森林火災後の野生動物救助のために,ケアラーや獣医師は迅速により良い準備をするように呼びかけている 2020年10月27日

   

『Wildlife carers, vets call for faster and better prepared wildlife rescue after bushfires』(英文PDF)

ABC News  2020年5月4日

Bill Brown 記

 担当:S.K

《要約》

Peter Day氏が土壇場で大規模森林火災から逃げ出してた後、遠隔地の野生動物保護区に戻った際に,彼は生き残ったカンガルーやワラビーたちを手当する為に獣医師を求めたが,迅速な対応を得ることができなかった.

 

 

南東のNew South WalesにあるCathcart近くの彼らの保護区は森に囲まれており,リハビリを終えた野生動物を自然にかえす場所としての役割を担っている.

 

1月の大規模な森林火災は南北から彼らの方向へと焼き尽くしていき,2月1日までにその聖地の近傍まで達した.

彼と彼の妻であるMimiは,よく整備された敷地を守るためにその地に留まり,消火活動を行った.

 

しかし,彼らの計画は突如として変更を余儀なくされた.というのも,周囲の森からは見えないところで3つの大きな火事が合流しようとしていたからだ.

「National ParksとWildlife Serviceの勇敢な消防士が車に乗ってすごいスピードでやってきて,『あなたは早くここから逃げて下さい,そうでないと死んでします』と言ったんだ.」とDayさんは語った.

ドラマチックなCCTVの映像には,彼らが世話をしている4匹の動物の子供を抱えてそのレンジャーの後を追っていく様子がとらえられていた.

「私の妻は辺りを振り返り,そして木々よりも高く燃え上がる炎を目にした」とDayさんは言った.

その大火災は森林の12000ヘクタール以上の森林を燃え尽くしたが,驚くべきことに,その保護区は生き残っていた.

 

しかし,彼らが数日後に戻ると,多くのカンガルーやワラビーが火傷を負っていた.

「鳥のさえずりが聞こえなかった.静まりかえり,昆虫も何もかもがいなくなっていた.」とDayさんは述べた.

 

彼は車で1時間半のところにあるCoomaでWIRES(Wildlife Information Rescue and Education Service)に所属するケアラーさんから餌をもらったり,獣医師に協力を呼びかけて野生動物たちが負った傷を手当てしてもらった.

「私たちは,本当に,本当に支援者を見つけることに苦労しました.私が座っている地面の上で彼らの治療をしてもらいました.」と彼は述べた.

 

助けが来たのは火災の1週間後のことで,ニュージーランドに拠点をおく動物福祉慈善団体HUHAHA(Helping you help animals)がCEOであるCarolyn Press-McKenzie氏を率いて到着した.

 

彼らは保護区に一時的な治療施設を建設するために建設業者も連れてきていた.さらに,周囲の火事場から救出するために,オーストラリアの獣医師ボランティアチームと傷ついた動物たちを鎮静させるための麻酔銃を持ってきた。

 

「彼はたった一人で素晴らしい仕事をしていたが,資源がありませんでした.NSW Wildlife Councilは私たちに,『この人は必死で誰かの助けを必要としている』と言ってくれました.」Press-McKenzieさんは述べた.

 

獣医師チームは,一時的にオーストラリアの組織であるWIRESに引き渡すまでの10日間,その保護区で働いた.

しかし,Peter Day氏はその手配を打ち切りWIRESから離脱した.

 

彼は別の登録野生動物グループであるLAOKO(Looking After Our Kosczisuko Orphans)に参加した.そのグループはCoomaに拠点をおき,獣医師や,より大きな治療施設やシェルターの建設物を有するHUHAにも支援されていた.

 

Peter Day氏は次のように語った.「この経験が将来の貴重な教訓になった.National ParksとWildlife Serviceに対する迅速な対応が求められている.というのも,それらは,私たちの固有の野生生物に対する最終的な責任であるからだ.」

 

Vets for Compassionに所属し,治療にあたっている獣医師の一人、Catherine Schuetze氏は次のように述べた.

「迅速な野生動物の救出には,政府の緊急応答システムも必要となる.オーストラリアの獣医師である我々は,外に出て治療を行う必要はなくただ呼ばれるのを待っていれば良い,DPI(the Department of Primary Industries)やRSPCA,WIRES,National Parksがそれに対応するのだと伝えられていました.そのため,誰も対応していないことに気づくまでに数週間かかってしまいました.」

 

WIRESの広報担当者は,NSW全体に及ぶ大規模な森林火災により, 2月以前の3ヶ月間で野生動物支援ホットラインへの問い合わせが87000件に及んだと伝えた.

 

さらにWIRESは,連邦政府または州政府による緊急野生動物保護基金の代わりにNSWの28支店へ100万ドル以上を提供し,またWIRESに加盟していない野生動物救助者とケアラーさんに助成金を与えるために100万円の緊急支援基金を設立したと述べた.

 

Schuetzeさんは語った.「訓練された動物に関する災害対応人材チームと設備を次の森林火災に備えて準備しておくべきです.そのために,私たちは早期の段階で災害状況に立ち入り,緊急サービスを提供する.統合された救助活動を行う努力を行っていきます.」

 

<感想>

世界各地で気象異常が起こっており,オーストラリアではその影響で大規模な森林火災へとつながってしまいました.今後も大規模な森林火災が発生することがあるかもしれませんが,被害が最小限に抑えられるように準備すべきだと思いますし,多くの人にこの森林火災のことを知ってもらい,支援の輪が広がってほしいと思います.

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