赤ちゃんウォンバットの更なるニュース 2012/8/4

      2016/05/25

Courier Mail 2011年4月16日

「More bub news for wombats」

赤ちゃんウォンバットの更なるニュース(英文PDF)
要約/感想:Yumeko Tarusawa

要約

St Georgeのコロニーで子供を身ごもった2頭目の母親ウォンバットが見つかった。母親は絶滅危惧種であるノーザン・ヘアリーノーズドウォンバットである。そして、このコロニーは2年前に研究者たちによってSt Georgeに設けられた。
環境部門の研究者は先月、カメラがあるメスのお腹の(袋の)ふくらみを捉えた後に、その個体が出産したと発表した。
環境大臣のケイト・ジョーンズは昨日、「2匹目の赤ちゃんの存在はレンジャーにとって驚きでした。絶滅の危機に瀕した動物の出産はいつでも嬉しいニュースなのに、ましてや1ヶ月もたたないうちに2匹も赤ちゃんが産まれるなんて願ってもない事です。」と述べた。
11頭のウォンバットが中央クイーンズランドのエッピングフォレスト国立公園からSt Georgeにやってきた。エッピングフォレスト国立公園はウォンバット達の最後の残されたコロニーであり、そこにはたった140頭しか棲息していない。
この移動計画は彼らのかつての生息地に中央クイーンズランド個体群のバックアップとしてのコロニーをつくるためのものであった

Wombat Relocation、Wombat joey感想

野生動物の移送は、どんなに注意を払っても動物にとってはストレスになるものです。しかし、記事にあったように、ウォンバットは移動先の環境に慣れ、子供を作る事ができています。これは、移送が細心の注意を払って行われた事、移送先としてYarran Downを選ぶまでに様々な調査が行われ、最も適した場所が選ばれた事によるのだろうと思いました。あるいは、移送自体はウォンバット達にとってストレスになったかもしれませんが、Yarran Downの環境は、そのストレスから回復するのに十分なものだったのでしょう。また、オーストラリアで野生動物保護の最終手段として行われている動物の移動は成功率90%のプロジェクト(注1)という事ですので、オーストラリアでの輸送技術は特にすぐれ、動物への配慮が十分になされているのかなとも感じました。
また、この記事の中で、つい最近講義で耳にした「リスク分散」の考え方(元のコロニーのバックアップとしてYarran Downに新たなコロニーを作る事)が出てきた事も印象的でした。ある個体群を一カ所にまとめておくと、その場所で災害や感染症等が発生した際にその群が一挙に絶滅してしまう恐れがあります。そのような事態を防ぐのが「リスク分散」の目的です。ちなみに、日本ではツシマヤマネコの「分散飼育」が行われています。これは、対馬で保護された個体を各地の動物園に移送し、そこでの繁殖などを目指すとともに、遺伝的多様性の保持や、リスクの分散を図る取り組みです。
ともあれ、ウォンバット達が無事に引っ越しできてよかったですね。これからも嬉しいニュースが沢山聞けるといいと思います。
何かご意見がありましたらお聞かせください。

注1)Gold Coast Bulletin2010年9月30日
『Koalas evicted as families move in』
AKANE SHOJI訳
http://ajwcef.blog115.fc2.com/blog-entry-24.html
参考文献
クイーンズランド政府HP
http://www.premiers.qld.gov.au/publications/categories/news/sectorwide/2010-november/green-winner.aspx
対馬野生生物保護センターHP http://kyushu.env.go.jp/twcc/ など

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