アボリジニランズトラスト(ALT :Aboriginal Lands Trust)によって破棄された、議論を呼ぶ南オーストラリア州でのウォンバットの間引き 2020年8月4日

      2020/08/10

『Controversial South Australian wombat cull scrapped by Aboriginal Lands Trust』(英文PDF)

ABC North and West SA 2020¥年3月5日

Gray-Jon Lysaght and Paul Culliver記

 

担当:H.M.

 

《要約》

賛否両論の南オーストラリア州ヨーク半島でのウォンバットの間引きは、Aboriginal Lands Trust (ALT)が“別の解決策”を模索すると発言したことで先に進まなくなった。

 

州政府の環境保全局(DEW:Department of Environment and Water)はウォンバットが農業器具への被害の原因になるという懸念の中で、間引きを認めてきた。

 

間引きはアボリジニが所有する農地で、地元の農家から貸し出されたポイントピアースの近くで行われてきた。

 

Aboriginal Lands Trustの最高経営責任者であるジョン・チェスター氏は、“ALTは、農業活動を妨げてきたウォンバットを間引きすることに対する代替案を模索する全ての団体と共に活動することを決意した“ と述べた。

 

“昨年ウォンバットの集落を淘汰する要請は誠意を持って提出され、ポイントピアースコミュニティ、ALTそしてその他の利害関係者の支援を受けた。”

 

“また、動物たちは疥癬の蔓延により、潜在的な健康への危険性を地域へもたらす”

 

淘汰は持続可能性のための‘脅威のない環境’をもたらす

 間引きはその土地のウォンバットの集団を蹂躙するかもしれない懸念があり、学者たちはヨーク半島にはたった800頭のウォンバットしか残っていないと推定している。

 

しかし、チェスター氏は個体数は“はるかに超えている”と述べた。

”ウォーレンの空中調査に基づく推定の研究を元にしており、言うまでもなくポイントピアース全体もしくはヨーク半島全体の農場でのウォンバットの個体数は2000を超えていることを示唆している“とも述べた。

 

“この特定の個体群の淘汰が提案されていることは、ヨーク半島のウォンバットの持続可能性を脅かすものではない。”


“とはいっても、我々は在来野生生物の淘汰に関して非常に敏感なので、代替案は受け入れている。”

 

 

疥癬の査定をめぐる疑問

 南オーストラリア州の緑の党の議員であるタミー・フランクスは、ALTによるポイントピアーズ近くのウォンバットの中に疥癬を持っているものがいたという査定にについて疑問を呈した。

 “茶色の色合いは疥癬の潜在的な兆候であるとジョン・チェスター氏に説明されたが、実際はウォンバットの専門家には飢餓の潜在的な兆候であると説明された。”

“我々はその特徴が疥癬なのか、そうではないのかを、確立する必要があるが、その上で国際的に最も良い方法がウォンバットを淘汰しないことで、彼らを治療し、そしてそこから前進していくことである。”

 

“その手順は、検証が可能となる情報が不足していて、部門がそれを承認させるだけの厳格さを欠いているように見えた。”

 

彼女はウォンバットの保護区を農地に作るべきと提案した。

“これらの類のものはそれだけでも財政的に実現可能であり、そこにはウォンバットを保護するために世界的によく確立された地域の支援がある。”とも述べた。

 

ウォンバットの健康には未だ懸念がある

 彼が淘汰が中止されたことを耳にしたとき、アジャドゥーラ/ナラングガ、ナガデュリの年長のクエンテン・アギウスは感情的であった。

彼はポイントピアース周囲のウォンバットの健康が1番の懸念であり、我々は彼らがお腹を空かせ、水に恵まれていないことを知っていて、家族として最善を尽くしている。と述べた。

 

“ポイントピアース自体を見ると、我々は、彼らはポイントピアース中を緑化する必要があり、そうすれば私たちの動物たち、私たちの野生生物のための場所を作ることができると地域に何年も言い続けてきた。“

 

 彼は政府組織が今ウォンバットを守るために共に試み、働くことを望んでいる。DEWは、ALTとポイントピアースアボリジニ協会が、彼らの土地の収入と雇用を守るために行っている取り組みを支援すると述べた。

 

農業とウォンバットたちの共存

 チェスター氏はALTはウォンバットと農場経営の共存の方法を考えていて、

“予備的な討論ではウォンバットの群落を確保するために土地の一角の特定の場所に焦点をあてた”と述べた。

 

彼は農業とは“地域社会の持続に欠かせない”と述べ、そして、動物の淘汰を避けていられる期間も農業が続けられることを願っていた。

 

ポイントピアースの地方議員であるフレイザー・エリス氏は、ポイントピアースの自治体から土地を借りている農家はむやみにウォンバットを殺すことを望んでいない、

“ある農家は出来心から、大量のウォンバットの壊滅を欲しているというように表現されているというその点において、それは違う。”と述べた。

 

 

<感想>

野生動物やそれらをめぐる環境の保全というものは農業など産業とは常にぶつかり合う問題だと感じた。日本でも保全事業が行われている動物が地元の農業へ与える被害の話を耳にしたことがあり、どうするのが1番良いのかは難しく議論が続きそうだと感じた。

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