ドクター メイズ島の渡り鳥を減少させないために犬が入れない場所を作る必要がある 2023年11月8日
2023/11/08
『Dog exclusion zones needed to help declining migratory shorebirds on Dr May's Island』(英文PDF)
ABC Wide Bay
Audrey Courty記
2023年3月31日
担当:橋本 瑛麗菜
【要約】
クイーンズランド州の海岸沿いの24人以上の住人からなる団体は、渡り鳥の生息する自然豊かな地域で飼い犬を自由に歩き回らせる飼い主にむけて、環境や安全面に関して心配の声をあげている。
Kay Edney氏はブリスベンの北360kmに位置するエリオット・ヘッズの海岸沿いで犬が鳥にストレスを与えないようにするために、犬の立ち入り禁止区域の設立を提案している。彼女は「絶滅の恐れのあるホウロクシギを含む、この地域をねぐらや餌場として利用し、遠い距離を移動する、希少で狙われやすい鳥に対する影響を心配している。」「飼い主は生息する全生物の安全と環境のために犬をきちんと管理するべきである。美しいこの地域は害され。犬は岸辺に生息する鳥たちを危険にさらしているのではないかと本当に心配である。」と述べた。
巣を守る
毎年9月から4月にかけて、オーストラリアのバンダバーグ地域の海岸に数百万羽、40種以上の鳥が北極から訪れる。ドクター メイズ島はこれらの鳥にとって重要なねぐらであり、エリオット・ヘッズビーチとエリオット川の河口が交差する場所である。この島は重要な自然環境として認められており、環境保護と生物多様性保全の法律で海鳥がねぐらとして利用する期間は立ち入り禁止の看板が立てられる。しかし、砂浜の景観は時代と共に変化していて、もはや水に囲まれておらず、満潮の時でさえ行くことができるようになっている。
長い間、地元に住んでいるDebbie Bennett氏は、砂浜に行く人が定期的にルールを無視していて、リードなしで犬を放していることを心配していた。「私たちの自然環境の一部で、何千年もの間この地域を飛び回っている在来種の鳥たちよりも犬がより大きな権利を持つと考えることはとても恐ろしいことである。鳥たちは安全な島がどこかわからない、また、犬たちは標識を読むことができないため、犬がやってきて鳥を追う」と述べる。
環境科学省は浜辺で遊ぶ人たちに自然保護法で保護されている海鳥を追いかけることは違反であると注意した。「境科学省はバンダバーグ地方行政府に環境豊かで繊細な場所から離れた場所に、犬のリード無し可能エリアを設立することを喜んで支援する。」と省の代表者は述べた。
バンダバーグ地方行政府の健康、コンプライアンス、執行の広報担当者であるMay Mitchell 氏は「エリオット・ヘッズでリード無しエリアを設置することは表明しない」「評議会の役員は定期的に地元の砂浜をパトロールして、規則を守っていない飼い主がいたらその場で罰金を交付するだろう。エリオット ヘッズ ビーチの河口付近からサーフクラブまでは地方議会の法律で犬の侵入禁止地域として保護されている、それは、また、9月1日から4月30日までの渡り鳥たち飛来するドクター メイズ島についても同様である。」と述べた。
リード無の犬は岸辺の鳥にとって脅威
クイーンズランド大学で20年間、岸辺の渡り鳥について研究しているRichard Fuller氏は「岸辺の渡り鳥は襲われやすい」と述べる。ほとんどの鳥は毎年20000km移動していて、クイーンズランドの岸辺につく頃には力を使い切った状態である。「毎年オーストラリアに来る鳥たちの数が大幅に減少している」とFullerh博士は言った。「そのため、彼らがオーストラリアにいる間や海を越える中で脅威として影響を受ける原因について研究していて、それらの脅威を覆す方法を見つけようとしている。」「リードをしていない犬たちは鳥たちが餌をとるのを邪魔するため、鳥は十分な栄養をつけにくく、大きな脅威の一因となっている。」と述べた。「犬たちは鳥にとって恐ろしい存在である。鳥は非常に繊細な生き物で、リードをしていない犬が遠くにいるだけでも極度のストレスを感じ、食べるのをやめてしまう。」環境科学省の代表者は「人々やそのペットたちは岸辺の鳥たちを減少させる脅威となる」と正式に認めた。
犬の飼い主であるJeff氏はエリオット・ヘッズの広く開けた砂浜は犬を自由に走らせるのに理想的で、飼い主が責任を持って行動するのであれば自由に走らせることを許可すべきであると考えている。「犬を連れた人がどんどんと押し出されている。規則を守らない人が少数いるならば、その人たちだけを追放すればいい。」と述べる。しかし、Fuller教授は「放し飼いの犬が渡り鳥の長期的な生存に影響を与えるのは、それほどかからない」と述べる。「鳥たちはリードをしていない犬たちがいることでストレスを感じたり邪魔をされたりするため、犬たちがいる場所を避けている。そしてその場所がたとえ非常に良い生息地であったとしてもいずれ利用しなくなっていくだろう。」「ブリスベンの浜辺で2016年に行った研究で岸辺の鳥はほとんどの犬がリードをしないで走り回っていることが原因で20%減少していることが分かった。」「それは一種の恐ろしい風潮を作り出す」と述べる。
放し飼い禁止区域の実施
元医者のChris Barnes氏は30年以上バンダバーグに住んでいて、熱心な鳥愛好家でエリオット・ヘッズの鳥を数えることも行っている写真家である。ムナグロやスナチドリなどの小さな渡り鳥はドクターメイズ島の境界の向こう側の砂の上にねぐらを作ることを好む。
Barne氏は「調査するたびに、リードをしていない犬、時には子供たちがこれらの鳥たちを追いかけているのをみるのは腹立たしい」「犬の飼い主たちは肩うすくめて言います『鳥たちを追いかけることは、犬として当然のことだよ』」「それは無害で楽しそうに見えるが、そうではない。その行動は鳥たちの生きる能力や渡りをするのに影響すると注意すると、人々はひどく怒る」と述べた。
犬の飼い主であるStephan Muller氏と彼のペットのBundyにとって、リードをしていない犬は安全上の問題があった。「私の飼っているポメラニアンは他の犬が苦手だが、散歩することが好きだ。そのため、ビーチではほかの犬もリードをつけるはずだから連れていく。しかし、リードをしないで人と走っている犬を多く見る。」と述べた。Bennett氏は「エリオット・ヘッズビーチにリードをつけないと罰金という看板を立てても、多くの飼い主はその警告を無視している。」と述べた。Fuller教授は「ブリスベンの調査で保護区での調査は、鳥がねぐらとして利用されていることが特定された場所から十分に離れた場所に放し飼いでいい区域を設けることが最善策であると明らかにした。」と述べた。
「この規則ができたら、すべてが成功することにつながる。」
【感想】
昨年ゴールドコーストに行った際に砂浜に犬が全くおらず、看板も立てられていて驚いたことを思い出しました。その時はこんなきれいな砂浜犬と来たいだろうなと感じましたが、鳥たちにここまで大きな影響を与えていたことを知り、知っておくべき事を見落とすと、野生動物の保護に興味があっても知らずに自分も自然破壊に加担してしまうと思うと恐ろしいなと感じました。看板を立てても効果が出ないのは看板を見てあえて無視しているのか、そもそも見ていないのか気になりました。