愛の巣穴で子育て準備 2012/9/3

      2016/05/18

Courier Mail 2012年5月25日

『Tunnels of love set to raise heirs』

"愛の巣穴で子育て準備" (英文PDF)
要約/感想:yubi

=要約=

クイーンズランドでまたVIPな赤ちゃんが生まれた。
絶滅が危惧されるノーザン・ヘアリーノーズド・ウォンバットを調査研究している科学者は、クイーンズランド州南西にあるセイントジョージ近くに形成した新しいコロニーで、3頭目のウォンバットの妊娠を発見した。
昨年生まれた2頭のうち1頭は人間で言えば、母親の巣穴に自分の部屋を設置したアパートへの引越しを済ませている。
絶滅危惧種主任代理のDavid Murphyは、彼らの出産と、移動されたウォンバットたちが土地に適合し落ち着いたという事実は、長い間待ち続けられていた動物の移住がうまくいったことを証明したと話した。
セイントジョージの近くの牛の牧場にいたウォンバットたちが約100年前に全滅させられた後、2009年に、そのかつての生息地に戻されたのだ。
人工の巣穴は、最後の砦であるクイーンズランド州中央のエッピングフォレスト国立公園の生息地からウォンバットを移動させるために作られた。これは世界的に最も重要な種の保護活動のひとつで、15頭が移住した。
Murphy氏によると、15頭のうち5頭は、ヘビによる咬傷、病気または弱いものいじめなどが原因で死亡した。現在コロニーには7頭のメス、3頭のオスと3頭の子どもがいる。
エッピングフォレスト国立公園には現在140頭が残っており、セイントジョージでは科学者たちが彼らのことを出来る限り多く知るため赤外線カメラを用いている。
通常は単独行動をし、夜行性で地下に生息する動物に関する発見は驚くものである。母親は予想以上に社交的で、子どもは遊ぶ傾向にある。全てが際立って違う性質を示す。
全てのウォンバットは2回の良い雨期の恩恵を受けていた。一部のウォンバットは恰幅が良く、補助的な給餌の予定はない。
これは種全体にとって大きな足掛かりであると、Murphy氏は言う。

=感想=

オーストラリアの固有種であるウォンバットはコアラの近縁種とされています。日本ではコアラやカンガルーほど有名ではないかもしれませんが、このまるっこい姿とノッソリとした動きで人気は高いようです。ただしその見た目とは裏腹に気性が荒いこともあるそうですよ!
ウォンバットは3種類存在していて、その全てが国際自然保護連合(IUCN)のレッドリスト*に掲載されています。
コモンウォンバットとサウザンへアリーノーズドウォンバットはレッドリストにおいて、絶滅のリスクは低い軽度懸念種に分類されています。
今回記事になっているノーザンヘアリーノーズドウォンバットは3種の中でもとりわけ絶滅が危惧されていて、レッドリストでは絶滅のリスクが最も高い絶滅危惧種ⅠA類に分類されています。その動物が繁殖に成功したというニュースはとても喜ばしいことです。
そしてわたしが特に注目したいのは人々の努力がその成功に介在していることです。
世界中で起こっている生物の絶滅危惧問題の原因には、住宅街を作るために森林伐採を行なったり、毛皮を手に入れるために密猟を行なったりと、人間による活動が深く関わっています。このウォンバットも、生息地を家畜用の牧場にされてしまったことが個体数減少の1つとして挙げられています。それでも保護活動を行なって来た人々の努力があったからこそ、ウォンバットの新しいコロニー形成から出産にまで至る事ができたのだと思います。
…もちろん一番良いのは、動物の存続を脅かす原因となるものを作らないことですが。
ウォンバットに限らず、世界各地では絶滅が危惧されている生き物がたくさんいて、それらを守ろうとする保護活動も行われています。
しかし中には人々の手が届かないところで、急激に数を減らしている生き物もいるかもしれません。
時間を巻き戻して今現在起こっていることを無かった事にできないのであれば、せめてその生き物が消えてなくならないよう、様々な方面から存続を維持し、快適に暮らせるようにお手伝いすることが、その地域に住む人々の役割なのではないかと思います。
そしてわたし自身もそういった活動へ積極的に参加していこうと改めて思いました。

*:絶滅したまたは絶滅の恐れのある生物種を7段階の危惧カテゴリー分けたもの

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