『Sad, short life behind bars』 (2011/6/17)

      2016/05/06

Courier Mail 2008年12月13日
『Sad, short life behind bars』(英文PDF)

日本語要約及び感想 伊藤ひとみ

=要約=
ロンドンでは、動物園のゾウは負傷や疾病によるストレスで寿命が短い、と警告されている。
RSPCAを中心とした研究で、イギリスを含むヨーロッパで飼育されているアフリカゾウの寿命は平均たったの17年であり、これは野生のアフリカゾウの寿命の1/3であることを発見した。
ヨーロッパの動物園やサファリパークでは、インドゾウの寿命は平均19年で、ミャンマーの木材伐採場にいる使役ゾウより半分も短い。
また、飼育されている個体は死産や新生仔が死ぬことが多い、とアメリカの科学誌Scienceに掲載された。
その研究の著者たちは、ゾウの輸入の禁止と極度にストレスがかかると彼らが主張する動物園間の輸送の制限を要求している。
科学者たちは1960年から2005年の間、合計4500頭の雌のゾウのデータを調べた。そのうちおよそ800頭はヨーロッパの動物園に、その他ケニヤまたはミャンマーにいたものである。
RSPCAの研究者のクラブ博士は、飼育されている動物は肥満の影響を受けやすい、と指摘した。
高カロリーな飼料と併せて運動不足から、動物は危険なほど肥満したり妊娠や労働をするのが難しくなる。
イギリスには14のサファリパークと動物園に73頭のゾウがいて、ヨーロッパ全体の1/10の頭数であり、アニーというイギリスのボビー・ロバーツ・スーパーサーカスというサーカス団のゾウは、55歳で未だに活躍している。
RSPCAの野生動物科学の代表であるアトキンソン博士は、「動物園で不健康や寿命を短くするよりも本来の生息地における保全プログラムを促進することの方が前進的な方法はでないのか。」と指摘した。
しかし、イギリス・アイルランド動物園水族館協会のスティーブンソン博士は交配プログラムについて大規模な進歩がみられて来たと主張している。

=感想=
ヨーロッパで飼育されているゾウの寿命は短い、ということですが、ミャンマーの使役ゾウの寿命は短くありません。従って、必ずしも人間と暮らすことが彼らの寿命を短くする、というわけではないようです。ミャンマーの使役ゾウは半家畜、半野生状態で飼育しています。ゾウは日中の仕事が終わると森に放なされ、それぞれ自然の中で自由に採食し、繁殖も行うようです。このような生活は、動物園などで飼育しているゾウよりもストレスが少ないと考えられます。しかし、日本の動物園の長寿のゾウは、井の頭自然文化園のはな子で63歳です(2010年現在)。
また、私はアトキンソン博士の言う保全プログラムも、スティーブンソン博士の言う交配プログラムもどちらも必要だと思います。例えばボルネオオラウータンは、動物園での業績をもとに本来の生息地であるボルネオで保全プログラムが進められています。よって、保全プログラムと交配プログラムを共に行うことで、相乗効果となり、より効率的なゾウの種の保存につながると思います。
ちょうど昨年は国際生物多様性年でしたが、個々の種の保存、そして生態系の保全は各国の努力もさることながら地球規模で推進していく必要があります。世界各国で研究や情報提供を協力し、世界中の飼育展示動物が健康で長生きできると良いと思います。

=参考=
『ゾウと巡る季節-ミャンマーの森に息づく巨獣と人びとの営み-』
http://www.elephanttalk.jp/etlog/diary.cgi?no=54
http://www.save-the-elephant.com/elephant-r.html

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