コアラが絶滅危惧種に分類されるのは残念なことだが重要な決断である 2022年11月2日

      2022/11/14

『Koala endangered listing is a grim but important decision』(英文PDF)

WWF オーストラリア

2022年02月11日

担当:RM

【要約】

オーストラリア東海岸で、コアラを絶滅危惧種として分類することは残念な決断である。しかし動物福祉保護団体によれば、早急なアクションを必要とする重要な決断である。

環境大臣スーザン・リーによる今日の発表は、国際動物福祉基金(IFAW)、人道協会国際部門(HSI)そしてWWFオーストラリア が2020年3月に連邦絶滅危惧種の科学コミティに合同で挙げた推薦によるものだ。

この決定は、クィーンズランド州、ニューサウスウェールズ州、そしてオーストラリアの首都地域のコアラの生存数は、1999年の環境保護及び生物多様性保全法(EPBC Act)の元では、今絶滅危惧種に指定され、コアラが絶滅への道をさらに1歩進んでいることを意味している。より強力な保護政策なしには、東海岸のコアラは全ていなくなってしまう危険にある。

 

国際動物福祉基金、生息環境適正指数と世界野生生物基金は、リー大臣がこの問題を環境部門に挙げ、科学を基にこの必要不可欠な決定をしたことに感謝した。三組織は決定をサポートする強力な証拠を提出した。それは、生態学的コンサルタント、バイオリンクによる科学的な報告書を含むもので、クイーンズランドのコアラ生存数が2001年以降推定で50%まで減少し、おなじ期間にニューサウスウェールズでは62%まで減少してしまった。

 

国際動物福祉基金の野生生物キャンペーンマネージャー、ジョージー・シャラドは言った。コアラは国際的な存在であり国家の象徴でもある、しかし開墾や洪水、疫病、交通事故、犬の攻撃により、ブラックサマーの山火事以前にすでに不安定な状態にあった。

「この決定は諸刃の刃である。国家の象徴を失うという危機的な状況を決して許してはならない。もし私たちがオーストラリアを代表する固有種を守ることができないなら、あまり知られていない他の動物を守る方法もない。もちろん重要でない固有種なんていないのだが。」とシャラド女史は言った。

「山火事は最後の一撃だった。これはオーストラリアの国や政府が、危機にさらされたコアラの生息地を開発や開墾から守る活動に拍車をかけ、さらに気候変動の影響に真剣に取り組むための目覚まし時計のようなものだっのだ。」

WWFオーストラリアの保全科学者であるスチュアート・ブランチ博士は、コアラが絶滅危惧種に分類されたことは分岐点で、連邦政府と州政府に対して、2050年までに東海岸のコアラの生息数を2倍にするよう要望したと述べた。

「コアラの状況は10年の間に、危険な状態としてリストされていない状態から、絶滅危急種、滅危惧種と推移してきた。これは衝撃的な下降である。今日の決断は歓迎するが、この決断と共により強い法律を作り、森の生息地を守るための土地所有者への動機付けをしない限り、コアラが絶滅に向かうのを止めることはできないだろう。」とブランチ博士は言った。

「コアラの生息数はこの20年で半減した。しかも宇宙航空研究開発機構の新データは、クイーンズランドでの開墾が未だに驚くほど多く行われていることを示している。また、ニューサウスウェールズ州政府は、生息地として価値の高い地域でコアラの保護を強化するという公約をまだ 達成していません。私たちは傾向を転換して、2050年までに東海岸のコアラの数を2倍にしなくてはならない。オーストラリアは、森林破壊や原生林の伐採からの方向転換を達成し、森林保護と再生の世界的なリーダーにならなくてはならない。」

アレクシア・ウェルビーラブ、生息環境適正指数のシニアキャペーンマネージャーは述べた。「このリストアップは、政府にとって、コアラの生息地で今も続いている開墾に歯止めをかけるための優先度の高い項目です。もし開発が従来のように継続されれば、2050年までに東海岸のコアラは絶滅するでしょう。永遠のさよならを望まないのなら、これ以上の開墾は許されない。」

2012年5月の環境保護及び生物多様性保全法の元で、クイーンズランドとニューサウスウェールズのコアラ生息数が絶滅危急種として指定されてからちょうど10年後に決断されたのだ。

それ以来コアラは、執拗で持続的な圧力に苦しんできたのだ。2016年に政府が在来植生法を弱めたために、開墾地は、ニューサウスウェールズで13倍に増加した。南西クイーンズランドのコアラの生息数も、2032年までに8000匹以下に減少すると予測される。なぜなら世界中の関心がオリンピック開催地であるブリスベンに注がれるからだ。

<感想>

私もコアラの将来には大きな不安を抱えている1人です。コアラを始め多くの野生動物が火事で苦しんだ惨状をテレビで見て、悲しみを通り越して虚しさを感じました。しかも火事の頻度や規模は今後さらに増すとのこと。しかも人間による開発も減らない。保護活動に直接関わっていない私にも、募金以外に出来ることはないかと考えている毎日です。大きな火事以降街に住み着くコアラが増えているという番組もテレビで見ました。人間の側にいることにより火事の危険はないかもしれないけれど、交通事故や犬による被害が増えるのではないかと懸念しています。効果の高い安全な保護政策が取られることを期待します。

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