ご挨拶

オーストラリア日本野生動物保護教育財団設立にあたり

i-con-teo近代社会の発達に伴う都市化等により世界規模での環境、生態系の破壊に起因する生物への影響が報告され始めてから久しくなります。しかし、人々の努力にも 拘らず未だにこの様な破壊は続き、多くの野生動物は生息地を失い、あるものは絶滅し、またあるものは絶滅の危機に瀕しております。

ここオーストラリアでも、ヨーロッパからの入植が始まって以来約200年の間に、確認されているだけでも60種近くの動物が絶滅いたしました。さらに、現 在または将来絶滅が危惧される動物たちは370種にも達し、ウォンバットの一種であるノーザンへアリーノーズウォンバットは、現在エッピングフォレスト国 立公園内のみに約130頭しか残っておりません。オーストラリア大陸は長い間他の大陸から隔絶されている為、そこに生息する動物たちはコアラやカンガルー に代表される有袋類、カモノハシとハリモグラが属する単孔類など独特の進化を遂げたものが多く、これらの野生動物を他の地域で見る事は出来ません。多くの 場合オーストラリアでの動物の絶滅は地球からの絶滅を意味しています。よって、これらの動物たちはオーストラリアだけではなく“地球の宝物”なのです。

オーストラリアは日本の約21倍の国土を持ちながら、その中に東京圏の人口より少ない僅か2,100万人余りしか居住しておりません。広大な国土に生息す る多種な野生動物を保護していくにはオーストラリア一国の力では十分ではありません。この事をオーストラリアと深い友好関係にある日本の皆様にご理解戴 き、それらの動物たちを保護する為のご援助を賜る事が出来れば動物たちにとって何よりもすばらしい事であります。さらに、将来この国際協力の輪が広がり、 人類と自然の共存という理念のもと地球の環境や生態系がより良く保たれるようになれば、それは延いては人類の繁栄にも大きく寄与するものと確信いたしま す。

最後に、野生動物保護活動を通じ日本とオーストラリアの国民の皆様の交流が高まり、互いに理解と尊重の気持ちを持ち、二国間の友好関係が益々深まる事を切に願うものであります。

水野 哲男 DVM, PhD(獣医学博士 クィーンズランド大学)
オーストラリア日本野生動物保護教育財団 理事長
オーストラリア連邦 クィーンズランド州 レッドランド市 名誉国際大使 及び 国際関係顧問
日本国 岐阜県 可児市 オーストラリア交流顧問
日本獣医生命科学大学 客員教授
元クィーンズランド大学設立HerdVac社 顧問及び主任科学者