シャチの群れがシロナガスクジラの狩りを行なっていたのをホエールウォッチャーはブレマール沖にて目撃した! 2023年6月9日
2023/07/14
『Whale watchers witness orca pod hunting blue whale off Bremer Bay』(英文PDF)
ABC Great Southern
Asha Couch and Peter Barr記
2023年4月5日
担当:Y.A.
【要約】
あるホエールウォッチャーのグループはシャチの群れがシロナガスクジラを追跡している珍しい光景を目の当たりにした。
この2種間の自然の交流が記録されているのはとても少なく、シャチのシロナガスクジラへの攻撃が成功した文書は一握りしかない。
しかし、目撃されたシロナガスクジラにとってこの日は幸運な日となった。(なぜ幸運であるのかは読み進めていくと分かるだろう。)
ホエールウォッチ西オーストラリア州オーナーであるジェマ・シャープ氏は当時のツアーに同行し、この出来事は“本当に信じられない”と述べていた。
彼女は穏やかな海で数頭のマッコウクジラとゴンドウクジラ、そしてシャチを観察していたが、突然海が爆発して生命が吹き込んだように荒れ出したそうだ。
シロナガスクジラは自身が危機に瀕していると理解し、すぐに立ち去った。
“シロナガスクジラは本当に急いで逃げた、“シロナガスクジラは重さが約90t、体長が約20mもの非常に大きくて重い生物であることを覚えていてほしい。”
ジェマ・シャープ氏によると、シャチの小集団は前週狩りを開始したが、すぐに残りの家族が参戦し、合計で16頭ものシャチが狩りに関わっていたそうだ。シャチの集団はできる限りのことをしたが、シロナガスクジラの奮闘により狩りは失敗に終わった。また、シャチの追跡は1時間以上にも渡り、獲物がハンターの追跡をかわす前には、2頭の泳ぐスピードは時速30kmを超えた。
ジェマ・シャープ氏は、シロナガスクジラがシャチの攻撃から逃げ切るのを目撃したのは初めてだったそうだが、このことについて彼女は安堵したようだった。なぜなら、シロナガスクジラは絶滅の危機に瀕しており、全てのシロナガスクジラが貴重な存在であるからだ。この出来事は目撃者らの心に刺さって忘れられないこととなっただろう。
信じられないほどの知的な動物
プロジェクトORCA海洋科学者のレベッカ・ウェラード氏によると、西オーストラリア州の南海岸はオーストラリア最大のシャチの生息地だから彼らのユニークな摂食行動を観察するのに最適な場所であるそうだ。
また、シャチは世界で最大の動物であるシロナガスクジラのような大きな動物を仕留めるために、協力行動するのがとても上手である。彼女曰く、シャチが狩りを成功させるうえで大切なのは“数”だそうだ。彼女自身、大きな獲物を捕らえるために60頭ものシャチが協力して狩りを行っていたのを観察したこともあるそうだ。
最後に、“シャチの体長は6m〜9mなので、サイズには大きな違いがあるが、シャチは彼らの数と連携した攻撃でそれを補っている。・・・・信じられないほど知的な動物だ。”と述べている。
【感想】
シャチが自身の2〜3倍もの大きさがあるシロナガスクジラを狩ることができる知能レベルの高さに驚きました。シャチの英名には2通りあり、「killer whale(殺し屋クジラ)」と「orca」です。「orca」はシャチの学名「Orchinus orca」に由来し、“Orchinus”はラテン語で「死後に行く世界」、”orca”は「魔物」を意味しており、「死語の世界の悪魔」となります。どちらの名前も自分より遥かに大きい獲物を狩ることができる能力を持っているシャチにはピッタリだと思いました。
また、シャチが素晴らしいチームワークを発揮できるのはイルカと同様に、仲間同士で会話ができ、さらに生息区域ごとに「方言」を持ち、これによって仲間かどうか聞き分けているのだそうです。シャチについて調べると、このように興味深いことがたくさんあり、面白いなと思いました。