プラスチックゴミによるオーストラリアの海洋汚染と野生生物への悪影響 2015/3/2

      2016/05/18

ABC News 2014年9月15日

『 Plastic pollution choking Australian waters and killing wildlife: CSIRO study』

「プラスチックゴミによるオーストラリアの海洋汚染と野生生物への悪影響」 (英文PDF)

担当者:Yubi

〈要約〉

オーストラリアの海岸で見つかるゴミの3/4はプラスチックであり、野生動物が誤って飲み込んだり絡まったりする危険があることがわかった。
Commonwealth Scientific and Industrial Research Organisation (CSIRO: 連邦科学産業研究組織)によると、広大なオースラリアの海岸線を100km間隔で調査し、世界で最も大きい、海洋漂流物データが編集された。

CSIRO科学者のDenise Hardesty氏は、「海岸線に落ちているゴミの3/4がプラスチックである事がわかった」「そのほとんどは外海からではなく、オーストラリア由来のもので、オーストラリアの都心部付近に集中しているものである」と述べた。

3年間の海洋漂着物調査の一部と、Earthwatch AustraliaがCSIROとShell(エネルギーグループ)と共同で発展させた教育プログラムから、汚染の主要原因はポイ捨てと違法投棄であることがわかった。

見つかったゴミには、海のなか、または海付近に放棄されたガラス、プラスチックボトル、缶、袋、風船、ゴム片、金属、ファイバーグラス、釣り具などがある。

報告書では、これらの海洋漂着物が航行の危険をもたらすだけでなく、サンゴ礁を窒息させ、外来種を持ち運び、観光業に悪影響を及ぼしたり、野生生物を殺したり傷つけたりする。

ゴミは、絡んだり、摂取したりすることで野生生物に影響を与えるだけでなく、ゴミが海洋生態系へ持ち込む化学物質によって間接的にも野生生物に影響を与えている。

特に小型のウミガメは、やわらかく透明なプラスチックを飲み込んでいたが、おそらく餌であるクラゲと似ているせいで間違えたと思われる。

オサガメやアオウミガメは間違えてゴミを飲み込んでしまうと、死に至る可能性が極めて高いことが調査でわかっている。

また、鳥は風船から糸まで何でも食べてしまうため、調査された海鳥の43%から、消化管にプラスチックが見つかっており、オーストラリアとニュージーランド、南太平洋間のタスマン海はリスクの高い地域と指摘された。

プラスチック生産は着実に増加しており、このままでは海鳥のプラスチック摂取は2050年までに、全種の95%にまで達する可能性があると予測されている。

ゴミがもつれることは、海鳥、カメ、くじら、イルカ、ジュゴン、サカナ、カニ、ワニ、その他の生き物を殺したり傷つけたりすることもある。

Hardesty氏は「世界のウミガメのうち約1/3はゴミを摂取している可能性があり、これはプラスチック産業が1950年代に始まってから増加している」
「さらに、海外からやって来る投棄された釣り用ネットにかかってしまうようになってから、カーペンタリア湾では5,000~15,000ものカメが殺されていると推定される」と述べた。

【記事を読んで…】

オーストラリアは四方を海で囲われた国ですが、その点は日本列島も同じです。
平成12(2001)年に環境省から「廃プラスチックによる海洋汚染防止対策検討調査報告」が発表されています。当時からプラスチックは野生生物に悪影響を与えていることが認識されており、国際問題として調査されていたようです。
(参照:http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=1328&hou_id=1843)
その調査結果から得られた課題には、ポイ捨て対策、原因とされるレジンペレットの漏出対策、普及啓発、国際共同調査の必要性が示されています。

社団法人JEAN(WEB:http://www.jean.jp/)では、定期的な「クリーンアップキャンペーン(海岸清掃)」を実施し、拾われたゴミの内容を調査してデータを取る事によって、ただゴミを拾うだけでなく、根本的な原因を追求を目指しているようです。これらは国際協力で行なっており、アメリカの環境NGO Ocean Conservancy が提案する世界共通の手法(ICC: International Coastal Cleanup)を用いて、海ゴミの改善/対策方法を探っているそうです。

2014年発表の、ICC2013年の実績から、おもしろいデータを発見しました。
(参照:http://www.oceanconservancy.org/our-work/international-coastal-cleanup/2014-ocean-trash-index.html)
世界92ヶ国で行なわれた2013年のクリーンアップキャンペーンは、のべ648,015ものボランティアが参加し、12,300,000 lb (5,579,186kg) 以上ものゴミが収集されたようです。
またそのなかで1番多かったのがタバコ、次いでお菓子の包装、3位がペットボトルだそうです。
さらには、拾った花火の量は、アメリカの独立記念日に打ち上げる花火以上だったり、釣り糸は、エベレストの登下山を5回繰り返すことの出来る量だったりと、ゴミの量がどれほどなのかを具体的に例えていました。

こうしてみると、ICCの参加国からもわかるように、海洋汚染対策に取り組んでる国(団体)は世界各国に存在しており、国際的に重要な課題である事は明らかです。
プラスチック製品は便利で低価格であることから、絶えず需要があるために、どんどん新しいものが供給されます。
しかし、その最終的な行方を認識している人はどれだけいるのでしょうか。
街のなかに転がっているゴミは、果たしてどうなるのでしょうか。

生物や環境に悪影響をもたらすことが明確であるこの問題には、継続的かつ効果的な活動を行なう必要があると思います。
ぜひみなさんも一度、身の回りを見直してみて、わたしたちは本当に環境を大切にできているか、考えてみてください

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