ディンゴが別種を宣言した 2023年11月30日

      2022/11/30

『Dingo declared a separate species』(英文PDF)

Australian geographics
2014年4月15日
Jacqueline Outred記

 担当:Y.K.

ディンゴは、イヌやオオカミの子孫ではないことを識別するため、独自の種名を持っている。

オーストラリアの政治家、Arthur Phillipが1788年に初めてオーストラリア沖に上陸した時、彼は最初の書面のディンゴの身体的描写を残した。

1793年にドイツ人自然学者であるFriedrich Meyerにより体系化されて以来、このオーストラリアの野生犬科動物の1段落の記述は、詳細が含まれている程度が限られていたにも関わらず、変わることなく維持されてきた。

それが維持されたのは、シドニーのNew South Wales大学の保護生物学者、Dr Mike Letnicを含めた科学者らの国際チームがより詳細に遺伝的に純粋なディンゴの身体的描写を発表した2014年の4月までであった。

その研究はJournal of Zoologyにて発表され、ディンゴが飼い犬と接触し始めた1900年以前の69体の法医学標本から集められた情報に基づいている。

ディンゴの謎に満ちた歴史の中で初めて、純血のディンゴが、基準となる身体的描写を示した。そしてそれは、純粋なディンゴの身体的属性に関する私たちの認識の多くが間違っていたことを明らかにした。

 

黄色のディンゴが唯一の純血ではなかった

「俗説では純粋なディンゴは、フレザー島にいる多くの個体のように、その毛色は黄色だけであるとされている。」Mikeは次のように述べる。「しかしながら、これは誤りである。私たちはディンゴがタン、ダーク、ブラック&タン、ホワイト、ジャーマンシェパードドッグによく見られるセーブル色にもなり得るということを発見した。」

ディンゴに関する時代遅れの情報が、間違った前提認識のもと純血種のディンゴが淘汰を導き、その結果、個体数の減数に繋がった可能性がある。

オーストラリアでは、ディンゴはよく家畜の数が減る原因とされるため、黄色以外の全てのディンゴは純血ではなく、保護の対象にもならないという想定のもと、混血だと思われるディンゴは殺されてきた。

しかしながら、ヨーロッパ人が犬と共に上陸する遥か昔から黄色でないディンゴが存在していたため、ディンゴの純血度を判断するのに体色は確実な特徴ではない。Mikeは次のように述べる。「私たちはこれだけの(色の)バリエーションが可能であることを示した。」

Mikeは、オーストラリアにおける生物多様性はディンゴの純度についての誤った想定によって影響を受けるであろうと言う。「ディンゴは私たちの生態系の健全性の維持に重要な役割を果たす。」と Mikeは述べる。「生態系を変えるのはキツネやネコだけではなく、カンガルーも同様であり、ディンゴはその個体数を維持するのに役立つ。」

 

ディンゴは独自の種を与えられた

 その研究はディンゴが進化系において独自の領域を占めることを示すことでCanis dingoの名前も甦らせた。

Canis dingoは元々メイヤーによって提唱された学名であったが、ディンゴがどのようにオーストラリアに生息するようになったのかの確定や、また、ディンゴの遺伝系統の判定に科学者が苦心したため、Canis lupus dingo(オオカミとの繋がりを表す)やCanis familiaris dingo(家畜化を暗示する)のような他の名称が使用されていた。

 

【感想】

私はオーストラリアに行き、初めてディンゴを見ました。動物園には黄色のディンゴしかいなかったため、よく調べることもせず「ディンゴは黄色である」と学習しました。しかし、この記事を読み、純血のディンゴでも黄色ではない個体がいることを知りました。この研究に基づいた知識が世間一般にも広がっていれば純血のディンゴが淘汰されずに済んだかも知れません。正しい知識を身につけ、行動することの重要性を改めて感じました。

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