絶滅危惧種の大型グライダーはブラックサマーの後すぐに巣箱に適応した 2023年4月5日

   

『Endangered greater gliders adapt quickly to nest boxes after Black Summer』(英文PDF)

ABC South East NSW
Alasdair McDonald記
2023年1月13日

担当:Y.K.

【要約】

新しい研究は絶滅危惧のサウザン グレーター グライダーを守るために戦う研究者たちに一筋の希望を与えた。

 

グライダーの残された生息地のほぼ三分の一は、グライダーが繁殖のために使っていた凹みを作る木の多くがブラックサマー森林火災で焼失してしまった。グライダーたちが子育てをするための安全な環境を提供する木の凹みは、形成されるまでに最大80年を要する。

 

森林火災をきっかけに、The Australian National University(オーストラリア国立大学)とGreening Australia(オーストラリアの独立系環境保全非営利団体)、the World Wide Fund for Nature-Australia(WWFオーストラリア)が、200以上の高機能で温度の適切な巣箱をヴィクトリア州東に位置するギップランドの中のグレンボックと呼ばれる地域と、ニューサウスウェールズ州のブレインウッド近くのタナガンダ国立公園の中に設置するためにチームを組んだ。

 

その巣箱は動物たちを最適温度に保ち、木の凹みを最も良く再現するために断熱材やエアギャップ、熱を反射し、耐火で無害な塗装を使っている。

 

動きに反応して作動するカメラを用いた研究は、昨年導入した巣箱に、動物が素早く移動してきていることを明らかにした。

ANU Fenner School of Environment and Society(環境と持続可能性に関する学際的な研究、教育、政策関連のアドバイスを行う世界有数のセンター)の研究員であるKara Youngentob博士は、その動物種は絶滅の危機にある最も大きいフクロモモンガ科の動物であり、最近の発見は何匹が野生で残っているかを理解するための大きな前進であると述べた。

「私たちが知らなかったことは、これらの箱が機能したかどうか、またそれらはグライダーの個体数に影響を与えたかどうかである。」とYoungentob博士は述べた。

「喜ばしいことに、始めてから数ヶ月間のうちに、それらの巣箱は既にグライダーによって使われているため、私たちはグライダーたちが巣箱を好み、使っていると考えることができる。」

 

the World Wide Fund for Nature-Australia(WWFオーストラリア)の絶滅危惧種と気候適応生態学者のKita Ashman博士は、彼女が確認した2つ目の巣箱の中に1匹のグライダーを見たと言った。

「涙が溢れ出し、私はとても驚いたし嬉しかった」とAshman博士は言った。

Youngentob博士は、多くの大型グラインダーの個体数については本当に僅かなデータしかないが、グラインダーの生息地は、観測した場所において、ここ30年間で80から100%減少してしまったという。

夜間の気温が、昼間より速く上昇している気候変動の影響は夜行性動物に重大な脅威を与えている。

 

「私たちが何もしなければ、グラインダーは絶滅してしまう」とYoungentob博士は述べた。

「私たちは、私たちにとって何が重要か、私たちは何が欲しいのかについて考える必要がある、私は多くのオーストラリア人は、世界の他のどの場所にも生息しない、この象徴的な動物を守りたいだろうと考える。」

 

 

【感想】

私が実際にオーストラリアに研修に行った際にも、オーストラリアの固有種を多くみることが出来ました。その中には、オーストラリアの研究者たちが保護方法を考え、道具を作り出すことによって守られている動物がいるのだということを知りました。一度絶滅してしまった動物を取り戻すことは出来ない。私たちに今できることを考えて実行していくことが大切なのだと感じました。

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