サザン・グレート・バリア・リーフでジュゴンの個体数が減少していると報告されている 2023年11月22日

      2024/01/11

『Dugong population in decline on southern Great Barrier Reef, report finds』(英文PDF)

ABC Wide Bay

Pat Heagney Lily Nothling記

2023年9月28日

担当:Y.I.

【要約】

ジュゴンの個体数は、グレート・バリア・リーフ沿岸部で減少しており、研究者は、洪水や釣りがジュゴンを脅かしていると警告している。

James Cook University (JCU)(ジェームズクック大学)の研究者による新しい報告は、Far North Queensland(ファー・ノース・クイーンズランド)のMission Beach(ミッションビーチ)からBundaberg(バンダバーグ)とHeavey Bay(ハーベイ・ベイ)にかけての地域では、危急種が長期的に減少していることを明らかにしている。JCUの熱帯海域・水界生態系研究センター(TropWATER)は5年ごとに航空測量をおこなってきたが、前回の2022年11月の測量により、Heavey Bayでは2005年以来、毎年5.7%減少していることがわかった。

TropWATERのジュゴン研究者であるDr Chris Cleguerは、2022年の2度の大洪水によってこの地域付近の海藻の生息地の大部分が破壊されたと述べた。「海藻が撹乱される、または消失すると、ジュゴンにはさまざまな選択肢がある。」と彼は述べる。「その場にとどまり生き残る個体もいれば、その場にとどまったが食料不足により生き残れない個体もいるだろうし、また、他の地域に移ろうとする個体もいるだろう。」と。

Townsville(タウンズビル)から北に3時間の場所に位置するMission Beachと、Brisbane(ブリスベン)から北に4時間の場所に位置するBundabergの間の地域のジュゴンの個体数も、毎年推定2.3%減少しているとDr Cleguerが述べた。「ウィットサンデー諸島南部からBundabergの地域が最も心配だ。私たちはジュゴンの個体数密度が低い地域で、子どものジュゴンを数回しか見なかった。」と彼は述べた。「世界には、ほんの一握りのジュゴンしか残されていない場所が非常にたくさんある。だから、もちろん私たちは、そんなことをグレート・バリア・リーフ中に起こさせないために、私たちができること全てをやろうとしている」と。

なぜジュゴンは消えつつあるのか

海藻の生息地の規模縮小や刺し網は、クイーンズランド沿岸で、ジュゴンの個体数を主に脅かしているものの例である、と報告されている。「ジュゴンは自然撹乱に対して非常に敏感なので、食料源としてほとんど完全に海藻に依存している。」と、Australia Marine Societyのグレート・バリア・リーフ漁業運動部長Simon Millerが述べた。「もちろん気候変動は大きな要因である。しかし、商業的な刺し網による混獲や船との衝突、そして水質汚染による海藻の減少のように、気候変動と同様に対処されるべき地元の影響があるのです。」と。

何をする必要があるのか

Dr Cleguerは、ジュゴンへの脅威とそれにどう対処するかをより理解するため、さらなる研究が必要だと述べた。「私たちは、何が脅威の原因であるか、そしてそれらによりうまく対処できる場所と手段を理解しようと努力する必要があることを研究結果が明確に示している。」と彼は述べた。「海草藻場が良い状態にあることを確実にすることは非常に重要だ。」と。

Mr. Millerが重要だと述べたのは、サザン・グレート・バリア・リーフのジュゴンの個体数を”救うために私たちができることは全てやる”ということだ。「残念ながら、刺し網は依然としてこれらの地域で行われており、ジュゴンの死につながり、個体数減少の原因となっている。」と彼は述べた。「クイーンズランド政府はすでにグレート・バリア・リーフでの刺し網を段階的に廃止することを誓約し、それは理想的な結果であるが、刺し網は2027年まで完全には廃止されないだろう。私たちは、今、急いで行動を起こす必要があるのです。」と。

Hinchinbrook(ヒンチンブルック)、TownsvilleのCleveland Bay(クリーブランド・ベイ)、そしてShoalwater Bay(ショールウォーター湾)を含むいくつかの地域では、ジュゴンはまだたくさんいるままであることを航空測量は示した。

【感想】

野生動物が絶滅してしまう理由には、気候変動もあるが人間による環境破壊が1番の原因であることは明らかであるが、理由がわかっているのに対策がなかなか進まず個体数が減り続けているのをみるのは大変もどかしく思う。

日本の沖縄近海でもしばらくジュゴンの目撃記録が無かったが、2022年に採取されたフンがジュゴンのものであると判明し、沖縄にもジュゴンがいる可能性が残されている。

人為的な影響を低減するため、沖縄県でも様々な対策が行われている。

兵庫県でも、かつて絶滅したコウノトリの人工繁殖に成功し、自然に復帰させていく試みがなされ、今では順調に個体数が増えている。

適切な対策が取られれば絶滅危惧種を守ることができる。私たちにもできることとして、生活排水による汚染を防ぐために環境を守る小さな心がけを実践していきたいと思う。私生活を見直すことで保護活動につながるかもしれない。

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