2015年8月 体験談
2016/10/11
トレーニングコース 初級編
日本獣医生命科学大学 獣医学科 2年 上玉利成美
私は小さい頃から野生動物が好きで,野生動物の保護に関わる獣医になることに興味を持っていました。この野生動物保護トレーニングコースの存在を知り,今しかできない経験ができると考えて参加しました。
具体的に15日間の実習では、2グループに分かれてゴールドコーストにあるデイビッド・フレー野生動物公園と,ブリスベンにあるモギル・コアラ病院とで1週間ずつの実習を行いました。グループのメンバーは北海道や東京などの別々の大学から集まっていて初対面でしたが,皆私と同じような思いで参加していたので,すぐに打ち解けて仲良くなりました。実習中の食事は基本的に自炊なので,その日の実習後に皆で食材を買いに行って一緒にご飯を作ったり,次の日に持っていくお弁当のメニューを出し合ったりしました。実習後は疲れていたはずなのに,皆と一緒に生活していると不思議と疲れを感じませんでした。ブリスベンに あるモギル・コアラ病院の実習では,コアラが入院する部屋の掃除をしてユーカリの葉を入れ替えたり,1頭1頭 に合わせて薬を与えたり,先生の行う治療に立ち会って,治療方法を学んだりしました。大学でもまだ習っていないことを学んだり,立ち会ったことのない手術 を自分の目で見たりしたことはとても印象に残りました。ゴールドコーストにあるデイビッド・フレー野生動物公園では,毎日違う動物の世話をしました。カンガルーやコアラだけでなく,ディンゴやカモノハシ,ビルビーなど他では決して触れることのできない動物たちに直接触れて,公園内で働くレンジャーの方達に 直接質問したりできたことは貴重な経験でした。
実習中には他に,寄付金で成り立っているカランビン野生動物病院や,クイーンズランド大学などを訪れ,日本とは違う環境や考え方を知り,日本にいた時とは違う見方で周りを見ることができるようになった気がします。また,休日に友達とバスやトラムに乗って出かけたり,英語を話したりと,何より現地での生活を楽しむことが出来ました。2週間本当にありがとうございました。
日本獣医生命科学大学 獣医保健看護学科 及川澄
私は学校で行う海外実習でAJWCEFの方々にお世話になり、大学で忙しくなる前にもう一度オーストラリアに行きたいと思いで、参加させていただくことにしました。1週目のDavid Fleay Wiledlife Parkでは、日本の動物園とは大きく異なった展示動物の飼育方法やオーストラリア固有の動物について学びました。英語での指示に最初はすごく戸惑いましたが、レンジャーやボランティアの皆さんはとても優しく教えてくれました。2週目のMogill Koala Hospitalでは、多くのボランティアさんが野生動物の保護活動に携わっていることを知り、入院しているコアラのお世話をしたりコアラ等の病理解剖の見学をしたりと、日本では決して学べないことをたくさん経験しました。また、このツアーでは人との出会いもとても素晴らしく、貴重なものでした。同じ参加者でも、他大学であることはもちろん、年齢や現在やっていることなども様々な人が集まって生活したり、実習場所では年の近いレンジャーやボランティアの方、実習で
来ていた他国の学生との交流ができ、世界が広いことを身をもって 感じることができました。 また、自分たちで買い物に出かけて食事をつくったり、バスを使ったりする生活をしたことで、海外での日常生活を少し体験できたことはいい経験でした。 このように、観光や語学留などでオーストラリアに来ていたら絶対経験できなかったことがたくさんあり、今回参加して本当に良かったと思っています。私が将来野生動物に関わる仕事につくかは分かりませんが、今回で学んだこと感じたことを大切にしてさまざまなことに挑戦していきたいと思いました。私と2週間共に生活してくれた仲間や実習先でお世話になった方々、そして、この機会を与えてくれたAJWCEFのスタッフの方々に心から感謝しています。ありがとうございました!!!!
学生 Y.T
今回、AJWCEFさんの2015年度夏季オーストラリア野生動物保護トレーニングコース(初期)に参加させていただきました。
当初は互いに初対面の方々ばかりでどうなるだろうと心配ではありましたが、実習や自炊、洗濯など複数人と共同生活をしていくうちに自然と仲良くなることができました。参加している方々も学生から社会人まで幅のある方々が多いため、幅広い交友関係を築くことができることも素敵でした。また、AJWCEFの職員の皆様がとても丁寧で優しい対応をしてくださったことがとても安心できました。実習先の病院や野生動物公園の職員の皆様も、私たちのたどたどしい英語にも丁寧に、また根気強く対応してくださるので実際の英語の勉強にもなりました。
オー ストラリアでの実習は日本では体験できないものばかりでとても貴重な体験となりました。特にオーストラリア特有の動物種や絶滅の危機に瀕している動物種と身近に触れ合うことができたことが何より楽しく、また専門知識や技量を学ぶことができたことが自分にとってこれからの糧となったと心から感じています。
日本とオーストラリアとの野生動物に対する認識や制度の違いを身をもって感じることができたことも大変貴重だと感じました。日本にいるばかりでは他国の制度やその国の人々の意識を知ることは難しいですが、実際にその仕事についている方々、ボランティアとして参加している方々との交流はとても刺激になり、これ からの環境保全、野生動物保護について改めて深く考える機会をもらったと思っています。
今回のスタディーツアーで得た知識や経験を決して無駄にするようなことはせず、深く考え、勉強しながら努力、精進していきたいと思います。トレーニングコー スに参加させていただくことができ、心から楽しく、本当に良かったと思っています。また機会があれば次回は上級のトレーニングコースに参加できればと考えています。
AJWCEF職員の皆様、大変お世話になりました。皆様の今後のご活躍を心から願っています。
帯広畜産大学共同獣医学科 山田 晴日
私の将来の夢は、獣医師として野生動物に関わることです。今回このトレーニングに参加したのも、自分の夢をより具体化するためでした。実際にオーストラリア に行って、野生動物保護の現場を見て経験して学んだこの二週間は、今の私そして未来の私にも大きく影響を与えるものになったと思います。
オーストラリアは野生動物との共存を考えて、様々な取組を行っていました。コアラ病院や野生動物専門の動物病院、野生動物公園、野生動物のリサーチセンターな どで野生動物を守りながら、日々野生動物とどのように人間が関わっていくべきか検討を続けていました。そのような場所で実際にコアラをはじめとする野生動 物に触れ、世話をして、解剖をすることができたのは、本当に貴重な経験です。日本では見ることもできない絶滅危惧種の世話をしたり、有袋類や単孔類の生態 のレクチャーを受けたり、行動観察で動物の生態や状態を目から学び取ったりと、日本ではまず経験することができないことばかりでした。そして日本では、ま だまだ野生動物の分野に携わることは難しいけれど、オーストラリアではたくさんの獣医師やボランティアの方々が野生動物保護に携わり、治療や環境保全、社 会教育に取り組んでいたことに驚きました。
また、このコースでは素敵な出会いがたくさんありました。オーストラリアの獣医師さん、レンジャーの方、AJWCEFのスタッフの方、そして何をするにも一緒に頑張った同じ参加者の皆さん、すべての方が私にとってかけがえのない存在となりました。
このトレーニングに参加したことで、夢への大きな第一歩が踏み出せたと思います。オーストラリアの方々が全力で野生動物保護に取り組んでいたように、私も立派な獣医になれるように全力を尽くそうと思います。将来、獣医師として戻ってきます!