クイーンズランド州最北部において、母ワラビーの死をきっかけに動物虐待捜査が開始
英文: Mother wallaby death sparks animal cruelty investigation in far north Queensland
記者: Conor Byrne
発信元: ABC News
記事発信日:2026年1月2日
翻訳者:M.K
※ご注意ください※
この記事には、動物虐待に関する記述と画像が含まれています。
写真注釈 2020年撮影。スナイロワラビーは、クイーンズランド州の最北部に生息している。(撮影:ABC Far North シャーニー・キム)
要約
野生動物の保護活動家によると、ワラビーの母親が標識支柱に縛り付けられた上に袋の中に空き缶が詰め込まれた状態で発見され、その後その赤ちゃんも安楽死せざるを得なかったという。
ボランティアによると、その赤ちゃんは当初、この「恐ろしい」試練を生き延びたものの、頭部に怪我を負っていたとのことだ。
対応
この件は警察およびクイーンズランド州環境局に通報されており、両機関が調査を行っている。
記事本文
野生動物保護活動家が、柱に縛り付けられ、口にタバコ、お腹の袋に空き缶を詰め込まれた状態で母ワラビーが亡くなっているのを発見し、その後袋の中の赤ちゃんも安楽死せざるを得なかった。
クイーンズランド州北部のケアンズ南西に位置するティナルーで悲惨な事態が発覚した。その後、母親の袋の中から、頭部に負傷を負いつつも生きていたメスの赤ちゃんが発見された。
アサートンを拠点とする野生動物保護活動家のジュリア・ハワード氏(スナイロワラビープロジェクト所属)は、元旦にテーブルランドの道路脇を定期巡回しており、死亡した母ワラビーのそばに生き残った子供がいないか確認していたところ、この衝撃的な光景を目撃した。
元看護師であるハワード氏によると、母親の首に巻かれていたロープは「非常にきつく」結ばれていたという。
しかし、ワラビーが柱に縛り付けられた時点ですでに死んでいたのかどうかは判断できなかった。
写真注釈ハワード氏は、約4年間にわたり野生動物の保護活動に携わっている。(写真:本人提供)
「これは恐ろしいことです。たとえ母親が柱に括り付けられた時点で亡くなっていたとしても、このようなことをするのは許されません。」
「これを冗談だと思える人がいるなんて。しかも、袋の中に赤ちゃんがいるかもしれないと確認すらしなかったなんて。」
犯人が母親に対して行ったことにより、赤ちゃんは明らかにトラウマを抱えてしまった(心に深い傷を負ってしまった)。
ワラビーのトラウマ
ABC(オーストラリア放送協会 )は、首に巻きつけられたロープで道路脇の標識支柱に括り付けられ、口にはタバコを詰められ、袋の中からは黄色い空き缶が見えるワラビーの写真を入手した。
ハワード氏は死んだワラビーを発見することには慣れているが、4年間にわたり世話を続けてきた彼女にとってもこの事件は大変胸が痛むものであったと語った。
写真注釈シャイ・エイガー氏は、交通事故に遭ったスナイロワラビーの母親から赤ちゃんを救助することについて、さらなる啓発が必要だと述べている。
(写真提供:Inntronimagery (Instagram))
「ワラビーが車に轢かれた場合、頭部外傷であれ骨折であれ、かなり深刻な精神的苦痛を伴います。」
「他に目立った外傷はなかったので、もしかしたら恐怖で死んでしまったのかもしれません。通常は、動物が車に轢かれたのか、それとも犬に噛まれたのか判断することができます。でも、今回はそういった痕跡は全くありませんでした。」
当局による調査
「スナイロワラビープロジェクト(Agile Wallaby Project)」の創設者であるエイガー氏は、この件を警察および省庁(環境・観光・科学・イノベーション省(DETSI))に通報したと述べた。
クイーンズランド州警察は声明の中で、「警察はこの件に関するソーシャルメディアへの投稿や通報を把握しており、(地域社会への)さらなる聞き取り調査を行っている」と明らかにした。
「現在も捜査が続けられています。」
DETSIの広報担当者は、この件に関する情報を持っている人に対し、捜査のために情報提供を行うよう呼びかけた。
同担当者は、「ワラビーを含む在来の野生動物に危害を加えたり干渉したりすることは違法であり、重い罰則が科される可能性があります」と述べた。ワラビーはクイーンズランド州の「自然保護法(Nature Conservation Act)」に基づき保護されている。保護対象の動物を捕獲・所持した場合、最高で1万6,690ドル(約184万円2026年10月某日現在)の罰金が科される可能性がある。
写真注釈死亡したワラビーの画像。ティナルー近郊で、首にロープが巻かれ、袋に空き缶が詰められた状態で発見された。(提供写真、加工済み)
ジュリアさんは、2023年10月にも約40キロ離れたマリーバ近郊でも、標識支柱に縛り付けられたワラビーを通報したことがあると述べた。
「この地域では、在来の野生動物のためにさらなる努力が必要です。」
「私たちはこの事件に苛立っていますし、私たちの重要な救助員の一人がトラウマを負ってしまいました。」
活動継続を誓うケアラーたち
ハワード氏は、ケアラー(保護活動家)による救助がなければ、死亡した母ワラビーの赤ちゃんは脱水症状や熱ストレスで死んでしまうだろうと述べた。
この衝撃的な事件をきっかけに、彼女は野生動物の保護活動をさらに強化することを決意し、今後は毎日より早い時間帯に道路脇を点検したいと語った。
「この出来事は、私が活動を続ける原動力になっています。」
スナイロワラビーはクイーンズランド州の沿岸部でよく見られ、オーストラリアに生息する51種のカンガルー類(巨足類)の一種である。
過去1年間、クイーンズランド州最北部からは、頭に矢が刺さったワニが目撃された事例を含め、動物虐待に関する苦情が当局に寄せられている。
感想
この度は、草案の添削誠にありがとうございます。
前よりずっと滑らかな文章になったというのが第一印象です。また、翻訳時の登場人物の名前の表現の仕方(ー氏)も、非常に勉強になりました。
M.K.
※記事の翻訳はAJWCEF会員ボランティアによるものです。翻訳後、事務局スタッフが翻訳添削を行い、ボランティアの方に返却しています。オーストラリアの野生動物保護・環境保全に関する記事を英日翻訳をすることを通じて、日本の読者の皆様に日本ではなかなか知られていない情報の提供を行うとともに、参加ボランティアの方には翻訳を通じて英語学習の機会を提供しています。
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