タスマニアンデビル

      2018/01/23

皆さんこんにちは!1 devil
今回は“黒い悪魔”とも呼ばれている、タスマニアンデビルについてお話ししていこうと思います!
英名でもデビルなんてついちゃうから、本当に凶暴で怖い動物と思う人もいるかもしれませんね。

名前の由来ですが、夜、餌の取り合いする時の唸り声が悪魔のように聞こえたこと、夜の暗闇に身を隠すために真っ黒な姿であることから、デビルと名付けられました。

現存している肉食有袋類では最大で、餌は主に動物の死骸ですが、時には鳥などを狩る事もあるそうです。タスマニアンデビルが食事を終えた後は、骨も皮も何も残りません。強い顎で、骨もすべてかみ砕いて食べてしまいます。腐りかけている部位まですべて食べます。いわゆる腐食動物です。その他の腐食動物の例としてアフリカに生息しているハイエナなどが挙げられます。

そんなタスマニアンデビルはもともとオーストラリア本土でも生息していましたが、現在、野生ではタスマニアのみに生息しています。なぜオーストラリア本土から姿を消してしまったのでしょうか? タスマニアンデビルは、ディンゴによる捕食と環境の変化 (乾燥地帯の増加) によって約400年前に本土から絶滅してしまったといわれています。(タスマニアンデビルより更に大きな肉食有袋類だった、今では絶滅してしまったとされるタスマニアンタイガーも、タスマニアンデビルと同じ理由に加えて、ヨーロッパからの入植者による狩猟によって本土からいなくなってしまいました。)

タスマニアにのみ生息するタスマニアンデビルは現在IUCN (国際自然保護連合)によって絶滅危惧種として指定されています。個体数が減少している理由は大きく分けて2つあります。

まずは交通事故です。多くの動物達が道路を渡る際に車との接触事故によって命を落としていますが、タスマニアンデビルの場合は他の動物と違う点があります。タスマニアンデビルは交通事故に遭った動物の死骸を食べに道路まで来てしまうのです!タスマニアンデビルにとって道路はいわば餌場なのですが、道端で死骸を食べる黒いタスマニアンデビルは車からは見えにくいため、交通事故に遭って死んでしまうという負の連鎖を生んでいます。

タスマニアンデビルの個体数の減少に拍車をかけているもう一つの原因は、デビル顔面腫瘍性疾患 (Devil Facial Tumour Diseases / DFTD)です。これはタスマニアンデビルにのみ発症する癌で、世界でも数少ない感染する癌でもあります。感染というと、ウィルスなどの感染と同じように聞こえますが、これは顔面腫瘍性疾患を持ったタスマニアンデビルが、持っていない個体にかみつき、がん細胞を移植するように感染するのです。

2 devilタスマニアンデビルは基本単独で行動をしているのですが、食べ物を奪い合う時や交尾の時期になると、他の個体にかみついて攻撃することがあります。このような場面で顔面腫瘍性疾患を持った個体とそうでない個体が接触し感染してしまうのです。

別の個体から侵入した細胞は、通常は外からの異質物として免疫機構によって排除されるのですが、それが起こらないために感染が拡がっています。この免疫機構によって排除されないメカニズムについてはまだ完全には解明されていません。

感染すると、最初はニキビほどの腫れができ、それが3か月で大きく腫れ上がり、口や顔、首などが動かしにくくなって、最後には物を食べられなくなってしまい餓死してしまいます。

デビル顔面腫瘍性疾患の治療法はまだ確立されていませんが、そんな中でも私たちができることはあります。それはこれ以上個体数を減らさないように、動物との接触事故を減らすことです。

タスマニアンデビル以外の多くの動物も車との接触事故によって命を落としています。なので、みなさんの身を守ると同時に動物達のためにも、安全運転をよろしくお願いしますね!

さて、次回は陸から離れてサンゴ礁について話していきたいと思います!

<参考文献>
Parks and Wildlife Service Tasmania; Tasmanian Devil, Sarcophilus harrisii
http://www.parks.tas.gov.au/?base=387
University of Cambridge; Transmissible Cancer Group
https://www.tcg.vet.cam.ac.uk/about/DFTD

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