2019年8月 体験談(初級)

      2019/10/10

麻布大学 獣医学部 獣医学科  中村 浩太郎

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皆様は「エンリッチメント」をご存知でしょうか?
直訳すると「豊かにするもの」という意味となりますが、これは動物園の限られた空間内で生活する動物たちの日常に少しでも変化を与えるために、他の動物の匂いが付いたものや普段少し異なった食べ物を与えることで日々のストレスを軽減することを指すそうです。

今回私がAJWCEFのトレーニングコースに参加を決めた理由はいくつもありますが、日本ではほとんど得ることが出来ない貴重な体験をすることができる、という点に大きく魅力を感じたからです。具体的に例を挙げると、オーストラリアのゴールドコースト周辺に存在するボランティア組織・野生動物保護組織を訪れて、オーストラリア固有の野生動物たちが普段どのように暮らしているかを実際に飼育の一部に携わることで垣間見ることが出来たり、あるいは現地の方から直接お話を伺うことでオーストラリアと日本における動物の権利保護の考え方の違いや、野生動物の生態系そのものを維持していくためにどのようなことをするべきかなど、実習と講義の両面を通して学ぶことが出来ることです。さらに、Currumbin Wildlife Sanctuaryではコアラの解剖も見学させていただきました。このような機会は日本国内で得ることは非常に難しく、またオーストラリアの学生でも十人程度のグループに対してコアラが一頭しか割り当てられることがないほどの本当に珍しい機会だと言えます。
このツアーでは現地のボランティアの皆様と話す機会も数多く、英語のトレーニングの一環としても大変有意義な時間を過ごすことが可能です。私自身英語は得意な方ではあると考えていましたが、生活の大部分が英語となるとやはり少し苦労する場面も見受けられました。しかしAJWCEFのスタッフの皆様の通訳やご協力を得ることが出来たために大きく困るようなこともなく、ただひたすら英語のトレーニングにも集中することが出来ました。中には私達と深く交流し、今後も積極的に関わろうとしてくださる方もいらっしゃいました。

今回の参加者は年齢や学年も少しばらつきがあり、国内では中々出会う機会のない方ともお会いしました。私は大学を再受験して今年から獣医学科に通い始めた一年生のため、動物のことに対しての知識も他の参加者の方と比べると浅く不安に思うこともありましたが、年齢や性別を超えて滞在期間中の生活を支え合い、また経験や思い出を共有することができるのは幸せなことだと感じました。知識量や考え方の差、また将来の展望が異なる参加者の方々と意見を出し合って話すことで、自分が知らなかったことや自分が提供できることを通して親睦を深め合うことができる機会というのも、また一つの良い経験でした。

私達は大学や職場と言ったごく限られた生活環境の中に置かれています。そのような環境の中に居続けると、徐々に視野も狭まり生活も退屈になってきます。今の生活に対して刺激を与える、学ぶことへの意欲を高める、そして何よりこれからの生活を少し豊かにする自分のための「エンリッチメント」として、このトレーニングコースにぜひ参加してみてはいかがでしょうか。きっと自分にとってのターニングポイントに出会えるはずです。私もまたいずれ臨床コースに参加したいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。

麻布大学 獣医学部 獣医学科  久岡 望

IMG_3526みなさま初めまして。麻布大学獣医学部獣医学科に在籍しております久岡と申します。この度、 野生動物保護トレーニングコース(初級コース)に参加させて頂きましたので、誠に僭越ながら感想文を書かせて頂きます。

まず初めに、なぜ私が野生動物保護のプログラムへ参加させて頂いたのかと申しますと、野生動物について全くと言って良いほど知識を有していなかったからです。獣医学部に入学し、これから生涯動物と触れ合っていくにあたりもっと知識を身につけ、広い視野を持たなければならないと考えたのが参加の動機でした。参加されていた他のメンバーの方々は非常に優秀な方ばかりでしたが、私のような知識がゼロに等しい者でも非常に勉強になることばかりでしたので、少しでも興味を持たれた方には参加を強くお勧めいたします。
さて、ではプログラムの感想を施設ごとに述べていこうと思います。

①デービットフレイ野生動物公園
ここは世界でも珍しいカモノハシの繁殖に成功したことのある施設です。こちらの施設では主に飼育管理や観察記録について学びました。絶滅危惧種を多数保護し、希少動物の宝庫です。当たり前のことですが、そのほとんどがオーストラリアの固有種であるため、日本ではなかなかお目にかかることのできない動物の接し方を学ぶことができます。オーストラリアの方々ですら生態を理解しきっていない動物もおり、保護にあたり飼育方法の探求や試行錯誤してきたお話を聞くことができたのは貴重な経験でした。日本とは異なり、オーストラリアの動物園は生態展示です。野鳥ですら展示の一部になっており、感染症への対応などかなり考えられた仕組みで管理している印象を受けました。
スタッフの方々がとても親身に教えてくださったため、コミュニケーションの点で不安だった私もすんなり溶け込むことができ、とても楽しく実習で学ぶことができました。

②カランビン野生動物病院
こちらでは主に動物の治療方法について学ぶことが多かったです。特に有袋類については自分から能動的に学ぼうと思わないと日本では勉強できません。このコースの看板であるコアラの解剖が特に印象に残っています。交通事故で亡くなってしまったコアラを実習として用いさせて頂きました。ユーカリを主食とするため盲腸がとても長いことに衝撃を受けました。一言一句聞き逃すまいと思って臨みましたが、英語が早すぎてついていけず反省です。通訳してくださったAJWCEFのスタッフの方がいなければ無駄な時間を過ごすところでした。語学に関しては次回以降の課題です。「英語を頑張ろう。」そう思えたこと自体も参加して良かった点です。

③RSPCA(王立動物虐待防止協会)
オーストラリアでは動物虐待に対して、国や国民は非常に厳しい態度をとっています。ここでは詳細を割愛させて頂きますが、私は人の学習サポートに関するボランティアをしています。ですので、虐待というテーマは非常に関心がありとても勉強になりました。国を巻き込んだ制度や取り組み、個人個人の意識改革が関係してくる話ですので簡単な話ではありませんが、オーストラリアの取り組みから良い点を真似することが大切です。日本にも小笠原での猫の捕獲活動など世界に誇る取り組みが沢山あると思います。各国、各組織、各個人が情報交換や意識の擦り合わせ、考え方を共有していくことが人間と野生動物の共存に向けた最善の取り組みであると考えます。

今回は簡単に上記①〜③の施設で学び、感じたことを書かせて頂きました。この他にも沢山のことを学び、また沢山の人と出会えたことは私にとって一生の財産になりました。もっと勉強して、必ずまたオーストラリアへ学びに行こうと考えております。その際、AJWCEFの皆さまにはまたご迷惑をおかけするかと思いますが、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

小川 杏菜(大学生)

P8280391私は将来動物に関わる仕事に就きたいとは思っていますがこの職業に就きたいと思える職種はありません。
「野生動物、動物保護」に興味はあったものの何をすればいいかわからなかった時にこのトレーニングを知り参加してみようと思いました。
怪我をしている野生動物の健康チェックの方法や飼育管理などプログラムは全てがためになるもので1日1日があっという間に過ぎていきました。また、スタッフの方にもたくさんのサポートをしていただき初めての海外でしたがとても充実したものになりました。

日本とオーストラリアの動物に対する考え方の違いや、オーストラリアの動物施設には常にたくさんのボランティアの方がいるなど日本にいるだけでは知ることのできなかったことをたくさん知れました。今回学んだことを何らかの形で自分の手でも発信していきたいなと思っています。

服部 未奈(大学生)

P9030487 動物園にいる動物たちは本当に幸せなのだろうか。この漠然とした疑問は幼少期から私がかかえていたものです。
オーストラリアに来て驚いたことの1つに動物園の在り方が国によって全く異なる、と言うことがあげられます。日本はより多くの動物を来園者に見てもらうことを目的として動物を展示する行動展示であるのに対し、オーストラリアは動物の生態そのものを展示している生態展示の方法をとっています。両者にはそれぞれメリットとデメリットがありどちらが優れていると言うこともありません。動物園は世界中、自分自身が今まで見たことのある形式で展示されていると思い込んでいたため初めてこの事実を知った時驚きました。この時同時に、物事を多角的な視点からみることの重要性を痛感しました。
もし、私がこのAJWCEFのトレーニングコースに参加しなかったら、この事実に気づかなかったかもしれません。常に物事をさまざまな方向から捉えることは容易なことではありませんが、これから社会に出ていくにつれて、身に付けることは不可欠であると感じます。
2週間の滞在期間でしたが、動物に限らず多くの経験ができとても充実していました。

夏希 (大学生)

IMG_4113私はオーストラリアに初めて行きました。
初級トレーニングコースを終えた今の感想は、オーストラリアに行くことができて本当によかったと思っています。
初めは、英語を話すことができないのに海外に行くなんて大丈夫だろうかというたくさんの不安がありました。AJWCEFのスタッフの方々を始め、デイビットフレイのレンジャーさん、カランビンのレンジャーさんはとても優しく接してくださいました。

1番印象に残っているのは、デイビットフレイでのラウンドです。
三日間毎日違うレンジャーさんたちと共に、野生動物について勉強させて頂きました。英語が苦手な私にもわかるように、簡単な英語やジェスチャーで伝えてくれました。1番嬉しかったのは、コアラと触れ合えたことです。コアラが運良く降りて来てくれたので、一緒に写真を撮ったり、触らせてもらえたりしたことです。レンジャーさんと、とても仲良くなることができた分別れがとても寂しかったです。

オーストラリアで、トレーニングコースの実習を終えて、野生動物の生態についてだけでなく、現状についてまで広く学ぶことができました。また、オーストラリアと日本の動物の概念の違いも知ることができました。オーストラリアでは動物を主体として共存していける環境を作ろうとする意識の高さを感じました。

ちぇちぇ (大学生)

IMG_3284トレーニングコースではとてもお世話になりました。私は野生動物にとても興味があったため、全てのカリキュラムに興味があり、とても充実していた2週間でした。
とくに記憶に残っているのはデイビッドフレーでの実習です。たくさんの動物を触らせていただけてすごく幸せだったし、たくさんの動物の話を聞けてとても勉強になりました。ぜひまた参加させていただきたいです!!

 

H・S(大学生)

IMG_300実習で感じたのは、その国や周りの環境や状態で何が求められているか変わること。野生動物と親しみが少ない日本でオーストラリアのような広大な土地と寄付で保護をやるのはすごく厳しいことだと思います。日常的に見ない聞かないことは、間違った考えや無知、無関心を引き起こす。それがすごく怖いことだと感じました。
興味がないの言葉で知ろうとしない姿勢を変えたいと思ったし、残りの学生生活で様々な分野のことを知って、将来、広い考えで偏見なく見極める力を身に付けたいと今回の実習を通して強く思いました。

C・U(大学生)

P8270362この2週間の研修で日本では学べない多くのことを学ぶことができました。
参加する前は特別野生動物に興味があった訳ではなく、なんとなく自分の視野を広げてみたいと思い参加した研修でしたが、今はまたオーストラリアに戻ってもっと勉強したいと思うほどに考えが変わりました。毎日の研修は楽しさと驚きの連続で、学ぶことの楽しさを感じることができました。レンジャーさんやボランティアの方々はみんなフレンドリーで人にも動物にも優しい方しかいませんでした。優しいだけでなく動物の知識がとてもあって、ただただすごいなと思いました。とても尊敬できる方々です。

この2週間で知識などの学びはもちろん深まりましたが、それだけでなく、多くの刺激を受けることができました。アイビスやブッシュターキーでさえ恋しく感じているこの頃ですが、2週間で得たことを活かし、またオーストラリアに戻れると信じてこれからも勉強を頑張っていきたいです。

M・H(大学生)

P9050621トレーニングの間は今まで見たことのない多くの動物との出会いがあり、オーストラリア固有の種の生態や飼育上の注意について多くのことを学ぶことができました。実習中はただお話を聞くだけでなく、実際に動物とふれあったりエンリッチメントを意識した餌作り等実践的な体験もできとても良い経験になりました。
ゴールドコーストには日本と比べて多くの野生動物が人間の暮らす直ぐ近くで生活しており、環境にも恵まれた2週間を過ごすことができたと思います。今回の実習を通して学んだ多くのことを忘れず、今後の学習に生かしていきたいです。

MH(大学生)

IMG_36472週間も海外で生活することすら初めてだった私にとって今回のトレーニング中に学んだことは数え切れませんが、なによりも日本とオーストラリアにおける野生動物保全に関する姿勢、取り組みの違いということについて、人から聞く話としてではなく、自分の目で実際に見て、現地のレンジャーさんたちから直接聞けたということ、その人たちとの関わりを得たということは絶対に日本に居続けたらできなかったことでこのコースに参加してよかったと心から思ったことでした。
これからも視野を広く持ってこの2週間で得たことを頭の片隅に置きながら学び、将来に生かしたいと思っています。ありがとうございました。

 

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