいては2000年代に概ね破綻したが、数か国において推進され様々な結果をもたらしてきた。オーストラリアは農業用にエミューの取引は行わないが、他の国々はそれらの国の間で取引もしくは動物園用のエミューをエミュー農業の繁殖に用いている。
オーストラリア政府の環境省のスポークスマンは、インドにおける状況は認識しているが干渉することはできないと述べた。
インドの新聞各社は、村人によって食用に屠殺するために捕まえられているエミューの写真を掲載した。
タミル・ナードゥ州政府は12,000羽のエミューへの給餌を試みており,鳥をオークションにかけるための計画に取り組んでいると報道された。
しかしながら,エミューの肉の価格は急落し,インドタイムス紙によると,かつて高価だった肉は今や最も安価になり、“エミュービリャニは結婚式や誕生日会などの懇親会におけるメインコースである”ことを確定的にした。
クーリエ・メイル紙はタミル・ナードゥ州政府の畜産部長官であるGagan Singh Bedi氏にコメントを依頼したが、返答は得られなかった。
2006年タミル・ナードゥ州では、企業家であるM.S Guruによって雇われたタミールの俳優たちが協力し、エミュー農業が盛んに広められた。
彼は大きな収益が得られることを約束し,牧場主に雛を売りまた投資家を募った。しかし,長期的な市場は存在せず、月々の収益が途絶えた時点で(他の詐欺容疑者達が真似した)彼の陰謀は崩れ始めた。

この記事を読んで

今回の記事は一部の人の金もうけのために利用され、悲惨な最期を遂げてしまった、また、今現在苦しめられているエミューについての記事でした。こんな悲惨なことがあるのかと思ったのと同時に、日本でも起こってしまったことを思い出しました。
一昨年の3月11日に起こった東日本大震災です。人命が多く失われ、今なお苦しい生活を余儀なくされている人も多くいらっしゃいます。今回紹介させていただいた記事とは原因は全く異なるものですが、この大震災によっても多くの家畜たちが悲惨な最期を迎えました。この地震とその後発生した津波により、同年4月22日より東京電力福島第一原発20km圏内が警戒区域となり、原則として立ち入りが禁じられたため、この区域で酪農を行っていた農家の方々も家畜の世話をすることが難しくなり、同年5月22日にはそこに取り残された家畜に対し、所有者の同意を得て、国および県が安楽死処分を行うことが決定されました。
この地域は小頭羽数を飼養する小規模農家が多い土地でした。この警戒区域が制定されてからちょうど1年たった昨年の4月22日に行われたシンポジウムに参加させていただきましたが、その時まで、なんとか牛の世話を続けてきた酪農家の方がおっしゃっていた言葉が忘れられません。その時に聞いた正確な文言ではなく、私の記憶からなのですが、家畜を無駄にただ殺すのではなく、今まで大事に育ててきた家畜たちを何とか利用してもらいたいというものでした。昨年の時点では、畜舎内で保護されたり、野生化した状態で生存している牛が1,200頭あまりいたそうです。酪農も企業化されている牧場が多くなっていますが、家畜に愛情をこめて育てている人がいること、自分たちが口にしている“肉”が、生きていたことを忘れてはいけないと改めて思います。次第にこの大震災のことも人の口に上ることが減ってきました。私自身、なにもできていませんが、せめて何が起こったのかは見つめ続けていけたらと思っています。
最後になりましたが、被災された地域の一日も早い復興をお祈りしています。

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