絶滅危惧種シリーズ4 急速に消えゆく種たち 2012/9/29

      2016/05/18

CourierMail 2011年3月19日

Species die out at a rapid rate ”Spotted -tailed quoll”

"絶滅危惧種シリーズ4 急速に消えゆく種たち" (英文PDF)
要約/感想 YU KITAMURA

〈要約〉

生き生きとした眼、湿ったピンク色の鼻、鋭い歯を持つSpotted-tailed quoll はオーストラリアで最も魅力的な動物、というわけではない。
かつてQuollは自由に歩き回っていたものだが、今ではビクトリア州からクイーンズランド州の州境にかけての、グレートディヴァイディング山脈の両脇に存在する孤立した森でしか見つけることができない。それは長期に存続可能な個体群を支えるにはあまりにも狭い領域かもしれない。

"Quollの雄は1000~3000haの生息地を、雌は200~800ないし900haの生息地を必要とする"
とニューサウスウェルズ州の国立公園・野生動物局の上級科学研究員であるAndrew Claridge氏は言う。

"しかしQuoll たちにとって一番の脅威は、疑いもなく、ヨーロッパのアカギツネのオーストラリアへの導入であった。キツネはQuollたちと多くの同じ食糧源をめぐって競い合い、Quoll 達よりも遥かに勝っていた。"

連邦政府がQuollが危機に瀕していると宣言してからまだ15年しか経っていない。そして政府の保護活動は、Quoll の窮状に焦点を当ててきた。

しかし、今、科学者達はこの事をとても真剣に取り上げている。
"もしあなたが、クイーンズランド州からビクトリア州にかけての東海岸や、タスマニア島のどこかしらを見たら、あなたはQuollたちのために活動するとても熱心な調査員たちをみつけることができるでしょう。"とClaridge氏は言う。
だから、まったく将来に希望が持てないわけではない。
"いくつかの地域、ニューサウスウェールズ州においては確かにQuoll たちの将来について自信を持って語ることのできる地域がある。"とClaridge氏 は言う。
"広く、比較的人の手の加えられていない森があるニューサウスウェルズ州の南部と北部に、私たちは常に彼らをモニターする場所をいくつか持っているのだが、そこで見られる彼らはたくましく見える。"
"つまり、彼らがうまくやっている場所の例があるのだ"

しかし、こんな例にも関わらず、Quoll たちが苦しい生活を送っている場所もあり、このように衰退してしまっている理由を突き止めることは困難であろう、とClaridge氏 は述べる。

(この記事を読んで)

今回はSpecies die out at a rapid rateシリーズのうちの,オーストラリアで絶滅の危機に瀕している動物の具体的な例をとりあげた記事を担当させていただきました.
AJWCEFのトレーニングコースで昨年の夏オーストラリアを訪れましたが,夜になると大コウモリが上空を飛び,ポッサムの爪痕の残る街路樹が普通に存在していた,野生動物とヒトの居住空間がとても近い,独自の環境に驚いたことが印象に残っています.そんなオーストラリアで起こっている野生動物の問題をいくつか勉強させていただきましたが,今回の記事にもあるように生息地域の減少や外来種の導入といった理由によって追い詰められている動物がいることがとても残念に思います.しかし,今回の記事でもQuoll達を救うために活動している科学者たちが紹介されていましたが,追い詰められた動物たちを救うために活動している人々がいることがとても力強く感じます.
日本においても,このように人々が動物の保護のために活動している例があります.あまり知られていないことですが,日本には37種ものコウモリが生息しており,そのうち27種は環境省のレッドデータブックに登録され,うち2種はすでに絶滅しています.多くのコウモリは森林に依存しているため,環境の指標としても注目をされています.このようなコウモリを保護するため,コウモリの居住空間である洞穴の保護や蝙蝠小屋の設置,大型の用水路を補修する際にもコウモリが天井につかまることのできるピットとよばれる構造を付けるといった活動が行われています.
小さな活動ですがこれらの活動が実を結んでいくことを願っています.

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