クイーンズランドの採石場拡大に野生動物支援者が抗議、コアラの生息数減少を懸念 2023年6月16日

   

『Wildlife advocates protest Queensland quarry expansion, fearing for koala populations』(英文PDF)

9 News
Marina Trajkovich記
2022年1月6日

担当:坂本 響子

【要約】

野生動物支援者は、クイーンズランドの採石場を拡大しようという提案を、コアラの生息数減少に拍車をかける恐れがあるとして抗議している。

クイーンズランド南東の沿岸地域、レッドランドに位置する Karreman 採石場の拡大は自治体や州政府によって承認されており、現在は連邦の承認を待っている段階である。しかし、環境保護論者たちは50ヘクタールから88ヘクタールに拡大される計画の廃棄を要求している。

コアラ活動団体のデボラ・ポインティング氏は、この地域におけるどんな開拓もコアラの重要な生息地への被害と大きな悪影響をその他の絶滅危惧種に与える可能性があったと話した。また彼女は、レッドランド、マウント コットンある採石場地域は、重要な自然公園や保全地域に隣接していると付け加えた。

彼女は『ここは事実上、州政府によって地域の生物多様性区域として認められています。』と語った。『ここはコアラの中心的生息域として認められています、それは多数の野生動物が住処としていることは確かです。』

『我々の最大の懸念は、この野生動物生息地が将来分裂してしまうことです。』彼女は、この地域のコアラ生息数は既に80%以上減少しており、提案書の概要にあるように400本以上の木の伐採は絶滅危惧種の減少に拍車をかけていると語った。

 

連邦政府に提案の棄却を求めるオンライン嘆願書は21,000もの署名を集めた。ポインティングさんは、『ここは現在まで50年以上にわたり採石されているため、政府が一線を引いて、もう十分だと言うべきだと思います』と語った。

『もしその提案書が承認されることとなったら、影響を受ける地域において、かなりのコアラの減少を見ることになるだろう』

 

環境負荷の埋め合わせをするために、家族経営の個人事業主であるKerreman採石場は、採掘場の拡大は1年につき1ヘクタールに縮小され、今後数十年にわたって環境保全に努めます、と述べた。

また、この企画の拡大のために全ての樹木が伐採されたため、企業は環境負荷相殺のために植樹するだろうと語った。しかし、ポインティングさんは樹齢数百年の木々は代替が効かないと語った。

『環境負荷相殺のための植林や植樹はあちこちで提案されていますが、古くからある重要な植生の複製は出来かねるでしょう。』

 

【感想】

今回の記事でコアラと地域産業の関係性について改めて知り、問題の根深さを感じました。政策決定を通して物事を実行する立場にある方が、自然環境や野生動物が置かれている状況をよく知らずにいることが問題だと感じました。また、提案の棄却を求めてオンライン署名活動に賛同した人々の姿勢に対し、私たちも世情の動向を意識するべきだと思いました。そして、今回の研修の際にコアラが置かれている状況を学び、自然の尊さを体感した私たちにも、発信出来ることはあると感じました。

 

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