2017年8月 体験談(初級)

      2018/02/16

吉田南海 大学生

デービッドフレイ野生動物公園(飼育管理&観察記録)

野生に返せないような怪我をしている動物や子供の頃から人に育てられている動物を野生で住んでいる環境に近い状態で飼育し教育にも生かしているシステムが日本にはなかなかないので驚いた。日本では生態展示をしていても防鳥ネットが張ってあるところがあるが、デービッドフレイ野生動物公園では野鳥も生態展示の一部になっていたので面白かった。しかし、外からの感染症などに注意が必要だと感じた。
オーストラリアの動物だけに限らず、動物の飼育に関してエンリッチメントの必要性や体調の変化の見つけ方をレンジャーさんから多く教えてもらった。
バードショーやアニマルショーが日本の動物園などでやっているものに比べて動物との距離が近く、動物が普段どのように動くのか見ることが出来てとても楽しめた。また鳥のトレーニングの様子を見て、ショーのためだけではなく体調管理にも必要だとわかった。
日本ではあまり見ることができない動物たちを行動観察でじっくり観察したり、飼育管理をしながら間近で観察したりととても貴重な経験になった。

デービッドフレイ野生動物公園(レクチャー)

英語で講義を受けることに対してとても不安があったが、とても分かりやすい通訳をしていただいたので英語が難しいということに気をとらわれすぎずに講義を理解することに集中できた。野生動物を保護していくうえで必要な個体数管理の方法やマニュアルがあるということを知ることができた。

モギルコアラ病院(病気や怪我、孤児のコアラのお世話について)

実習が始まる前に「コアラにとって自分たちは宇宙人だと思って」という言葉がとても印象的だった。聞いたときはよく理解できずにいたが、実際に怪我をした野生のコアラに対して薬をあげたり掃除をしたりしてみて、人間の立場から考えると怪我の処置や清潔を保とうとする行為でも、動物からすれば意味も分からず強制的にされてストレスになるのだと分かった。それぞれの動物に対してまったくストレスを与えずに適切な対応ができればよいがなかなか難しいだろうと思った。
日本内でほとんど見ることがないコアラを間近でかなり長い時間観察でき、コアラに発症しやすい病気についての対処を学ぶこともできてとても貴重な体験だった。

モギルコアラ病院(レクチャー)

大学の講義では聞けない有袋類などのレクチャーが初めて知ることばかりで聞いていてとても面白かった。特に胚休眠の話や同時に袋の外と中と子宮内で子供を育てられるという話を聞いて面白いと感じ、もっと動物の機能について勉強しようと思う良いきっかけになった。また、コアラの体の仕組みについて講義で先に聞いていたので実際に解剖をしたときに理解しやすかった。

カヤックでの野生動物観察

実際に野生のコアラが木で生活しているところを見ることができ、予想以上にコアラが人が住んでいる近くでも生息していることが実感できた。住宅地化が進むことでシロアリによってあけられた穴にすむ生物の棲み処が少なくなってしまっていることや、においや鳴き声によって近くの住民に影響のあるコウモリについて生態系のバランスを保つ重要な種であるという事を地域住民側に理解をしてもらうように努力しているなどの話を聞いて、人間による開発と生態系保護のバランスを保っていくことの難しさを感じた。

王立動物虐待防止協会(RSPCA)訪問

日本でいう保健所に似た機能を持っている場所だと聞いていたのでもっと殺風景な場所を想像していたが、とても雰囲気がよく誰でも入りやすい場所だったことが印象的だった。日本でもそのような雰囲気作りがあれば保健所に足を運んでみようと思う人も増えるのではないかと思った。犬猫などのペットから家畜までそれぞれに十分な場所があたえられ、引き取り手が見つかるまできっちり保護されていることや、動物の世話の大半がボランティアで行われていたり、99%が寄付金で運営されていたりと驚くことが多かった。日本でも可能な限り取り入れられたらいいのにと思った。

コアラなどの野生動物ケアラーさんを訪問

ボランティアとして個人の家で多くのコアラを世話していたことにとても驚いた。ただ世話をして育てるだけでなく、人慣れさせ過ぎないように人の手で育てることはとても大変だと感じた。またユーカリの葉を自分で何時間もかけて取ってきたり、事故に遭ってしまったコアラを運ぶための救急車を用意していたりと、コアラのために多くの時間などをかけている姿勢を見て、コアラなどの野生動物保護でのボランティアの方たちの存在がとても大きいと感じた。

トレーニングコースに参加して…

全体を通してボランティアの人の数や寄付で成り立っている施設が多く、日本に比べて社会全体で野生動物の保護や自然の保全に取り組んでいる印象が強かった。
初めて生活する土地で経験したことないことばかりで最初は不安もあったが(AJWCEFスタッフの)あおみさんやとしみさん、それぞれの施設の方たちが丁寧にサポートしてくれてとても安心して過ごすことができた。

柏本ゆかり 北海道大学工学部 環境社会工学科 環境工学コース

「人と動物の関わり」

今回私は、トレーニングコースの初級に参加しました。参加動機は2点です。1点目は、もともとコアラやカンガルーといった有袋類に興味があったから。2点目は、大学で学んでいる工学分野を、野生動物保護に結びつける仕事がしたいから。このトレーニングコースを通して、将来自分に何が出来るのかを考えたいと思い、応募しました。一番の収穫は、自分が野生動物保護に関心があることを再確認出来た事です。工学部に進学してから、動物への思いが趣味程度なのではないかという不安がありました。工学に対しても動物に対しても中途半端なモチベーションしかありませんでした。しかし、この研修では、工学のことを一旦忘れて動物のことだけを考えられました。多くの動物の世話をし、保護したコアラの安楽死や死因解剖と向き合う。「楽しい」だけでは終わらない研修を通して、野生動物の保護における迅速で正確な判断の重要性に気づきました。保護の基準は、自然に返せる状態まで回復するか否か...回復不可な個体は安楽死。正直かなり衝撃的でしたが、それと同時に、「救いたい」という思いが研修を重ねるにつれて大きくなりました。この経験で動物への思いを再確認できたのです。研修前と違って、自分の意志に少し自信が付いた私は帰国後、動物園でのガイドボランティアを始め、工学部の勉強にもより意欲が湧き始めました。そして、自分が何をしたいのかじっくり考え悩んでいます。中途半端な気持ちで変えられるものではないと分かっているからこそ、もっと考え、もっと勉強しなくてはと思います。夢はまだまだ模索中ではありますが、野生動物保護に工学的視点から切り込み、人と動物が互いの存在を認め合い、共存し合える社会作りに貢献していきたいと強く思っています。

増田わかな 大学生 日本獣医生命科学大学 獣医保健看護学科 1年

デービッドフレイ野生動物公園(飼育管理&観察記録)

最も印象に残ったことが、生態系展示についてです。日本に存在する動物園などとは意義・目的が根本から違い、動物を展示するのではなく、生態系をそこに存在させることをしています。ほぼ野生の状態で動物が生息できるという利点があり、野鳥など外からもどんどん動物たちが集まってきて、自然と生態系が存在することになる、その施設の仕組みに感銘を受けました。
飼育管理や観察記録を行なっていった中でもっとも印象に残っているのは、エンリッチメントを実施していたことです。それも、動物の本能をくすぐるような仕掛けで、少しでも動物のためを思ってストレスの少ない、楽しいと感じられる環境にするために努めているのが素晴らしいと思いました。

デービッドフレイ野生動物公園(レクチャー)

単孔類のカモノハシについてのレクチャーの中で、私たち人間の身勝手な開拓によって事故に遭ってしまうカモノハシの話が印象に残りました。

モギルコアラ病院

200%日本では経験できないことしかなく、毎日とても刺激的でした。
初めての解剖がコアラというとても貴重な経験をさせていただきました。1日目の解剖で私には知識が足りていなく全然理解できていないのを実感し、とても悔しかったため、その日の晩に消化器系の配置や各動物の特徴、英語でなんていうかを学習し、翌日に臨みました。おかげで翌日の内容はよく吸収ができた気がします。これを機に自分は解剖学以外のことも学べました。

カランビン野生動物病院の訪問

ボランティアの方からの寄付で成り立っているため、手術室をガラス張りにするなどして工夫している点は決して日本では見られないので驚きました。また、外から簡単に質問ができるなど、情報提供をしてくれる施設だと思いました。

王立動物虐待防止協会(RSPCA)訪問

施設の規模の大きさと、雰囲気の明るさに圧巻された。保健所と同じ機能をしているのにもかかわらず、そこには動物たちにとって明るい未来がありました!!

M・E学生岐阜大学 応用生物科学部 生産環境科学課程 2年

デービッドフレイ野生動物公園(飼育管理&観察記録)

毎日違うオーストラリア固有の動物に関わることができ、さらに直接レンジャーさんから飼育方法を学べたのが良かったです。レンジャーさんや職員の方は明るい人ばかりで、全然英語が得意ではない私の話もゆっくりと聞いてくれ、説明するときもジェスチャーも交えながら優しく教えてくれたので楽しく実習できました。このコースで、英語がペラペラにならなくても、英語で会話することへの抵抗は全く感じなくなりました。

モギルコアラ病院(病気や怪我、孤児のコアラのお世話について)

コアラを普通ではありえないくらい近い距離でお世話できて、初めて知ったことがたくさんありました。ケアする上で気を付けることも多くあって、特に人馴れさせないことや、木の上でしか餌を与えないことも、コアラを守ることにつながると知って、野生動物を相手にするからこその大事なことを学べました。私たちがいる間にも、退院したコアラや病状が良くなっていったコアラがいて嬉しかったです。
また、来院した全コアラにマイクロチップが埋め込まれていて、州として野生の個体の情報を共有していることに驚きました。

トレーニングコースに参加して…

一緒に過ごしたメンバーとはすぐに打ち解けられ、実習時間はもちろん、移動時間や部屋に帰ってからもたくさん遊び、他愛のない話もたくさんし、毎日を本当に楽しく過ごせました。そして、実はみんないろいろ深く考えていて、同じようにここに集まったメンバーだからこそ共感できるような将来のことや動物のことを語り合うこともできました。このトレーニングコースで過ごした2週間の全ての時間が、自分の考え方や生き方に大きく影響し、考えさせられた、かけがえのない時間でした。参加して本当によかったです。AJWCEFのスタッフの皆さんをはじめ、関係した全ての機関の皆さん、共に過ごした仲間たちに感謝します。

Y.S 大学生 東京農工大学 共同獣医学科

デービッドフレイ野生動物公園

日本の動物園ではなかなか見られない、サファリとも違う開放的な展示方法が新鮮でした。飼育実習では動物を間近に見ながら作業することができ、楽しみながらトレーニングを受けられました。また幸運にも托卵中のヒクイドリのつがいを行動観察できたのはとても貴重な経験になりました。

モギルコアラ病院(病気や怪我、孤児のコアラのお世話について)

普段は動物園で遠目に見ているコアラに、直接触れて処置をするなど、日本ではなかなかできない体験をすることができました。コアラ特有のクラミジア症の治療から野生復帰まで幅広くコアラの保全に関われました。

モギルコアラ病院(解剖実習)

大学で扱う動物と異なる、コアラの解剖的な特徴を肉眼で見ることができ、とても感動しました。有袋類の泌尿・生殖器の立体的な配置や、育児嚢、袋骨などは他の動物では見ることができないため、大変興味深かったです。

トレーニングコースに参加して…

今回初めての海外渡航ということもあり、不安も大きかったですが、AJWCEFの方々や現地の人々のサポートのおかげでとても楽しく、無事に実習を修了することができました。最初は慣れないこともありましたが、徐々にオーストラリアと日本の違いを楽しめるようになりました。文化や気候はもちろん違いますが、オーストラリアは野生動物とのかかわりに関して、日本より教育普及が行き届いているような印象を受けました。
実習先でお世話になった方々はもちろん、AJWCEFの方々や同行したメンバー各々から、動物と人間社会との共存について真剣に向き合う姿勢と情熱が伝わってきました。今回の経験を糧に、将来どのような職に就くとしても、獣医として動物とのかかわりを広く一般の方々と一緒に考え、人と動物がより良い関係を築く力になりたいと気持ちを新たにしました。また、今回の参加者の最年長者ということもあり、自分より若い人たちが、理想と向上心をもって実習に望む姿は、とても励みになり、気の引き締まる思いでした。

高井 雄也 学生 岩手大学 共同獣医学科 2年

モギルコアラ病院

モギルコアラ病院では実践的なコアラのお世話を実際にして野生の動物を扱う難しさを実感できた。ストレスをかけないようにしながら薬などをあげることは本当に難しいことだと感じた。
コアラの1回の食事にたくさんのユーカリが必要なことに驚いた。実際にユーカリを見て植樹することでこれからユーカリは足りなくなるだろうと感じることができた。

王立動物虐待防止協会(RSPCA)訪問

王立動物虐待防止協会の訪問は本当に驚きが自分のなかでは大きかった。日本の保健所とは全く異なっていて、飼い主が見つかるまで死ぬまで飼育するのに、それは国の運営ではなく、寄付とボランティアで成り立っている。改めてオーストラリアはすごいと思った。

トレーニングコースに参加して…

このトレーニングコースに参加して一番よかったと思えたのは、同じ分野に興味がある仲間と出会えたことだと思う。同じ年代の学生と2週間一緒に生活して考えていることとかをたくさん話して本当に刺激を受けたし視野が広がった。また海外を見ながら改めて海外から日本を見ることで日本のいいところや悪いところが見ることができたと思う。これからこのような野生動物の活動に参加してたくさんの人と関わりを持って、たくさんの刺激を受けながら自分のやりたいことを探していきたいと思う。

りほ 学生

モギルコアラ病院(病気や怪我、孤児のコアラのお世話について)

初日は「英語分かるかな」などと結構不安でしたが、そんな不安は必要なかったと思うぐらいに皆さんが丁寧かつ根気強く私達が理解するまで教えて下さいました。病気のコアラへの薬のあげ方など様々なことを教わりました。病院に奉仕している多くの方がボランティアだということに驚きました。ボランティアの方々はもちろんコアラが好きでやってらっしゃいますけれども、あくまで野生に帰すコアラとして、必要以上に密にならないように接していました。こういったボランティアさんの献身的な働きと意識がコアラにストレスをかけずに早くの自然復帰を可能にしているんだと思いました。

モギルコアラ病院(解剖実習)

初めてコアラの解剖をさせて頂いてとても驚きました。外からみるとぽっこりしたお腹で丸っぽいフォルムをしているコアラですが、皮下や内臓には驚くほど脂肪がありませんでした。いかにコアラがギリギリの生活を、常に自転車操業で生きているのかを実感致しました。

コアラなどの野生動物ケアラーさんを訪問

ケアラーさん宅に見学させて頂きましたが、本当にケアラーさんというのは大変だと分かりました。コアラが小さいうちには数時間おきにミルクをあげ、大きくなったら、数日おきにユーカリを取りに車で何キロも走らなければいけません。そんな手塩にかけたコアラを私でしたら離し難く思いそうですが、ケアラーさんはちゃんと野生に帰られるようなトレーニングも行いホスピタルの”幼稚園” (野生に返す前に野生らしい行動を身につけさせるための施設)に送り出していました。オーストラリアの「野生動物が身近にいる環境が普通」、「野生動物は野生にいるのが当たり前」という考え方と、野生に戻るお手伝いをする習慣は、とても素敵だな~と思います。

日本獣医生命科学大学 獣医学科2年 間宮萌子

 私が今回参加した理由は、将来の野生動物保護への携わり方を模索していたことと、オーストラリアの固有種と実際に触れ合うことで野生動物が直面している問題や現状を学びたかったからである。
 前半は主にデービッドフレイ野生動物公園という保護施設で実習を行った。そこでは有袋類の他、爬虫類や鳥類などが自然に近い状態で飼育されていた。実習では飼育場の掃除や餌やりを行い、どのような食べ物をどのように与えるのが良いのか、また人がいかに動物にストレスを与えずに飼育するかなどを学んだ。数日間動物の行動観察を行い、その動物の通常の行動を知ることの大切さも学んだ。レクチャーでは、現地の先生から動物の詳しい生態や管理法、今起きている問題などについて聞くことができた。
 後半は主にモギルコアラ病院で実習を行った。保護しているコアラ1頭1頭に薬の投与やお尻の洗浄を行った。保護という意味では正直地道な作業だと思ったが、結膜炎や膀胱炎のコアラにとって大切な作業だということ、野生復帰を目標として人に慣れさせず、またなるべくストレスを与えずに世話をする難しさを学んだ。午後の解剖実習では現地の獣医師の先生が丁寧に解説をしてくださり、健康なコアラと病気のコアラの体を比較したことでより理解が深まった。また私達にメスを持たせて自由に解剖をさせてくださったことは、動物への興味や疑問を更に引き出してくれたと思う。
 カヤックで川下りをしながらの野生動物観察も行った。木で過ごす野生コアラや、かねてから見たかったオオコウモリの集団を見たときはとても感動した。オオコウモリと人との関係やオオコウモリの受粉における重要な役割などを教えていただき、とても勉強になった。また王立動物虐待防止協会(RSPCA)という、日本でいう保健所を訪れたときは、日本との違いを目の当たりにした。施設内は明るく、生き生きとしていた。動物虐待防止の制度が充実しており、改めて日本の制度を変えなければならないと強く感じた。
 今回の実習で学んだことは、動物に関する知識だけではない。通訳の方がいるという安心感のもと現地の方と直接コミュニケーションをとれたことも良い経験になった。また、日本中から集まった初対面の人と一緒に2週間生活を共にしたことは貴重な経験であった。出会った仲間との初日からの買い物、自炊、フリーデイを自分たちで計画して過ごしたことなどで、自主性や協調性、海外への適応力が少し身についたと思う。
お世話になった水野先生、あおみさん、としみさん、アラン先生、現地のスタッフさん、実習に参加させてくれた両親、かけがえのない友人との出会い、に感謝しております。ありがとうございました。

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