キタケバナウオンバットが確実に生き延びるための新しい生息地を求めている 2018/7/24

      2018/07/26

『Northern hairy-nosed wombats in the market for new home to ensure their survival』(英文PDF)
ABC news 2017年12月17日

担当者:RM

≪要約≫
キャシー・マクレイッシュ 2017 12 17

写真A:セント・ジョージ近くの保護区でのキタケバナウオンバット(提供:クイーンズランド環境省)

野生生物保護に携わる人々や研究者は、キタケバナウオンバットの保護が可能な土地を求めて調査中である。キタケバナウオンバットは、世界で最も深刻な状態の絶滅危惧種の一つで、早急な対応が求められている。

クイーンズランド州知事のデイブ・ハーパーは、保護している動物たちが、現在野生では殆ど見られなくなっていると危惧した。

彼は、「キタケバナウオンバットの保護は素晴らしい活動だ。つまり本当に美しい種のために働き、また環境にも良いことをするのだから。」と言った。

キタケバナウオンバットは用心深く、見つけにくいうえに夜行性である。従って野生生物保護管やボランティアが彼らを絶滅の瀬戸際から救い出そうとどんなに働いても、未解明な部分が残る。

ボランティア代理人のジェフ・スパナ―によれば、この動物は地中に住み、夜にだけ出てくる。

「しかも〔このウオンバット〕は、その行動に関してわずかな手がかりしか残さない。
たとえば、歩き回るときれいで小さな足跡を残すが、それはカメラを通してしか見ることができない。」

写真:キタケバナウオンバットが残した足跡(ABCニュース:キャシー・マクレイッシュ)

キタケバナウオンバットは、クイーンズランド中部ロックハンプトン北西のクレモント近くで、小さなグループが見つかるまでは、絶滅したと思われていた。

しかし1980年までにわずか35匹が残っていた。

野犬に何匹もの幼獣が殺された後、その生息地域を塀で囲む作業も含めて、州は一致団結して回復活動を始めた。

「いくつもの管理技術を通して、私たちは〔ウオンバット〕の数を回復することができた。」とハーパー氏は言った。

写真:デイブ・ハーパーによるセント・ジョージ保護区にある隠れ場での活動の跡 (ABCニュース:キャシー・マクレイッシュ

2006年には140匹になった。

しかし全てが1か所に生息していたので、研究者は最悪の事態を恐れていた。

ハーパー氏は述べた。「このグループはたったひとつの小さなグループなので、火事や洪水、病気など1度の災害で絶滅し得る。」
「この種を守るために、他の地区にも生息グループが必要だ。」

クイーンズランド南西セント・ジョージ近くに、より南に位置する2番目の保護区が見つかって10年になる。これは地元の地主が130ヘクタールを提供してくれたもので、現在リチャードアンダーウッド自然保護区と呼ばれている。

小さなグループのウオンバットが移動し、今年はうれしいニュースが届いた。
「今では幼獣がいるのだ。これはこの保護区にとって素晴らしい兆候だ。」とハーパー氏は言った。
「つまり、適切な棲家を提供できた証であり、ウオンバットたちは生存のために必要なこと、それも多くのことを行っているということだ。」
この移動は、ウオンバットの未解明な点を調査している科学者にとって、その研究を大幅に前進させる出来事であった。しかしこの小さな穴掘り名人は、今は新しい棲家の中に落ち着いてしまった。

写真A:キタケバナウオンバットが、セント・ジョージ近くのリチャードアンダーウッド自然保護区に移される。(提供:クイーンズランド環境省)

研究者たちは現在、次に必要なステップは、増加しているウオンバットのために、より大きな3番目の保護区を見つけることだと言っている。

しかし第3の保護区を見つけることは易いことではない。ウオンバットは特別な土壌と適切な生息環境を備えたより大きな場所が必要なのだ。

研究者たちはまたこうも述べている。新しい保護区は、気候変動に備えて最初の生息地より南でなくてはならない。

「私たちは多くのことを学んだのだ。」とハーパー氏は言った。

写真:科学者たちによると、ウオンバットたちは、新しい棲家になれつつある。(提供:クイーンズランド環境省)

「現在の棲家で数のバランスが取れているので、私たちはこれらのウオンバットたちを移動させることができる。しかも私たちは今回のウオンバットの移動から知識を得たので、早急により大きな成果を出すために、それを次の保護区に活用できる。」

「移動は非常に重要なことで、かつウオンバットのために本当に必要な次のステップです。彼らの未来を守り安心するためには、それは必要不可欠なことなのです。」

2つの保護区をまとめると、現在約250匹のキタケバナウオンバットが生息している。

さらに来年生まれる予定の赤ちゃんたちもいる。この成長し続ける家族たちが、より大きな棲家を必要とするのはそう遠い先のことではないだろう。

<感想>
絶滅すると思われていたキタケバナウオンバットが見つかり、保護活動により順調に数を増やしている。こちらも幸せになる記事でした。
しかし、250匹という数はまだまだ少なすぎる上、危険が回避されたわけではないので、早く生息に適し、安全で広い保護区となり得る土地が見つかることを期待します。
この記事で強く印象に残るのは、クイーンズランド州が一丸となって保護活動に当たっていること。人も含めて多くのリソースを必要とするであろう活動に真剣に取り組んでいる。研究者やボランティアも活動をしやすいと思う。日本でも地方自治体が野生動物の保護に関わっているが、まだまだ規模が小さい。
野生動物保護や環境保護の大切さに国や地方自治体が積極的に関わると、この記事のような成果が出ると思う。

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