クオル コントロール:絶滅危惧の固有種が、熱帯の楽園、東アーネム島を離れる 2016/5/25

      2016/07/15

BC Darwin 2015年11月4日

『Quoll -ity Control:Endangered native animals leaving tropical East Arnhem island paradise』

『クオル コントロール:絶滅危惧の固有種が、熱帯の楽園、東アーネム島を離れる』(英文PDF)

担当者:つるちゃん

《要約》

オオヒキガエル(Cane toads)から隔離するために熱帯の東アーネム(East Arnhem)にある離島の楽園に住んでいた絶滅の危機にあるクオル(Quoll和名:フクロネコ)が、10年以上ぶりにオーストラリア本土に戻されようとしている。
その島にいたクオルたちは、この12年間で急速に繁殖し、生息数は64から約8000に増えている。
今月行われる彼らの本土への帰還は、ノーザンテリトリーに生息するクオルを脅かしてきたオオヒキガエルからオーストラリア固有の有袋類を保護する長期計画の最終段階となるだろう。
Dion Wedd氏(テリトリーワイルドライフパークの動物学のキュレーター)は、島のクオルたちはとてもよくやってきたと言っていた。
「その島では、火災管理やクオルをエサにする捕食者など、人から受ける干渉はまったくありませんでした。」とWedd氏はABC Darwinの放送で語った。
「まず間違いなく、クオルたちはとてもよくやっていますよ。」

オオヒキガエルが毛で覆われた固有生物を脅かす

クオル(タスマニアデビルと近縁種の茶色い毛を持つ有袋類で小さい猫くらいの大きさ)は、かつて州都ダーウィンを含めたノーザンテリトリー全域で、普通に(多く)生息していた。
「ニワトリを狙ってやってきたクオルが鳥小屋にいるのを、誰もが見ていました。」とWedd氏は言った。
しかし1990年代には、森林の火災管理、野良猫や犬のような捕食者などのいくつかの要因により、その数は減少を始めた。
そしてオオヒキガエル。この、食べられたときに捕食者に致命的な毒を与える、人によって持ち込まれた有害生物が、2003年にノーザンテリトリーにまでやってきた。
「クオルは何にでも飛びかかる習性をもっていて、そのためにオオヒキガエルはクオルを追い詰めていきました。」とWedd氏は語った。
「我々はヒキガエルの到達によって、本土にクオルがいなくなるだろうと考えました。その対策として、何かをする必要があったのです。」
その解決策は、2003年、AstellとPobasooというアーネムランド沖にある2つの連なる小さな島に、レンジャーとダーウィン地区の住民によって本土で捕獲された、64頭のクオルを移住させることだった。
「みんな自分たちの小屋から、我々のためにクオルを集めてきてくれました。」とWedd氏。
「個体数を確保するための移住でした。」

ヒキガエルソーセージと研究が希望に

この10年の間、島でたくさんのクオルが保護されてきたと同時に、本土のクオルをオオヒキガエルから守るための新しい研究が現れた。
カカドゥ国立公園で行われた、クオルにヒキガエルソーセージを与えるという2011年の画期的な研究は、夜行性動物(クオル)が、毒を持つ有害生物(ヒキガエル)を食べないことを学べるかもしれないという希望を与えてくれた。
「ヒキガエルソーセージはクオルに少しの腹痛をあたえて具合を悪くします。するとクオルはもうそれを食べたくなくなるのです。」とWedd氏。
「最も興味深かったのは、クオルが親らしいところを見せて、子どもたちにもヒキガエルを食べないように母親が教えるということです。」
Wedd氏のチームとアボリジニのレンジャーたちによって、今月Astell島を離れる準備中のクオル100頭は、カカドゥに放される前に、同じヒキガエルソーセージトレーニングを受けることになっている。
今やノーザンテリトリー中を飛び回っている何百万匹ものオオヒキガエルに脅かされている、Dwarf crocodilesやオオトカゲ(goannas) など、クオル以外の野生動物にも同じような経過が繰り返されるかどうかは、まだわからない。

「もし、私たちがこれらオオヒキガエルを収拾し、繁殖を制限することや絶滅させることができるならば、それが最善の方法でしょう。しかし、私はその方法を知らないのです。」とWedd氏は語った。

★感想

人間が持ち込んだオオヒキガエルによって、クオルの個体数が減っていたということを今回初めて知りました。
野生ではもちろん、動物園でもなかなかお目にかかれない夜行性のクオルに、関心を持つ人は少ないかもしれません。そんなクオルの危機への対策を考え、実行して成果を挙げていることは素晴らしいと思います。長期に渡る地道な活動が、とても大切だと感じます。
一方、日本でカワウという鳥が、一時は絶滅しそうなため保護されましたが、最近になって増えすぎて問題になっているという内容のテレビ番組を見ました。多くのひな鳥が駆除されているとのことでした。
人間の身勝手な行動によって苦しむ動物や植物が少しでも少なくなるように、これからも研究や対策が続くことを願います。そして、我々ひとりひとりに何ができるのかを考えていかなければと思いました。

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