協力団体・施設
オーストラリアの団体、施設
カランビン野生動物保護区とカランビン野生動物専門病院(Currumbin Wildlife Sanctuary & Currumbin Wildlife Hospital)
カランビン野生動物保護区は1947年に養蜂家であり花の栽培者であった故アレックス グリフィス氏(1911 – 1998)によってCurrumbin Bird Sanctuaryとして創設されました。1947年創設時から行われているレインボーロリキートの餌付けは、当時鳥による栽培している花への被害を防ぐために始められ、現在では数多くの観光客を集めています。1976年にサンクチュアリはクィーンズランド州の自然環境・歴史的環境保護のための民間組織へ寄付され、野生動物保全のための研究や傷ついた野生動物の治療、さらには教育面へ力を入れるようになりました。
1989年には増加する野生動物の治療個体数の増加に伴い、最初の獣医師が雇われ野生動物病院が創設されました。1995年に名前がCurrumbin Wildlife Sanctuaryへ変更され、現在はコアラやウォンバットをはじめとした多くのオーストラリアの野生動物が展示されています。
また、この保護区に併設されている野生動物病院は、1989年に最初の獣医師が創設者故アレックス グリフィス氏により雇われ創設され、数多くの野生動物を診療してきました。現在では年間10000頭以上の野生動物を診療しており、これまでに5万頭以上の野生動物を野生へ帰してきました。野生動物の診療個体数は年々増加の傾向があり、レインボーロラキートやペリカンなどの鳥類をはじめ、コアラやフクロモモンガなどの有袋類、さらには爬虫類・両生類など幅広く診療しています。
野生動物専門病院の建物の動物公園に面する壁はガラス張りになっており、ガラス張りにすることで実際に診療や治療を受けている野生動物たちを間近で見れるようになっています。そして、ここではより多くの動物達を診療、そしてより早く退院できるように様々な工夫が行われています。
デービッド フレー野生動物公園 (David Fleay Wildlife Park)
この公園はオーストラリアのユニークな動物たちについて、そしてその保護の必要性などの社会教育のためデービッド フレー博士によって設立され、現在はク イーンズランド州政府により運営されている。この公園では収容されている動物のほとんどがオーストラリアの固有種であり、また多くが絶滅危惧種であること が大きな特徴のひとつとなっている。この施設もAJWCEFの実習施設になっており、日本では見ることさえ難しい有袋類や単孔類の飼育管理を、毎日それら の動物たちの世話をしているクイーンズランド州政府レンジャーから直接説明を受けながら実習することが出来る。また、この施設では絶滅危惧種の捕獲繁殖な どを行い、それらの動物を自然に帰す活動も行われている。収容されている動物たちは、
- カソワリ(絶滅危惧種)
- カモノハシ
- ラムホルツ木登りカンガルー(生息数減少)
- マホガニー グライダー(絶滅危惧種)
- ジュリアクリーク ダナット(絶滅危惧種)
- グレーター ビルビー(絶滅危惧種)
- プロスパイン ロックワラビー(絶滅危惧種)
- コアラ(地域により生息数減少が著しい)
- ディンゴ
- 淡水及び塩水ワニ
- 各種の爬虫類 など
王立動物虐待防止協会(Royal Society for the Prevention of Cruelty to Animals (RSPCA))
RSPCA (王立動物虐待防止協会) の歴史は長く、イギリスのロンドンで設立されました。1872年にはオーストラリア支部が設立され、設立以来あらゆる動物 (家畜や野生動物などを含む) への動物福祉を推進するため活動してきた非営利団体です。主な活動内容としては、動物虐待防止を促す地域への教育活動や法律の改正のための提言活動、様々な理由で飼い主を失ったペットたちに新しい家庭を探す養子縁組活動などを行っています。
RSPCAにおける主な施設設備
- 養子縁組センター (Adoption Centre)
- 動物保護施設 (Animal Shelter)
- 野生動物専門病院 (Wildlife Hospital)
- ペット専門病院 (Domestic Animal Hospital)
- リサイクルショップ (Op Shop)
- ペット用品店 (Pet Superstore “World for Pets”)
- 24時間動物虐待情報コールセンター (24hour Call centre)
- カフェ (Café)
- その他
- 動物虐待査察官事務所
- 動物救急車・救急配送センター
- 問題行動矯正トレーニングセンター
- 移動式教育トレーラーなど
運営費の約99%は一般市民の募金、企業スポンサーにより賄われており、リサイクルショップやペット用品店などのお店の売り上げは100%運営費として使われています。
オーストラリア野生動物救護リハビリセンター(Wildlife Rescue Rehabilitation and Education Association(WRREA ))
WRREAはブリスベンから約120㎞内陸に移動したMurphy Creekに位置しています。
オーナーのTrish Leehong (トリッシュ リーホン)は長年、個々として政府の補助なく野生動物のケアラーとして草の根活動を行っていました。個人的にはハリモグラの生態研究に力を注いできたエネルギッシュな女性です。若い世代へ引き継ぐべき、オーストラリア野生動物孤児の現状、生態・環境への取り組み・改善、研究、救護・保護の方法、人間と野生動物間の関係・健康・福祉など、教育分野へも積極的に取り組み、2010年2月にWRREAを非営利団体として設立。干ばつ地域である過酷な環境下で主にカンガルー、ワラビー、ハリモグラをはじめ、鳥類・爬虫類などの保護、リハビリ・孤児の救護活動に積極的に取り組んでいます。
バッツ・クィ―ンズランド (Bats QLD Inc.)
バッツ・クィ―ンズランドは、クィ―ンズランド東南部(主にゴールドコースト/ブリスベンエリア)に生息している野生の大型コウモリ(主にフライングフォックス)や小型コウモリの救護・看護・リハビリ、孤児の保護を行い、怪我・病気の治療が終わったコウモリや独り立ちする孤児達を自然環境に戻す活動をしているボランティアのケアラーさん達が一人一人集まった非営利団体です。野生コウモリについてより多くの知識を広げるため、一般公開のセミナーや地元の環境イベントを通じて、野生コウモリの住みやすい環境の保護や環境作りの促進、教育を積極的に行っています。
通常、オーストラリア・クィ―ンズランド東南部でのコウモリの繁殖シーズンが10月から1月のため、多くの孤児が保護されるのがこの時期です。保護された赤ちゃんコウモリは個々のケアラー宅に預けられ10月から翌年3月の間に約3か月から6か月間、ケアラーさんによって育てられます。天候・気温・野生下での餌や水の量にもよりますが、大体真夏シーズンを過ぎた3月あたりに自然環境へ帰しています。その準備のため、各ケアラー宅に預けられていた孤児たちを一か所のコウモリ園に一斉に集め、野生の本能を取り戻すべく、人間から離れたコウモリ同士の共同生活を行います(ソフトリリース法)。
怪我や病気で救護されたコウモリ達は治療を終え次第、気温や季節を考慮してその都度自然環境へ戻されます。
南オーストラリア大学 (University of Southern Queensland(UniSQ))
南クィーンズランド大学(UniSQ)は、1973年に設立され、2023年には権威あるタイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)世界ランキングで上位301-350大学にランクインした教育におけるグローバルリーダーとして認知された大学です。
クィーンズランド州トゥオンバ市内のメインキャンパス(ブリスベンから約90分) をはじめ、スプリングフィールドキャンパス、イップスイッチキャンパスとキャンパスと3つのキャンパスを持ち、オンラインによる遠隔地教育にも力を入れている大学です。在籍する全校生徒数は約28.000名、農業と環境学(農業工学・環境工学・環境保護学) 、サイエンスをはじめ、芸術、人文学、航空学、ビジネス、教育、工学、IT・情報メディア、法学、看護、心理学・社会福祉、測量・建造環境、視覚・舞台芸術の学部があり、合計約700のコースを持つ総合大学です。
また、海外からの留学生のためのスタディーツアープログラムは、学生、研究者、専門家にとって、英語力を高めるためのユニークな機会を提供し、グループの特定の要件を満たすとともに様々なアクティビティを含めたプログラムへとカスタム設計されています。
Institute of Continuing & TESOL Education - クイーンズランド大学 (University of Queensland)
ク イーンズランド大学(UQ)はオーストラリア クイーンズランド州の州都ブリスベンに本部を置く州最古の名門総合大学で、イギリスのタイムズ紙関係の高等 教育雑誌(2008年度)において世界トップ50大学中にランクされ、120を超える世界各国からの7,500名の留学生を含む38,000名以上の学生 が学んでいる。また、UQ はキャンパスが非常に美しいことでも知られている。このUQの本部が置かれているセントルシア キャンパスにあるクイーンズランド大学付属英語学校 (ICTE-UQ)は、政府に登録され、連邦英語学校認定機構の認定を受けており、高品質の英語教育を提供している。ICTE-UQは。AJWCEFと協力してオーストラリア野生動物保護スタディーツアーなどの企画運営を行っている。
日本の団体、施設
日本獣医生命科学大学 (Nippon Veterinary & Life Science University)
日本獣医生命科学大学は、明治14(1881)年に日本最古の私立獣医学校として文京区音羽で開学し、日本獣医畜産大学と改名後、学校法人日本医科大学と 合併した。さらに平成15(2003)年日本獣医生命科学大学に改名し現在に至っている。現在は獣医学部に獣医学科と獣医保健看護学科の2学科を、応用生 命科学部に動物科学科と食品科学科の2学科を置き、すべての学科に博士課程までの大学院を整備し、教職員数は約150名、学部学生数と大学院生数は約 1,500名、同窓生数は16,000余名の小規模ながら伝統に輝く学府である。一方、教育と研究面での国際協力を推進しており、海外の大学との学術交流 協定を締結している。オーストラリアのクイーンズランド大学とは研究者や学生の短期研修、留学者の受入れ、学部学生の海外実習の場として交流を深めてい る。AJWCEFの日本支部が同大学 獣医解剖学教室内にあり、日本におけるAJWCEFの野生動物保護に関する教育活動を支援している。