野生に復帰するためにQueeslandの山火事から救出されたコアラとその子供 2020/07/07
2020/07/07
『Koala and joey rescued from the Queensland
bushfires to be released into the wild』(英文PDF)
ABC News 2019年11月28日
担当者:H.M.
≪要約≫
Kym Agius記
Brisbane南部で発生した9月の山火事の間、ベテランの母親であるAinsleeがRupertのことを非常に良く面倒見たため、Rupertは煙の吸引のみで災害から抜け出すことができた。しかしながらAinsleeは足を焼かれてしまい、毛はすべて焼け焦げてしまった。「彼女は良い母親です。いつもRupertの上に手を置き、彼の周りに腕を回しています。」と2匹の世話をするSam Longmanさんは彼らが初めて彼女のもとへ来た時に言った。「彼女は絶えずRupertのことを抱きしめています。彼が困って声を上げる、つまり泣き始めると、彼女はとても警戒して機敏に反応しています。」
Longmanさんが、RSPCAで数週間過ごした直後のAinsleeを引き取った時、彼女の健康状態は10を最高にするとたったの3と評価されていた。この9歳のコアラは健康を取り戻すために毎日サプリメントや総合ビタミン剤、そして一番質の良いユーカリの葉を与えられてきた。そのため彼女の足は綺麗に治癒し、毛もゆっくり生えてきている。生後12か月のRupertは、たまに母親を悩ませるケージの中の暴れん坊となる程回復した。「彼はこの環境によく慣れただけではありません。」とLongmanさんは言う。「彼は少し遊び歩きをしやすく、性格が少し型破りなだけなのです。非常にやんちゃに歩き回ります。彼は母親の顔、足、腕、膝を噛んで遊び始め、母親が彼に向かって更にうなり声をあげて怒られるのです。でも彼女は彼ととても上手くやっています。私は彼女がRupertに今までやってきたことから今現在やっていることまでとても感心しています。」
二匹の母親がRupertに授乳し健康へ導いている
AinsleeとRupertは、同じくCanungraの山火事から救出された10歳のEveとその娘のEllaと共に生活をしている。彼らは全員同じ日にLongmanさんの元へ来たのだ。
Ellaが完全に回復してきている一方、Eveは腰に骨関節炎があり野生に復帰するのは厳しそうだ。だからと言ってEveはRupertに授乳するのをやめる訳ではない。彼女はずっとRupertを腕の下に抱いてきた。「Rupertは例えるとただのずんぐり丸々としたような子どもなのです。ずんぐりしているけど小さくて活発です。」とLongmanさんは言う。ある時にはLongmanさんは、Rupertは一生野生に戻れないかもしれないと思った。しかしEveの助けを借りて二匹の母親は彼を育て健康な体に戻した。EllaはRupertのことを妬んでおらず、二匹の子供は逆境の中でかけがえのない絆を作った。彼らは木の枝の間で取っ組み合いをして遊ぶのだ。「Rupertは跳ね回ってEllaに挑戦し、彼女はそれを進んで受け入れます。そしてRupertは彼女の肘に噛みついていくのです。」とLongmanさんは言う。「彼は困りものなのです。Ellaが控えめでまるで小さなお姫様であるのに対して、彼は本当に型破りなのです。私はたいてい孤児の担当なので、母親たちとともにいる彼らの姿を見られるのは本当に素敵なことです。」
AinsleeとRupertが寄り添って寝る夜もある中、12か月のRupertは他の枝で母親から離れた夜を過ごし始めている。しかしLongmanさんによると、もし彼が怖い思いをすると「彼は走って戻ってきてAinsleeの上に飛び乗る。」のだそうだ。
LongmanさんはRupertが独立して野生において一人で生きることができるようになるまで、この二匹を戻すのに数か月待ちたいそうだ。子供は通常18か月で母親から離れる。Longmanさんは彼らの野生復帰に対して複雑な心境である。法律ではコアラを戻す際、救出されたところから5㎞圏内に戻すことが定められている。Longmanさんによると、2匹の救出されたところから5㎞圏内の場所はとても乾燥していて葉の質が悪く、彼らに負担をかけることになってしまうそうだ。「私は、彼らが戻されるのはとても素晴らしいことだと思うのです。でもそれは同時に恐ろしいことでもあります。」と彼女は言う。「彼らが来たところは、もう何も残っていないのです。」彼らの野生復帰に対する準備のため、LongmanさんはAisleeへのサプリメントの投与量を減らし始めた。しかしAisleeの健康は急激に悪化してしまったようだ。「彼女はもう少し時間が必要なのです。」とLongmanさんは言う。
<感想>
オーストラリアの山火事について連日悲しいニュースが多かった中、救出されて元気に育っているコアラの存在を知りとても安心しました。このような大規模な山火事が起きたにもかかわらず多くの動物を救出できているのは、もともと動物に対する法律や医療体制が整っているオーストラリアならではだと思います。日本でも災害時に備えて野生動物を保護できるように、少しずつ整備をしていくべきだと思いました。