初のクラミジアワクチンを接種したコアラが赤ちゃんを出産2024年1月8日
2024/01/08
『Koala given first chlamydia vaccine gives birth to joey』(英文PDF)
9news
By Mikala Theocharous 記
2023年3月14日
担当:Y.K.
【要約】
クラミジアに対するワクチンを接種した初めてのコアラが子を出産し、このワクチンによって保護されたコアラたちが絶滅危惧種の生息州の回復に貢献するという希望をもたらしている。
このワクチンは、クイーンズランド州にあるカランビン野生動物病院の動物学者達に、失明や感染症、不妊を引き起こしたり、既に減少しつつある種にさらなる死をもたらす原因となりうる、コアラのクラミジア感染に対して希望を与えた。
カランビン野生動物病院はワクチンを接種した初めてのコアラ、Anne Choveeとその子どもの生活している場所である。
「我々は非常に刺激的な二年目を迎えた。もっとも刺激的なことは彼女のお腹の袋の中には赤ちゃんがいることである。」研究責任者のLewis McKillopは語った。
「ワクチン接種を、コアラの治療をしているどの獣医師も手に入れることができ、使い始めることができるように登録することが重要な前進となるだろう。」「最終的に我々が成し遂げようとしていることはさらなる繁殖です。」
250頭以上のコアラは、この注射がコアラの生息数を増やすという希望とともに、クラミジアワクチンの恩恵を受けるであろう。
コアラはクイーンズランド州やニューサウスウェールズ州、オーストラリア首都特別地域において、2022年2月に絶滅危惧リストに挙げられた。
野生下には57,920頭以下のコアラが残されているのみです。
【感想】
クラミジアは人間においても毎年1億人が感染すると言われるほどよく知られている感染症ですが、コアラにおけるクラミジアが失明や不妊などを引き起こし個体数を大きく減らす要因となっていることは知りませんでした。調べてみると、コアラの絶滅を招きかねないことから”サイレントキラー”(静かな殺し屋)という異名も持っており、オーストラリアでは生息しているコアラの85%ほどがクラミジアに罹患している地域もあると知りました。森林火災や森林破壊によってコアラの生息地が減少している中で、それに加えてクラミジア感染による不妊でますます個体数維持が難しくなることにとても危機感を感じました。このような状況を踏まえて、そんな中でこの初めてクラミジアワクチンを接種したコアラが赤ちゃんを出産したというニュースは大きな希望だという声にとても共感しました。