オーストラリア南海岸の絶滅の危機に瀕したクジラの産子頻度が低下していると研究が示している 2023年2月1日
2023/02/01
『Endangered whale species off Australia’s south coast is calving less often, study shows』(英文PDF)
The Guardian
Australian associated press
2022年09月03日
担当:Y.K.
【要約】
ミナミセミクジラに関する数十年間にわたる研究は、出産頻度が通常の3年に一度から、4から5年に一度に上昇したことを明らかにした。
数十年間に渡る研究プロジェクトは、オーストラリアの南海岸沖で見つかった、絶滅の危機に瀕したクジラの産子頻度が減少していることを明らかにした。
ミナミセミクジラは通常3年に一度子供を産むが、カーティン大学による研究がクジラの多くが4から5年に一度子供を産むことを発見した。
「出産間隔の長期化は気候変動と回復率の低下と関係する。」と研究の主導者であるClaire Charlton博士が述べる。
「気候変動や人間の行動が現在進行中の生存にどのような影響を与えるかを私たちが理解することが重要である。」
オーストラリア南海岸沖の個体数を追跡するため、30年間以上に渡り研究者たちは毎年ミナミセミクジラの研究を行ってきた。
カーティン大学の研究はMinederoo Foundation(オーストラリア最大の慈善団体)、Yalata Anangu Aboriginal Corporation(南オーストラリアの先住民を支援するチャリティー団体)やその他の団体の共同の結果である。
ミナミセミクジラはかつてオーストラリア南部の海洋において数多く存在していたが、1800年代の捕鯨により個体数は急激に減少した。
保護活動は、絶滅の危機に瀕したクジラのオーストラリアにおける個体数を約3000頭にまで急増させたが、Charltonはクジラを保護するためにはより多くの保護活動が行われるべきであると述べた。
「クジラの個体数への重要な脅威は、生息地の破壊や水中の雑音、船や量子もつれからの衝撃であると知られている。」と彼女は述べる。
「時間をかけて新しい生息地へのクジラの拡大と引き続きの回復を確実にするため、私たちは法的保護を含め、できること全てをしなければならない。」
1991年に調査プロジェクトを開始したSteve Burnell博士は、Minderoo Foundationや他の団体からの進行中の財政支援が、数年間のクジラの行動観察を確実なものとするであろうと述べている。
「長期間に渡るミナミセミクジラの研究は、壊れることなく年々増える30年以上の記録は国内および国際的価値を持ち、ユニークで他に代わりのないものである。」と彼は言う。
「それは、オーストラリア海洋公園ネットワーク全体へこの絶滅危惧種の保護管理について知らせることと、ミナミセミクジラが頼る海洋生態系を理解するために重要である。」
【感想】
数十年間に渡る研究は非常に貴重だと感じた。お金を払っても過去に戻ることはできないので、お金をかけて確実に研究を進めていくことが重要だと感じた。オーストラリアでは海洋生態系を守る慈善団体や支援する団体が多くあることも知ることができました。