アオウミガメのベビーブームは多くがメスである事態への警鐘 2022年5月3日

      2022/05/03

『 Alarming green turtle baby boom an all-female affair』(英文PDF)

Australian Geographics

2021年11月16日

Tracey Ferrier, AAP記

 担当:うた

【要約】


オーストラリアの先端付近にある、世界最大のウミガメの繁殖地ではメスしか産まれないが、科学者たちはオスを増やす計画を進めている。


オーストラリアの先端近くにある小さな島では、ある種の歪んだベビーブームが始まろうとしている。今期、人里離れたレイン島にある何千もの巣で産まれるウミガメのほとんど全てがメスなのだ。

世界最大のウミガメの繁殖地に影響を与えている性の不均衡に対する警告は、2018年に初めて科学団体で発表された。

しかし、この現象は数十年前から始まっていたことが明らかである。なぜなら、グレートバリアリーフ北部にいるウミガメのうち、幼体から成体までのほとんどが、今やメスだからだ。

研究者たちは、この不均衡を地球温暖化と結びつけている。レイン島の巣では、性別が決まる孵化の重要な瞬間に温度が上がり過ぎてしまい、オスが産まれないのだ。

 

このことは悲惨な問題である。しかし、WWF(公益財団法人世界自然保護基金オーストラリア)のTurtle Coolingプロジェクトに参加していた研究者たちは、この問題の解決策はあることを信じている。

今年初め、研究チームは、グレートバリアリーフ南部に生息する遺伝的には異なるが、近縁のウミガメを用いて、小規模な対象実験を行なった。

ヘロン島で研究者たちは、海水が卵を乾燥して胚に影響することなく、巣を冷却することに使用できることが明らかにした。

 

ウミガメは、人里離れた場所に巣を作ることが好きだが、そこはレイン島のように木陰を作る木や、新鮮な水がなかったりするため、今回の結果は画期的なものになるかもしれない。

 

グレートバリアリーフ北部のウミガメの性バランスを戻すという複雑なミッションの次なるステップは、レイン島におけるさらに大きな海水灌漑実験だ。

 

WWFの研究者であるケイトリン・スミス氏は、Turtle Coolingプロジェクトを率いている。彼女によると、12月初旬から4月にかけて巣立つ今年の子カメの性別に影響を与えることは間に合わないという。しかし彼女は、2022〜2023年の孵化シーズンには間に合うと期待している。その頃までには、アオウミガメの個体群に必要なオスの数という、複雑なパズルのもうひとつのピースができているはずなのだ。

その数が少なすぎることも、多すぎることも問題である。これは、クイーンズランド大学で博士課程の学生であるメリッサ・ステインズの出番だ。

彼女は今年、カメの個体数が増加していて、かつ性別の不均衡の心配が起こっていないの南部で交尾中のアオウミガメの上にドローンを飛ばす事に多くの時間を費やした。

 

ヘロン島が、ドローンのプロジェクトに選ばれたのは、砂の温度が比較的低く、カメの求愛の場としても人気があるからだ。"ドローンの映像を分析することで、繁殖中の雄と雌の比率を健全に個体数が延びている地域にてあきらかにすることができるだろう。"と、ステインズ氏は言う。

 

この研究は、レイン島で行われる海水の感慨に役立ち、巣では適切な個体数のオスとメスが生まれるよう管理される。

また、この結果は、ウミガメの性の不均衡が指摘されているアジア太平洋地域など、世界中の他の地域の集団繁殖地の管理者にとっても有益な指標となることだろう。

“繁殖地の管理者は、もし、産まれてくる個体がメス化していることを確認した場合、海水灌漑や日陰のある孵化場を作るなど、オスの子ガメの数を増やすための対策を講じることができます。”と、ステインズ氏は言う。

Turtle Coolingプロジェクトは、WWFオーストラリア、クイーンズランド大学、コンフリクトアイランド保全イニシアチブが参加し、家具メーカーのコアラ社が資金援助をしているパートナーシップである。

 

【感想】

ウミガメは多くがメスであることは聞いたことがありましたが、その原因には地球温暖化があることなどは初めて知り、この問題について深く学ぶことができました。地球温暖化により、動物種が減り、生物多様性のバランスが崩れるだけでなく、1種類の中でも動物の中でも性のバランスが崩れるという問題もあることが印象的でした。

人間が暮らしやすくなると同時に、他の動物が暮らしにくい環境を作ってしまっていることをもっと多くの人が気づき、地球に優しい行動に移って行って欲しいと強く思いました。

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