糞がコアラ生存の鍵を持つ可能性がある 2021年6月8日

      2021/06/09

『Poo pellets could hold key to koala's survival 』(英文PDF)

Courier mail  2021年3月30日

Rodney Stevens記

 担当:M.H

≪要約≫

セントラルクイーンズランドの科学者によると、オーストラリアのコアラ生存の鍵となるものがその糞中から見つかる可能性があるそうだ。

 2019年~2020年の山火事で60000匹以上のコアラが打撃を受けたという世界自然保護基金による報告以降、次世代がどれ程の間、野生において有袋類を見ることができるか危機的な推測が決定づけられた。

セントラルクイーンズランド大学でコアラの研究をするフラビア・サンタマリア教授(写真)は、動物のストレスのレベルを調査するために一年間大量の糞を観察してきた。サンタマリア教授によると、人間がストレスを感じた際に病に対して弱くなるのと同様にコアラもストレスにより弱くなるそうだ。

 「私たちは、現在糞の中にみられるコルチゾル代謝物とも呼ばれるコルチゾルと関連があり、動物のストレスレベルについて知ることのできる化学物質に注目しています。」と彼女は言う。

 「私たちはコアラにおけるストレスの増加がコルチゾルの増加を引き起こしてしまい、これが糞中のコルチゾル代謝物の数値の上昇につながる可能性があることが分かっています。」

 サンタマリア教授のクイーンズランド南東部の野生動物施設から1年間にわたり集めたコアラの糞についての研究は、野生のコアラにおけるストレスについての今後の調査の基準となるだろう。

 彼女によると血液のサンプルを通して急性のストレスが認められた場合、慢性のストレスが糞中に認められることがあるそうだ。また、糞のサンプルを集めることは非侵襲的で簡便、さらに動物にストレスを与えない方法であるそうだ。

 セントラルクイーンズランド大学の研究はクイーンズランド大学、モナシュのプロテオミクスとメタボロミクス研究所、オーストリアのウィーンの獣医大学と共同で行われた。

 サンタマリア教授とそのチームは、野生において何がコアラにストレスを与えているのか、これらのストレスがどのようにコアラの健康や生活に影響を与えているのかについて突き止めたいと考えている。

 

<感想>

 外部からの観察により動物のストレスについて調査する場合、長い観察時間や観察力が必要となり、主観的になってしまう可能性もあります。そのため化学物質によりストレスを測定できるのは画期的な方法であると思いました。糞便検査であれば動物にも影響を与えないため、積極的にこの検査方法を取り入れることでコアラのより良い生活環境作りに役立てることができるのではないかと思いました。

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