獣医たちは無償で傷ついた野生動物を治療する、それでも挑戦する 2020/1/7

      2020/01/07

『Veterinarians treating injured wildlife for free, despite the challenges』(英文PDF)

The Conversation 2019年1月14日

担当者:Togy94

≪要約≫
Bronwyn Orr 記

オーストラリアの野生動物はユニークでかわいらしく、多くの種がオーストラリアのみに生息しているので、世界中のどこを探しても見つかることはない。

不幸にもあなたの家周辺または側道で病気やケガを負った野生動物に遭遇することは珍しくないだろう。

最近Australian Veterinary Journalで発表された私の調査によると、毎年、ニューサウスウェールズ州(NSW)の医療クリニックだけでも推定177,580~355,160匹の傷ついた野生動物が運び込まれる。

しかし現在に至るまで、獣医のもとに連れてこられた後、野生動物に何が起こっているのかわかることはほとんど少なかった。

私の同僚と私は、野生動物を治療における需要と見込みについて、オーストラリアにある132件の医療クリニックを調査した。

また、これらの調査結果を受けて起こる野生動物福祉におけるリスクも調べた。

ほとんどの医療クリニックは、鳥類や一般的にポッサムのような有袋類のような、たった一握りの野生動物しか毎週診察していない。

残念ながら、野生動物のうち大多数(82%)は、様々な外傷を治療するため獣医のもとへ運ばれる。

そのうち最も多いケースは、車との接触事故、断定できない外傷、捕食者からの外傷である。

ほとんどの医療クリニックは、野生動物の調査や治療は無償でおこなっており、何らかの形で支払いを受けるのは10%にも満たない。

それらは大体、野生動物のリハビリグループまたは公共メンバーによってつくられる。

痛みを伴う深刻で治療困難な外傷の場合、1/3の医療クリニックでは、もっとも一般的な野生動物の結末である安楽死を施すと記録した。

より建設的なものとして、半数以上の野生動物はリハビリ施設でのプロセスを経て退院する、これが最も一般的な結果である。

4分の3の獣医クリニックでは、時間のあるときのみ野生動物を受け入れている。

治療の遅れは深刻な動物福祉の問題を引き起こす可能性があるため、これは懸念事項である。

さらに多くの獣医クリニックでは、時間、知識、技術の不足が、彼ら自身の野生動物を治療する能力の妨げになっていると示唆した。

小規模企業である獣医クリニックにおいては、現在の野生動物は難問を抱えている。

野生動物は自身のものではなく(厳密に言うと国のものである)、野生動物は無償での処置が予測され、獣医師が普段治療をしている通常のペットのようには見られていない。

迅速な処置を求められている有料のペットの多いクリニックにおいて野生動物を優先することは困難である。

解決策はあるのか?

国もしくは連邦政府が野生動物に対する財政的な責任を負うことが理想である。

連邦政府は、民間獣医クリニックではいくらか野生動物の処置の費用を負担しているが、これらはバイオセキュリティ―管理計画の一部で、多くのクリニックでは行われていない。

野生動物に対する寄付金はかなり歓迎される。

しかし、支援は全く別の形でも出来る。

シドニーのある大きなクリニックは、野生動物のトリアージを行うケアラーを保持しており、患者である野生動物の仕分けについて適切な指示をだす。

クリニックで称される “wild champion” も一つのオプションで、獣医師や看護師が野生動物の下へ出向く担当に任命される。

~感想~

ペットとは違い、野生動物には自身を守ってくれる機関や保証といったものがありません。
今回の記事は、海外における野生動物の現状や、その傷ついた動物のために活動しているクリニックの存在について知ることが出来る良いきっかけとなりました。少しでも自分たちの支援により、希少な野生動物が命を落とすことが無いように、積極的に活動に参加できると良いと感じました。

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