捕食者と降水量の減少により脅かされるアブロラス ササフ ミフウズラ 2023年7月12日
2023/07/12
『Abrolhos painted button-quail species threatened by predators, rainfall decline』(英文PDF)
ABC Midwest & Wheatbelt
Rachael Clifford記
2022年12月4日
担当:Rin
【要約】
西オーストラリアの研究者は、捕食者と気候変動により西オーストラリア諸島からアブロラス ササフ ミフウズラが消えようとしていると発表した。
ミフウズラの亜種が危機に陥っている理由を明らかにするための調査は、西オーストラリア西海岸中部で鳥類の調査をしているRyan Carter氏を3年間の研究プロジェクトに参加させた。“私たちはただ、なぜミフウズラが絶滅しかけているのか、その背景に何があるのか、もう少し情報を得たい”とCarter氏は話す。
アブロラス ササフ ミフウズラは、フートマン・アブロラス諸島だけに見られる地上生活を行う小さな鳥である。Carter氏は、ミフウズラを見つけるのは簡単ではなく、よく低木の茂みのなかに隠れているところを見つけると話す。また、この鳥は慎重な性格なので、北、東および西ワラビー諸島での生息数を把握するのが難しいとも話す。 “アブロラス ササフ ミフウズラは、枝に座って歌うようなみんなが見つけられるような普通の鳥とは違う。”
Carter氏は、彼の研究チームがこの鳥の姿を捉えられることを期待して3つの島にカメラを配置した。北ワラビー諸島における約13,000台のカメラを使った夜間の調査では、この鳥の姿を捉えることはできなかった。
生物多様性の保全および意識の啓発部門の首席研究員であるAllan Burbridge氏は、ミフウズラがその特定の島に生息する可能性は低く、2006年を最後にその姿は目撃されなかったという。“私たちは、アブロラス ササフ ミフウズラが北ワラビー諸島では確実に絶滅したと考えている。”
しかし、東および西ワラビー諸島ではカメラでの調査で姿を捉えることができたことから、アブロラス ササフ ミフウズラは多くはないがまだ生息しているという確認ができた。“カメラはこの鳥の姿を捉えるのにとても効果的であった”とAllan氏は言う。“私たちのアブロラス ササフ ミフウズラの発見率は、この島で見られる他の鳥に比べてとても低い。”
なぜアブロラス ササフ ミフウズラは減少しているのか
この研究の主な目的は、ワラビー諸島においてこの鳥の生息数が減少している理由と絶滅しかけている理由を決定することである。
2018年のAustralia's Threatened Species Recovery Hub(オーストラリア絶滅危惧種回復ハブ)で研究者が行った研究は、この先20年のうちに絶滅する危険性が5番目に高い動物としてホートマン アブロラス ササフ ミフウズラを挙げた。“この発見から、私たちのこの鳥の発見率はとても低い…自信をもってこの鳥の生き残りは多くないと言いたい”とCarter氏は話す。
Carter氏と研究チームは、侵略的なネズミ、タマ― ワラビーのような他の動物種の導入、そして降水量の減少を含むミフウズラが直面している潜在的脅威について分析した。
“島へ外部より持ち込まれたハツカネズミがいます、そして、そのネズミたちは私たちのカメラによると島の至る所で見つけられる”と話す。“ワラビーはたくさんの草を食べ、多くの植物を踏みつけたり、リング状に木の皮を剥いでしまったりすることで植生へ影響を及ぼし、これは島全体での植生を減少させた。“ウズラのような小さな地上生活性の鳥にとって、これが彼らが生息するところであり、彼らが明らかに危機的状況に置かれているということである”
Carter氏は、2006年にミフウズラが最後に目撃された時タマ― ワラビーの生息数はピークに達し、年間の最低レベルであったと話す。“私たちは20年ほど前からのこの島における降水量の減少を発表してきたが、これは明らかに植生の減少と関連がある”と彼は話す。
ミフウズラの将来
Carter氏は、彼の発見がさらなるミフウズラの減少を避けるための鍵となることを望んでいる。“ご存じの通り、アブロホス諸島を訪れる観光客は増加しており、これは彼らの自然や動物に対する意識や配慮を向上させる必要があることを意味している。”
ミフウズラの減少の原因を特定することは重要である、何故なら種の喪失が生態系にどのような影響を与えるのか調査することに繋がり得るからである、Carter氏は話す。
“ハツカネズミとタマ― ワラビーがミフウズラに影響を及ぼしていることを突き止めることで、我々はネズミを駆除し、タマ― ワラビーが島に与える影響を減らすことが期待できる管理上の決定事項を実行に移すことができる”と話す。”すべてのものは生態系において何らかの役割を持っており、何かにとっての食べ物である。“
Burbridge博士は、Carter氏の研究はアブロホス諸島国立公園管理計画を構築するために使われたと話す。“Ryanが当時発見した情報のうちいくつかはこの計画を立案した人々に供給された”と話す。
Carter氏は、自身の発見がアブロホスにおける将来の鳥類管理の一助になり得ると話す。“これはバイオセキュリティーの重要性を強調する”とCarter氏は話す。彼は、ミフウズラを脅かすネズミは北島にいたが、ほかの2つの島では侵略的な齧歯類の存在はなかったと言う。
“現在北島除く2つの島にはそれらによる侵略がないことは最優先事項である。”
【感想】
観光客の自然に対する意識向上への取り組みはオーストラリアだけでなく、世界各地の観光地で必要だと感じた。日本でも、富士山の登山道にゴミが捨てられる問題が起こっている。景観の悪化と自然破壊の進行か、今ある自然の維持し地球環境の改善に努めるかは、人間の意識によって決まると思う。人間の都合だけで物事を考えるのではなく、自然をリスペクトし、地球全体が人間と自然の両方にとって居心地のいい場所になるよう一人一人が意識できれば良いと思った。