絶滅危惧種シリーズ2 急速に消えゆく種たち 2012/4/7

      2016/05/25

Courier Mail 2011年3月19日

「Species die out at rapid rate」Southern cassowary

絶滅危惧種シリーズ2 急速に消えゆく種たち(英文PDF)
要約&感想 KAZUKI FUJII

要約

サザン・カソワリSouthern cassowary (南ヒクイドリ)

絶滅の危惧される南ヒクイドリは素晴らしい生物である。
“我々の想像力を引きつける動物だ。”とCSIRO(オーストラリア連邦科学工業研究機構)の主任研究者のデビット・ウェスコット博士は言う。
“オーストラリア、そして世界中の人々が湿潤熱帯地方について考えるとき、最初に脳裏に浮かぶことの一つはカソワリであろう。なぜならカソワリはまさに風変りだからだ。”
その鳥は大きく、飛べず、色鮮やかで人を殺しうるが、ウェスコット氏が言うには、我々の森のなかで重要な役割を果たしているのだ。
“彼らは森の中で果物を撒き散らすのに、他の動物ではできない方法で、独特の役割を果たす。彼らはこの地域に住む原住の人々にとって文化的な意義があり、また進化の歴史においても独自な一面を象徴する。”
これらが、保護する価値を示す理由である。しかし、カソワリは絶滅に瀕しているのだ。WWFによれば、クイーンズランド州北端の熱帯雨林においても1000羽ほどしかいないだろうとのことだ。
生息地の消失と車や、豚、犬、狩猟、病気などによる死亡によって、ヒクイドリは生存の危機に瀕している。にもかかわらず、ヒクイドリの生息数を監視する調査はほとんど行われてこなかったとウェスコット氏は話す。
“調査を行う、技術も方法も存在しなかった。”と彼は言う。“今では、我々は技術も方法もあるが、それらを大規模な調査に適用する好機が今のところない。もし、そのための資金が手にはいった時には、詳細な生息数の調査が行えることを我々は願っている。”
国として、私たちはオーストラリアの歴史において独特で重要なこのような動物を保護する責任がある。ウェスコット氏は言う。
“私たちは共同体として、生物多様性を尊重することを決定し、私たちが生物多様性を尊重し、ヒクイドリのような種もその範疇に含むといったような法律があるのだから、私たちは彼らを保護していくことが要求されるのである。

感想

オーストラリアには有袋類や、単孔類をはじめ様々な動物が生息していますが、この南ヒクイドリは見た目のユニークさもさることながら、種の保全というものを考えるときに非常に重要な意味を持つ動物です。
文中でも、“彼らは森のなかの果物の分散において、他の動物ではできない方法を用いて、独特の役割を果たす。”という記述があるように、ヒクイドリの存在は熱帯雨林の植物にとって欠かせません。
なぜなら、オーストラリアの熱帯雨林に生息するいくつかの植物は、果実をヒクイドリがその種ごとを食べて、消化されることで初めて発芽することができるのです。
つまり、ヒクイドリが絶滅するということは、このようなヒクイドリに関連する植物の絶滅の危機をも引き起こします。
ヒクイドリは私たちに環境保護や種の保全が単純なものでないことを教えてくれます。
たった一つの種の存在が環境に大きく根差し、他の種との関係のなかでなりたっているために、関係を構成する何かがなくなってしまうと簡単に環境は破壊されます。
また、ただ保護するというだけでも意味がありません。ヒクイドリだけを保護してもヒクイドリが住める環境がなければ意味をなさないのです。
ヒクイドリの減少の原因は車に引かれることや犬に襲われるなどの人為的なものも原因となっており、これはコアラにも言えることです。
人間はより良い生活をもとめ、様々な方向から自然に干渉してきました。いまある私たちの生活は素晴らしいものであると同時に、その為の犠牲があったことを忘れてはいけないと考えます。
人間と動物のより良い共存の形を画策していくことがこれからの私たちに与えられた課題なのかもしれません。

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