魚が繁殖可能になる前に、マイクロプラスティックに殺されていることが調査でわかった。2018/5/1

      2018/05/01

Microplastics killing fish before they reach reproductive age」(英文PDF)

The Guardian 2016年6月3日

担当者:RM
≪要約≫

海洋に浮かぶプラスティックごみに含まれる極小プラスティックが、それらを餌として飲み込んだ魚に死や成長障がい、習性の変化をもたらしていることが、調査でわかった。

新しい調査は、世界中の海洋へ入り込むプラスティック製品のごみにより、魚が死んだり、十分成長できないことを証明した。

何種類かの稚魚は、自然の餌よりも、小さなプラスティック粒を好むことがわかった。

それは彼らが成長して繁殖できるようになる前に効果的に餓死させてしまうのだが。

マイクロプラスティックとは近代工業で使用されるポリマータイプの極小プラスティックのことで、魚に対して危険だと何年も思われてきた。木曜日に公表された調査は初めてその被害を試験的に証明した。

マイクロプラスティックは自然環境では殆ど破壊されない。それらは廃棄物つまりポリ袋や包装材、その他の便利な材料が捨てられると、ごみとして海洋に流れ込む。不適切な廃棄処理システムや下水の排水を通して、やがては大量に海を漂う。

もう一つの大きな問題となりつつあるものは、化粧品に使われる硬いプラスティックの極小粒であるマイクロビーズだ。使用例としては最近のスキンクリーナ―に研磨剤とし使用されている。これらは使用されると洗い流され、排水口に押し流されて容易に海への水路に入り、忘れられる。しかし海洋で何十年も存続する。

深刻化する懸念事項の根源であるにも拘らずこれらの物質の影響を数値化するのは難しい。プラスティックの小さな塊は、海鳥や魚、クジラの体内でも見つかっている。それらは飲み込まれるが消化できず、消化管内に積もってしまう。

初めて科学者らは、魚が成長途中でこのような物質にさらされると成長障がいや死亡率の増加、さらに彼らの生存を脅かし得る習性の変化が起こることを示した。

実験サンプルのまだ幼いパーチ(スズキ)は、プラスティックを飲み込むだけでなく、本来の餌よりも好むことを示した。(本物の餌と)マイクロプラスティックが提供された幼魚は、自然の食糧であるプランクトンには見向きもせず、プラスティックのみを食べた。

木曜日に科学誌サイエンスに公表された論文では、マイクロプラスティック(5ミリ未満の極小サイズのもの)が大量にある環境で生まれた魚は、ふ化率や成魚までの成長率が減少したと論じている。

実験でのパーチが、通常捕食者の存在を知らせる化学信号をも無視したことを研究者は発見した。

これらのプラスティック粒は今では世界中の海に多く見られる。またごみ山や下水から流れ出て浅い海岸エリアでもよく見られる。

「動物がプラスティック粒を優先的に食し、それが問題となっていることが発見されたのは、これが最初です。」とその研究の共同著者である、ピーター・エコロフ氏(Peter Eklov)は言った。「発育途中でマイクロプラスティック粒にさらされた幼魚は、異常な行動を示し、しかもマイクロプラスティック粒がない海で育った魚に比べてはるかに不活発である。」

環境保護運動家たちは、川から海や海洋に流されるごみの削減や、人工的なマイクロプラスティックの化粧品への利用の廃止を訴えてきた。グリーンピースは今年始めにマイクロビーズ反対運動を起こし、数社の会社は使用廃止を約束した。

しかし実験は、魚のダメージは既に始まっており、海洋へのマイクロプラスティックの流入を防ぐことは緊急の案件であることを示す。一旦それらが海に流れ込んでしまうと、排除するのは殆ど不可能なのだ。

実験では、マイクロプラスティックにさらされたパーチは、同じ環境にカマスが放されると、自然に育った仲間の4倍も早くカマスに食べられ、48時間以内に全てのパーチが死んでしまった。

この実験結果で、これまで懸念の主な原因とされていた魚の消化システムへの即時の影響以上に、マイクロプラスティックの影響が広範囲かつ長く続く可能性があることを示唆している。プラスティックは、まだ十分理解できない過程をとおして、魚の行動変化を起こし、危険に対し進化した反応を止めてしまう可能性がある。

この調査では、海洋に流れ込むプラスティックごみが増加しており、沿岸域に生息する種類の魚が近年劇的に数を減らしていることがわかったことも付け加えている。

「もしマイクロプラスティックの影響が他の種の稚魚にも同様に表れ、その結果致死率を増すようであれば、水生生態系への影響は深刻になる可能性がある。」と調査報告書のもう1人の著者であるオーナ・ロンステッド氏(Oona Lonnstedt)は警告した。

<感想>

マイクロプラスティックの問題も長いこと問題視されながら、なかなか改善されない難しい問題だと思う。人間が利便性を追求し、最後まで責任を取らないから、そのしわ寄せが自然や陸海空の野生動物にいってしまう。

日本でもプラスティックがあふれている。私の居住地区では、分別収集が徹底していて、プラスティックごみは、曜日も回収方法も決められているが、当日その多さに驚く。私自身、毎週プラスティックごみが燃えるゴミの2,3倍あるのを見て、いかにプラスティック類を使っているか、驚くと共に、少しでも減らす方法を模索している。買い物では常にマイバッグを持っていくが、まだまだ普及していないと思う。マイバッグ持参の場合、ポイントを付けるスーパーは多いが、ポイントが非常に少ない。それより、まだ少ないが、マイバッグを持たず、スーパーの袋が必要な人には、その分も合わせてチャージするスーパーも現れている。国や地方自治体が環境対策として、そのようなスーパーを支援するともっと広がるのではないかと思う。

また、過剰包装についても自治体の指導が必要と思う。日本は過剰包装が多く食品などは殆どが2重、3重の包装になっている。それが当たり前なので、うっかり包装を断る機会を逃すと

沢山の袋が手元に来る。変な神経を使うことがある。サービスの観点からそのような習慣の廃止は難しいが、小学校から環境教育を徹底したら、消費者側の意識が変わり、少し改善されるのではないかと思う。

もうひとつ気になるのは、不法投棄。森の保全活動で見かけることがあるが、海でも同様のことが起こっていると思う。森では、不法投棄が多く発生した所には監視カメラと警告版が置かれている。海でもそのような監視システムを作るといいと思うが、コスト上難しいのだろうか。調べてみたい。

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