News Letter Vol.21 2020年 5月号

      2020/11/02

NEWSLETTER 2020年5月 Vol.21に掲載された記事の中から、「野生馬とオーストラリアンエコシステム」の記事をご紹介します。
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野生馬とオーストラリアンエコシステム2

こんにちは、AJWCEF スタッフYuko です。今回はオーストラリア野生馬の第2 弾、 Brumby(ブランビー)と呼ばれる野生馬がオーストラリアの生態系にどのような影響を与えているのか、一緒にみていきたいと思います。

さて、ブランビー達が群れでどのように行動していくのか、皆さんご存知ですか?ブランビー達は野生下、また家畜化されても通常、社会性のある群れで生活する動物です。野生下では主に2 種類の群れに分かれて生活するんですね。
①オス馬1 頭とメス馬1-3 頭、またその仔馬で形成されるファミリーグループ
②オス馬のみで形成されるバチェラーグループ

馬はHierarchy(ヒエラルキー)のある動物です。 ファミリーグループ内のオスの子馬が2 歳ぐらいまで成長するとそのグループの長である種馬(スタリオン)によって追い出され、バチェラーグループへ住処を移してメス馬を探すようになります。このオス馬達がメス馬を見つけ出す=他のオス馬と対等に戦ってメス馬を勝ちとれる5 歳ぐらいまではバチェラーグループで下積み時代を過ごします。 ファミリーグループにいるメス馬達は3歳ぐらいまで母馬と共に行動しますが、その後は初めて交配するオス馬とファミリーグループを形成します。
ファミリーグループは飲み水・牧草が年間を通して豊富な地に定住する傾向がありますが、バチェラーグループは群れで活発に移住する傾向があり生息地の環境によっても行動範囲は異なるのですが、平野の砂漠地帯だと大体、88 ㎢前後という記録があります。
• 人里におりてきて牧草地を荒らす
• 一定場所の牧草を一気に、なくなるまで食い荒らしてしまうので土壌の浸食を起こす引き金になる、植物の生存に必要な水路を破壊してしまう
• 野原に有害な雑草だけが残ってしまう
ウマは皆さまもご存じのように草食動物ですね。1 日の4 分の3、約18 時間草を食みながら遊牧民のように移動しています。1 日に食する草の量は体重の2-2.5%ですので体重400 ㎏の馬が1 日に食む量は約10 ㎏前後、また飲み水は1 頭につき45Lが目安になります。柔らかい青草、若葉や茎を好む傾向があり、好みの草を求めて1 日に50 ㎞範囲内をさまよいます。
100 頭の群れが同時に草を食んで進んでいくことを考えるとその地域の生態系へ与える悪影響は計り知れないものかもしれません。

では次に本題に入りましょう、オーストラリア特有の生態系にブランビー達がどのような脅威・悪影響を与えているのでしょうか。 群れで生活することにより、一か所に頭数が多ければ多いほど生態系への被害は集中してきます。
• 集団で農場地帯を移動する際にフェンスやパイプ、水路を壊してしまう
• 集団で野生馬たちが移動する際、肢踏みによる土壌への圧迫から土壌内のエアスペース(空気のたまる部分)が圧縮され、水分を保存するスペースがなくなる =植物の生存が難しくなる
• 食した植物の種や芽、雑草が体内に入り、移動中に排泄物としてまき散らされる、また馬のたてがみやしっぽに付いた雑草も一緒に移動させ、もともとは必要のない、到達できない場所に落とされその場の生態系を乱す可能性がある (ただその反面、雑草を分散できるメリットもあり、野生種が生き残れるようになる事実もあるそうですよ)。

以上、これら原因で自然環境のバランスを壊し生態系へ悪影響を与えてしまいます。このような被害は馬が飲み水や餌を求めるほど、歩き回る距離が長くなるためこの影響は干ばつがひどい時に顕著に表れます。

それでは、次回に続きます!

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