ブリスベンの新しい郊外:より多くのコアラが道路で死ぬことになる 2015/3/15

      2016/05/18

Brisbane Times 2014年7月3日

『New Brisbane suburb: More koalas to die on road』

「ブリスベンの新しい郊外:より多くのコアラが道路で死ぬことになる」 (英文PDF)

担当者:マーチ

<要約>

ブリスベン市西部の大規模な新しい住宅地開発計画が先に進めば、コアラの死亡数が増加することが予想される。写真:ジェームズ•フィッツジェラルド

ブリスベンのThe Gap(ザ・ギャップ)とUpper Kedron(アッパー・ケドロン)間に計画されている巨大な郊外住宅地はMt Nebo Road(マウント ニボ)という道路における「コアラの交通事故」を増加させるであろうと、その計画書そのものが明らかにした。

コアラの交通事故(コアラが車に轢かれて死傷する事故)は クイーンズランド州都市部のコアラの主要な死因になっている。

ブリスベン市西部における新しい住宅地建設計画には、Ross Road とCanvey Roadを延長して、The Gap地区にあるMt Nebo Roadの森林に囲まれたところで繋げる計画がある。
Ross Roadは、D'Aguilar国立公園のBellbird Grove区画(訳注:ピクニックで人気のスポットである)のすぐ隣に延長されることになる。

プロジェクトの開発業者シーダーウッズ社による建設計画のために行われた交通調査は、この開発によってMt Nebo Roadでのコアラの交通事故が増加することを明確に表している。

「Mt Nebo Roadにおける交通量の増加は、小規模な道路幅の増大やその他の改良を必要とし、それによって小規模な生息地の喪失をもたらす」と報告書は述べている。

「より重要なのは、Mt Neboにおける交通量の増加で、コアラなどの保全において重要な動物を轢く事故発生の可能性が高くなる事である。」

新しい住宅地計画は、フェアファックス•メディア(訳注:オーストラリア最大級のマスコミ)によって、今週明らかになった。

同社の生態学的研究 (South Environmental Consultantsの28人のコンサルタントによる)は コアラへの影響が保全上の主要な問題になるだろうと示している。

「我々の行った動物相査定の結果は、この場所の最大の保全意義はコアラであると示している。」
「この場所には、Sugar Glider(フクロモモンガ)、masked owl(オオメンフクロウ)Eastern long-necked turtle(オーストラリアナガクビガメ), lace monitor(レースオオトカゲ)、 the wedge-tailed eagle(オナガイヌワシ)、brown goshawkなどの地域における重要な種も生息している。」

国立公園を管轄する省(訳注:Department of National Parks, Recreation, Sport and Racing)のスティーブ ディクソン大臣は、木曜日にこの問題について懸念を表明した。

「D'Aguilar国立公園は、ブリスベンからわずか半時間のところにある、ユーカリの森林や亜熱帯雨林と峡谷の壮大な融合体であり、それはクイーンズランド州に住む多くの家族からとても人気のあるピクニックスポットでもあります。」
「開発案はこれから私の省による正式な審査を受けなければいけませんが、私は、D'Aguilar国立公園付近または隣接する開発によって、公園や公園の訪問者に悪影響が出ないようにすることをお約束します。」

「自然の緩衝材は、確かに都市開発の影響を減らすことができる一つの方法ではあるが、開発にその森林地の防火機能を含めることが不可欠になります。」

シーダーウッズ社の計画研究 (ブリスベン市議会の計画に関するオンラインサイトで読むことが可能 )は、Ross Road とMt Nebo Roadの接続が、南部の新しい住宅地への主要なアクセス方法になる事を示している。

この新しい住宅建設地からの交通量の40%がMt Nebo Roadを通行するであろうと示している。
「開発地の南部住民は、この道を主要なルートとして使用することになるだろう」と文書にある。
「開発地の北部住民は、彼らの主要なアクセスとしてCanvey Roadを使用することなるだろう。」

シーダーウッズ社の州部長Nathan Blackburne氏は、同社は交通量が与える既存の道路や野生動物への潜在的影響に対して「とても配慮している」と述べた。
「シーダーウッズ社は、交通専門技術者に適切な試験を行うように依頼した。」

「この開発が10年間に渡るものだという事を覚えておくことが重要です。このプロセス全体を通じて、シーダーウッズ社は住民への影響を軽減するために議会、州政府およびコミュニティと協力することに意欲的です。」

Blackburne氏は、D'Aguilar国立公園の一部である人気のピクニックエリア、Bellbird Grove付近に提案されている道路は「緑の緩衝材」によって区切られると述べた。

フェアファックス•メディアは50〜100メートルになるであろうと推測している。

「Bellbird Groveは、The GapとUpper Kerdonの住民にとって貴重な資産であり、地域の重要な設備です。」

「開発案による緑地や隣接するハイキングコースへの影響はありません。 シーダーウッズ社はBellbird Grove(ピクニックエリア)と開発の間に適切な環境緩衝帯を設置する事を提案しています。」

《感想》

私は日本の都市部といえる地域に生まれ育ちました。Google earth で私の町を見てみると森林部分が殆どなく、オーストラリアの人たちにコンクリートの灰色の町だと驚かれました。

私が生まれたときには既に周辺は人間の作った建物に覆われ、灰色の町が出来上がっていました。人間用に作られたものばかりに囲まれていると、まるで地球には人間だけが生きているような錯覚に陥り、その環境に一緒にいるはずの虫や鳥などの小さな野生動物たちの存在に気をまわす気持ちも失ってしまいがちです。

オーストラリアには、私の生まれ育ったところと比べると、まだ多くの野生動物が生息する森が存在しています。私はここに来て初めて視界の隅から隅まで全部が木だけ!という体験をしました。

でも、その森も着々と開発され住宅地になろうとしています。変貌していく様子を見ていると、現在すでに住宅街や市街地になっている土地もかつては野生動物たちが多く住む森だったんだな、と改めて感じます。

開発によって人間の家が建つと、地帯が一変します。

家ができれば、スーパーマーケットなどの商業施設が建ちます。

家と家の間や、街を繋ぐ道が出来ます。そこで、生息地内を移動する多くの野生動物が交通事故に遭っています。

人が住むとペットもやってきます。オーストラリアでは広い庭に大型犬を放し飼いする人も多くいます。野生動物は自分の生息地内にできた人間の庭を通ります。普段は穏やかな犬でも、野生動物と出会うと縄張り争いになったり、逃げるものを追いかけ攻撃する習性があるため、野生動物を死傷させてしまう事がよくあります。

人間が住処をシェアする方法を考えなければ、野生動物の居場所は本当になくなり、やがてすべて居なくなってしまうかも知れません。

自然淘汰とは言いますが、人間は人間しかいない地球を望んでいるのでしょうか?そうなっても本当に健康に生きていけるのでしょうか?

もうたくさんを失った後なのか、日本の私の生まれ育った町には、オーストラリアのような存在感のある大型の野生動物はあまりいません。しかし、そこにも守るべき生態系があるはずで、これ以上失わないためにも、改めて考えていかないといけないと思いました。

人間は、創意工夫が出来ます。どんな風に生きるのか、ある程度、考え選びながら生きることが出来ます。

人間の経済活動を含むあらゆる活動は、健康な環境あってのもの!と考えて、少しでも工夫しバランスのとれた活動をすべく毎日考え、選択しながら生きていくべきだろうと思います。

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