ショッキングな映像から明らかになった北オーストラリアの10,000ヘクタールに及ぶマングローブ林の枯死 2017/1/10

      2017/01/10

『Shocking images' reveal death of 10,000 hectares of mangroves across Northern Australia』(英文PDF)
ABC News 2016年7月11日

担当者:Julie

《要約》

クイーンズランド州からノーザンテリトリー(準)州の海岸線に位置する約10,000ヘクタールに及ぶマングローブ林が枯れてしまった。世界的な(国際的な)マングローブの専門家のNorm Duke博士はこの”立ち枯れ”は気候変動によるものだと断言している。

“このような規模のマングローブが枯死してしまったことは世界的に見ても初めてである” とDuke博士はABC(訳注:オーストラリア放送協会)に伝えた。

Duke博士は先月(6月)、ノーザンテリトリー(準)州にあるRoper川とMcArthur川の河口の間約200kmを空から見て、マングローブが立ち枯れた範囲を調査した。

彼はその光景を”今までに観察した立ち枯れの中でも最もひどく、衝撃的であった”と表現している。

マングローブの分類学と生態学の世界的な専門家であるDuke博士(ジェームズクック大学) は、5月にノーザンテリトリー(準)州のカーペンタリア湾周辺の広範囲に及ぶ枯死したマングローブ林の映像を受け取った。
それ以前は、彼と他の研究者らはカーペンタリア湾の反対側の端に位置する、クイーンズランド州のカルンバ(Karumba)周辺のマングローブの立ち枯れに注目してきた。

“その映像はとても衝撃的であった。海岸線に沿うマングローブ林のひどい立ち枯れは無限に広がっていた。”Duke博士は言う。
“私の経験にこのような写真を見る覚悟をさせるようなものは全く無かった。”

Duke博士は2つの州における立ち枯れが関連しているかどうかを解明したいと話した。
“私たちは700kmもの距離において早い時間で立ち枯れが発生したことについて議論している。”

ノーザンテリトリー(準)州で写真が撮られた地域はとても遠いため、マングローブ林の立ち枯れの範囲や時期を確認する唯一の方法は衛星画像によるものだった。

写真の詳細な解析によって、2つの州のマングローブの立ち枯れは、昨年末に一ヶ月の間に起き、グレートバリアリーフの白化と同時に起こっていたことが分かった。

“10,000ヘクタールのマングローブは全長700kmにおいて失われた。”Duke博士は言った。
“私はこのような映像は今まで世界中どこにも見たことない。私は世界中の様々な場所に行き、仕事の一部としていつもダメージを受けたマングローブ林を見ている。これらの映像は今まで見た中で一番ショッキングな立ち枯れだ。”

Duke博士は6月、被害にあったマングローブ林の範囲を確かめるためにノーザンテリトリー(準)州へ向かった。

ノーザンテリトリー準州の公園・野生動物委員会の援助を通して、彼はRoper川とMcArthur川の河口の間をヘリで飛んだ。

Duke博士によると、このような広大な損害の原因はすぐには明らかにならないという。
“大量の石油流出や竜巻、ひどい嵐のようなことがこの地域には近年起きていない。しかし、その様々な現象が起きている中で同時にサンゴの白化と東海岸の水温の上昇が起きていると耳にするようなってきた。
グレートバリアリーフのサンゴの白化とオーストラリア北部のマングローブ林の立ち枯れが同時に起こったことを受け、Duke博士は気候の要因に注目した。

“私はその時期に渡ってノーザンテリトリーで雨季が消えていったことを聞いた。”彼は言った。
“前年の雨季はたった1ヶ月しかなかった。通常ノーザンテリトリーのそのエリアは3~4か月の雨季がある。”

2014年の雨季の異常に少ない降水量と高温が広大なマングローブ林の立ち枯れの原因だと確信していると彼は言った。

また、致命的な淡水の減少と、水温と気温の上昇がマングローブにストレスを与え、耐え切れなくなったのだと彼は言った。

衛星画像は2015年9月から10月にかけた4週間前後の被害を示している。

Duke博士は、”多くの人はマングローブを醜いという。サンゴのように綺麗ではないのであまり注目されない。”と語る。

しかし、マングローブの健康状態は漁業やアマチュアのフィッシング産業に大きな影響を与える。
マングローブ林は、エビやカニ、また北オーストラリアのバラマンディのような魚など魚資源の重要な繁殖地である。

Duke博士は、ノーザンテリトリーで彼自身が6月に調査した地域の魚の捕獲量が通常以下になっているという事例報告を聞いたと述べた。

<感想>
現代は地球温暖化の真っただ中にいます。
地球温暖化は人為的な原因よりも自然の法則であると専門家の方たちは言っています。
しかし、それがかなり急速であるため、人間活動が少なからず影響していると考えられています。
地球温暖化が人為的であってもなくても、地球が温かくなってきており、自然環境が大きく変動してきていることは事実です。
もちろん、それは、直接でなくとも巡り巡って私たち人間にも影響してきます。
サンゴ礁の白化現象やマングローブ林の枯死のようにはっきりと自然環境の変化が可視化されたことは私たちへの警告だと思います。
地球温暖化を”止める”ことはできなくても”人間活動による影響を減らし”、”対応していく”ことはできると思います。
もしかすると、これは地球温暖化のほんの始まりにすぎないかもしれません。
オーストラリアだけでなく、世界各国で地球温暖化について考え、情報を共有し、確実に行動にうつす必要にせまられています。
私もどのようにこれらの問題に向き合っていかねばならないか、考えていきたいです。

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