NEWSLETTER Vol. 11 2015 年 5月

      2016/05/04

「オーストラリアにおける野良猫について」BY アラン マッキノン獣医師 コアラ病院院長

2010 2nd and 3rd Training Courses 186野良猫は、哺乳類、鳥類、爬虫類や両生類といったオーストラリアの野生動物の主要な脅威となっている。

野良猫とは、ペットであったものが野生化し、人間に依存することなく生きる猫のことである。
オーストラリア政府はこの状況について非常に懸念しており、野良猫によって引き起こされた損害を軽減する方法について検討している。

問題は甚大である。― 野良猫はオーストラリア全域のあらゆる環境下にいる。彼らは非常に優秀な殺害者であり、得られる食べ物次第で食性を変える。例えば、ウサギの数が多ければ、選択的にウサギを常食とする。

オーストラリアの野良猫の明確な生息数は誰にも分からない。しかし、何百万頭という野良猫が存在する。野良猫による捕食は、多数の土着の哺乳類、特にビルビー、マラ(Rufous Hare-wallaby、コシアカウサギワラビー)、Woylie(Brush-tailed bettong、フサオネズミカンガルー)やナンバット(フクロアリクイ)などの小型から中型の哺乳類の絶滅や生息数の減少の主要な原因と考えられている。

野良猫の影響は日常的な野生動物の殺生だけではない。彼らは様々な病気を持っている。そして、その中の特にトキソプラズマ症はオーストラリアの哺乳類に感染し広がることもある。また、野良猫は食糧を巡ってクオルや猛禽類の競争相手ともなってしまう。

野良猫の広範囲な分布を考えると、撲滅は実用的でも経済的でもない。しかしながら、島々における野良猫の撲滅、そして保護フェンスで囲まれた区域から撲滅し、除外することは実行可能であると考えられる。

撲滅が不可能であるため、オーストラリア政府は野良猫による被害の軽減策を模索している。こうしたプロセスは脅威軽減と呼ばれ、政府は「野良猫の捕食による脅威軽減計画」を作成した。

この計画では、最も酷い損害を引き起こしている地域において、野良猫数を減らす方法を検討している。罠で捕獲することや銃撃などの方法が議論されている。この計画の重要な側面は、飼い主の責任という点にある。猫の飼い主が自身の飼い猫が絶対に野生動物を殺さないようにすることや、迷い猫になって野良猫の数を増やさないように努めるよう求めている。

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