ヘアリーノーズド・ウォンバットの数はクイーンズランド州で300匹にまで増加した 2021年11月23日

      2021/11/23

『Hairy-nosed wombat numbers grow to over 300 in Queenslad』(英文PDF)

 

Australian Geographics APP 2021年5月4日

 担当:S.K.

<<要約>>

保護団体によると,クイーンズランド州で最も絶滅の危機に瀕している哺乳類の数が300を越え,大きな節目を迎えた.1980年代初頭にノーザン・へアリーノーズド・ウォンバットが初めて調査された際,クイーンズランド州で発見されたのはわずか35頭だった。

ノーザン・ヘアリーノーズド・ウォンバットは1992年にクイーンズランド州の自然環境保全法1992により絶滅危惧種に指定されたが,連邦環境保護・生物多様性保全法1999では全国的に絶滅寸前種に指定され、ノーザン・ヘアリーノーズド・ウォンバットのカテゴリーは,国際的な基準に沿うように変更された。

現在,DES(クィーンズランド環境科学庁)は2カ所に315匹のウォンバットが生息していると推定しており,彼らはウォンバットの生息地をさらに特定して個体数を増加させようとしている。

この小さな生き物は,クイーンズランド州中央部のエメラルド近郊に位置しているエピング・フォレスト国立公園や,セント・ジョージ近郊のムーニー地区でよく見られる。しかしながら,ニューサウスウェールズ州のリヴァリーナ地域では,遺骨が発見されている。DES(クィーンズランド環境科学庁)の広報担当者であるデーヴ・ハーパー氏によると,干ばつや捕食動物などの問題で,ウォンバットは40年前に絶滅の危機に瀕したという。

 

「経時的に彼らの数が減少した原因は,長期間に及ぶ干ばつと外来種の草食動物のせいでしょう.」と彼は述べた。

「ウォンバットは巣穴を離れることができないが、羊やウサギといったほかの動物たちはその地域の植物を食べ尽くした後、ウサギは生息数を減少させたり、羊は生息地を移動したりする。そして、巣穴の周辺にはウォンバットの食べる植物は何も残らないのです。」

「たしか2000年以降,捕食者,主に野犬から守るためのフェンスがエピング・フォレストの敷地に設置されました」

「恐らくそれがエピングフォレストの小さな区域でウォンバットの個体数の減少が元に戻っていた理由でしょう」

その小型の哺乳類にとって繁殖は困難なことであるが,もしウォンバットが適切な環境下にいればそれはより簡単なことになるとDES(クィーンズランド環境科学庁)は述べた。

「もし彼らの生息地がまさにここであれば,彼らは優秀なブリーダーであり,自らの力で繁殖するでしょうから,彼らは経時的に少しずつ増加していくだろう」とハーパーさんはオーストラリアAP通信に述べた。

「約18ヶ月すなわち2年間という長期的なサイクルで,彼らは繁殖して子供を産むことが出来ますが,1度に産むことができるのはたった1匹です」

 

ヘアリーノーズド・ウォンバットは近絶滅種に分類されているため,DES(クィーンズランド環境科学庁)はクイーンズランド政府,グレンコア,ウォンバット基金,地主およびボランティアからの支援を受けている。

ウォンバット基金はとくにノーザン・ヘアリーノーズド・ウォンバットのために設立され,彼らはDESと提携してプロジェクトを支援している。

5月11日にはヘアリーノーズDAYを開催し,財団の継続的な活動に対する認知度向上と資金調達を図る予定だ。

<感想>

ウォンバットは,今回の記事に登場しているノーザン・ヘアリーノーズド・ウォンバットの他にも,コモン・ウォンバットやサザン・ヘアリーノーズド・ウォンバットという種もいます.ただ,その中でもノーザン・ヘアリーノーズド・ウォンバットは2つの小さな個体群がクイーンズランド州に残っているだけで,絶滅の危機に瀕しているということなんですね.それでも保護努力のおかげで経時的に個体数が増加しているとのことで,大変嬉しく思います.ずんぐりむっくりして可愛いウォンバットの姿をこれからも見続けられるように,保護活動を応援していきたいです.

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