ウミガメの危機

      2017/11/20

皆さんこんにちは!

第一回目の「ウミガメの生態」に続いて、今回もウミガメについて話していこうと思います。

前回の投稿でウミガメのほとんどが絶滅危急種もしくは絶滅危惧種になっているとお伝えしました。
簡単に言うと、ウミガメという生き物の個体数が少なくなり、このままだと、近い将来世界からいなくなってしまうということです。

あんなかわいい生き物がなんでいなくなってきているのか皆さんご存知ですか?
ウミガメの個体数の減少には悲しいことに人間が大きな影響を与えているのです。

そこで、今日はウミガメがどのような問題に直面していて、どのように私たちが身近で改善できるかを考えていきたいと思います。

問題① ウミガメの乱獲2 ウミガメの危機-1

現在でも、ウミガメは様々な国で食用もしくは装飾品などとして乱獲されています。成体のウミガメだけではなく、浜に産卵した卵を食用としているところもあります。

さらに、油、軟骨、革として甲羅目的で捕らえることもあります。

写真は、食用として捕らえられたであろうウミガメと、商売目的で大量に乱獲されたウミガメを乗せた船の写真です。この船に乗っている乱獲されたウミガメはタイマイという種類のウミガメです。

タイマイの甲羅はべっ甲と日本では呼ばれ、現在でも伝統工芸品として和装の結婚式で使われており、装飾品としてとても有名なものです。

しかしタイマイは特に個体数が少ないウミガメの種類で、絶滅危惧種として知られています。

最近では、タイマイの甲羅(べっ甲)目的での乱獲は減ってきてはいますが、未だにブラックマーケットや需要が絶えません。

問題② 漁業での誤っての捕獲2 ウミガメの危機-2

毎年、何千頭ものウミガメが誤って他の魚類をターゲットにした仕掛けや、底引き網などに巻き込まれています。ウミガメは爬虫類ですので、海面に上がってきて息継ぎをしなければいけません。

なので網に巻き込まれたウミガメは海面に上がれずに窒息死してしまうのです。

延縄漁業でも多くのウミガメ網に絡んでしまったり、針についている餌を誤食して釣られてしまうことが起こっています。

漁業に使用する網の中には、ウミガメを助ける装置を装着するような動きもありますが、近年の漁業の規模拡大によってウミガメへの被害は拡大しつつありますし、地元民の小規模漁業でもウミガメへの被害が絶えません。

問題③ 海洋ごみ

毎年、ウミガメが住む海には大量のごみが排出されています。2 ウミガメの危機-3

海にたどり着いたごみは物理的 (風などに運ばれて) に海にたどり着いたもののもあれば、直接海に放り込まれるごみもあります。路肩にポイ捨てしたペットボトル、風に飛ばされているプラスティック袋、河川敷で吸い終えたタバコ殻など、最初は海ではなくても最終的には海にたどり着いてしまうのです。

特に海にたどり着いたごみの中でウミガメに悪影響を及ぼしているのはプラスティックごみと言われています。

間違えて食べてしまったのなら、吐いてしまえばいいとも思いますが、ウミガメは吐くことができないのです。

それはなぜかというとウミガメののどにはたくさんの突起がさかさまについており、固形物は一度口に入ってしまうと出せない構造になっているからです。水の中で捕食をするウミガメは固形物を胃の中にいれ、余分な水分 (海水) を出します。

プラスティックごみの他に漁業に使われていた網も大きな問題になっています。

漁業などで使われていた網・捨てられた網が、海の浮遊物になるとそれは’ゴーストネット(幽霊網)’と呼ばれ、ウミガメをはじめとした海洋生物(アシカ、イルカ、クジラ、サメなど)は浮遊している網に気が付かず引っ掛かってしまうのです。ウミガメなどの海洋生物は動き続け、引っ掛かったものを取ろうとしますが、余計網に絡まってしまいそのまま息絶えてしまいます。

それはウミガメの中でクラゲを主食としている種類にとって水の中で漂っているプラスティック袋は海を漂っているクラゲとよく似ているために、誤食を引き起こしてしまうのです。

さらに、子ウミガメは海面を漂って生活をしています。この時期は海面に浮いているものを食べるので、子ウミガメが食べられる大きさのものであれば、プラスティックでも食べる可能性があります。

問題④ ウミガメの産卵地の発展

ウミガメの産卵をする浜辺の中には人でにぎわうところもあります。2 ウミガメの危機-4

暗くて静かな浜辺を好み、周りの光にとても敏感な母ウミガメは、街灯の設置やコンクリート化などが進むことによって、産卵への意欲がなくなってしまうこともあります。

浜辺まで上がってきたウミガメがいても産卵をせずに海のほうへ引き返すことがあります。

卵から孵った子ウミガメにとっても街灯が海面に反射する光より明るい場合は、街灯の方向に誤って向かってしまいます。子ウミガメは自然界で一番明るい、太陽の光が反射している光を頼りに海に向かう方向を決めていることがわかっています。街灯の方向へ向かってしまった子ウミガメは海だと思い込んでしまい、海にたどり着くことなく息絶えてしまいます。

問題⑤ 産卵場所のコンクリート化と侵食2 ウミガメの危機-5

ウミガメは産卵地として使っている浜辺でも、近年では開発が進みコンクリートで囲まれた砂浜が増えています。

海辺に立つ建物(ホテルや個人の家、観光地など…)を波や海風から守るためにコンクリート化が進んでいます。

浜辺をコンクリート化してしまうと、物理的にウミガメの繁殖地である砂浜を小さくしてしまうと同時に浜辺の環境が変わり砂が風や波によって侵食してしまうことがあります。

産卵ができる浜辺が小さくなってしまうと、産卵をするウミガメが少なくなると同時に、産まれた卵も場合によっては海水に浸かってしまい、呼吸が出来ずに卵の段階で死んでしまうのです。

問題その⑥ 地球温暖化

最後に地球温暖化がもたらす、ウミガメへの影響についてです。

地球温暖化で一番問題視されていることは、海面上昇です。現在、世界の人口は大きな割合で海沿いに住んでいるといわれています。地球温暖化が進んで、南極などの氷が解け、海面が上昇すると、そのほとんどが水没してしまうともいわれています。

人間だけでなく、ウミガメにとっても海面上昇というのは産卵場所である現在存在する数少ない産卵場所を削減してしまうことになります。

まとめ

ここで挙げられた6つの問題点、どれも私たちが気を付ければ改善はできると思いませんか?
もちろん直接的にウミガメを助け出そう!なんて言いませんし、難しいです。

ただ私たちがどのように考え、何を選びどのように動くかというのが問題なのです。

商業目的で乱獲されたウミガメの甲羅で出来た装飾品を買わない、選ばない。
プラスティックごみをちゃんと分別しリサイクル、買い物のときはマイバックを持参。
ウミガメの産卵地を荒らさない、邪魔しない。

小さなことでいいんです。全員がやればそれがとても大きな結果になるんです。

カメについての記事(AJWCEFブログ)

2017/8/25 クイーンズランド州のカメから高濃度の金属元素が発見された
2017/7/14 孵化したての子ガメたちにとっての大変な誕生のプロセス
2016/12/20 ウミガメに発生している疱疹の激増はグレートバリアリーフの汚染を示唆する
2015/6/12 洗顔スクラブ中のプラスチックマイクロビーズ
2015/3/2 プラスチックゴミによるオーストラリアの海洋汚染と野生生物への悪影響    …など

 - 動物大好きの部屋