タスマニアデビルが本土にある一部野生の保護区で誕生している 2021年10月26日

      2021/10/26

『Tasmanian devils give birth in semi-wild sanctuary on the mainland 』(英文PDF)

ABC Science 

2021年5月28日

Gemma Conroy記

 担当:M.H.

【要約】

タスマニアデビルの赤ちゃんたちがシドニー北部のバリントントップスにある「保護区」で誕生した。保護団体であるオージー・アークによって進められているこのプロジェクトは、種を保存するためにかつてタスマニアデビルが生息していた地であるオーストラリア本土においてその個体数を増やすことを目的としている。「私たちはタスマニアデビルが持続可能な個体群を構築することを願って、オーストラリア本土の野生に返すためのより良い10年にするために一生懸命働いてきました。」とオージー・アークの会長ティム・フォークナーは言う。

2020年後半、オージー・アークのチームは繁殖能力のある雌7頭を含む26頭の成獣をバリントントップスにある400ヘクタールの保護区に放した。囲まれたエリアはタスマニアデビルを猫やキツネなどの脅威から守るために作られている。保護区に放たれてからs数か月、7頭の健康な赤ちゃんが誕生した。オージー・アークの保護論者は今年赤ちゃんの数が20頭に達すると予測している。しかしながらタスマニアデビルを一部野生の環境で繁殖させるのは最善の方法なのだろうか。また彼らを本土に放すのは良い考えなのだろうか。

 

本土に帰還?

タスマニアデビルはディンゴに一掃されたため3000年以上オーストラリア本土で生活していない。この一掃された時から彼らはディンゴのいないタスマニアに限定して生きてきた。

しかしタスマニアでディンゴから安全であった一方で、タスマニアデビルの数はここ約30年で90%程落ちている。これは伝染性の高い致命的な癌であるデビル顔面腫瘍性疾患の拡大によるものである。現在少なくとも25000頭のタスマニアデビルが野生に残っていると考えられており、IUCN(自然および自然資源の保全のための国際連合)のレッドリストでは絶滅危惧種に指定されている。

タスマニアデビルの衰退を遅らせるための一つの方法として、デビル顔面腫瘍性疾患のない本土に放すことのできるいわゆる「保険」となる個体群を作り上げる方法がある。本土へタスマニアデビルを放すことは、固有の野生生物の害となるネコなどの野生の捕食者をコントロールするのに役立つと説いてきた保護論者もいる。しかしながら本土へのタスマニアデビルの再導入はもっと複雑であると考えられるとタスマニアの大学で医学研究を行っているメンジーズ研究所の免疫学者であるアンドリュー・フライさんは言う。

 本土におけるタスマニアデビルはきっとディンゴやキツネから守るための広い囲まれたエリアが必要であり、これは他のことへもっと有効活用できる保護のための資金を使用することになってしまうとオージー・アークのプロジェクトに携わっていないフライ先生は言う。「これは取引である」と彼は言う。

 

繁殖プログラムは十分なのであろうか?

オージー・アーク保護区で誕生したタスマニアデビルが厳密には野生に放されていない一方で、この方法は種を保存するための良い方向への一歩であるとフライ先生は言う。「彼らは保護下で良く繁殖するが、固有の習慣を失ってしまいます。」と彼は言う。「完全に彼らが野生に戻っているとは言えませんが、一部自然の環境で繁殖しているのはとても良いことです。」しかし絶滅危惧種の動物を危機的状態から永久に安心できる状況に戻すためには、保護下で繁殖をすること以上のことが必要である、とフライ先生は言う。「私は一つの個体群を多方面から観察し、経過を見て、保険の個体群を保持し、個体群を再構築する他の方法を探すのが一番良い方法だと思います。」

 

「野生でタスマニアデビルが繫栄することが私たち皆のゴールです。」

 

<感想>

 これからもタスマニアデビルの本土への帰還や繁殖を通して、種を保全していくことが重要であると思います。特にデビル顔面腫瘍性疾患は種の存続に大きな影響を及ぼしているため、治療法等の解明は重要であると思います。

 

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