最後の生存を確認されたタスマニアンタイガーの映像が4Kカラーでリマスタリングし、公開された 2022年1月4日
2022/01/04
『 Footage of last-known surviving Tasmanian tiger remastered and released in 4K colour』(英文PDF)
ABC News online
2021年9月07日
Selby Stewart記
担当:うた
【要約】
国際的な映画の着色化の専門家が、絶滅のわずか数年前に撮影された、最後の生存を確認されたタスマニアタイガーの映像を公開しました。
この動物の元の映像は、オーストラリアの動物学者デビッド・フレイ氏によって1933年に白黒映像で撮影されたものだったが、現在では海外で着色化され、本日ついにオーストラリア国立フィルム・サウンド・アーカイブ(NFSA)が公開した。
映像には、生存する最後のタスマニアンタイガーと知られるベンジャミンが、85年前の今日、彼らの絶滅が宣言される前に、ホバートのボーマリス動物園で囲いの中を歩く様子が撮影された。この映像は、絶滅の危機に瀕する動物や植物への関心を高める「National Threatened Species Day(全国絶滅危惧種の日)」に合わせて、NFSAが公開した。
カラー化の“丹精込めた作業”
NFSAによると、タスマニアンタイガーのオリジナルビデオは12本程しか存在せず、かつそれらはモノクロの無音映像で約3分にしか過ぎない。
NFSAのキュレーターであるヴィック・グウィン氏は、歴史を様々な方面から解釈することは主観性と個人の想像力を駆使する骨の折れる作業だと言う。
“多くの二次、一次レコードを利用し、タスマニアタイガーの驚くべき3Dレンダリングを見ることで、我々は歴史上の探偵の仕事を行い、色の再考ができるのです。"
この映像化に携わったカラーリングの専門家、サミュエル・フランソワ・スタイニンガー氏によると、この種の映像は保存されていないため、専門家はトラの毛並みについて書かれた説明書を参考にしていたと言う。
また、彼は“その本にある記述と科学的な図面、さらに最新の3Dカラーレンダリングを組み合 わせることで、タスマニアタイガーの毛皮がどのようなものであるかを明確に理解することができました。”と言った。
“私はこれまで、100本以上の記録に基づくのドキュメンタリー映画やシリーズを手がけてきましたが、いずれも非常に複雑なものでした。”
“タスマニアタイガーにおいては、これまでとは異なる種の挑戦と責任に直面しました。貴重な映像を慎重に扱い、かつ85年前に絶滅した種の最後の代表者である彼に敬意を払わなければならなかったからです。”
‘真の希少な種’を撮影した映像
タスマニアタイガーは絶滅前の最大の肉食有袋類で、ヨーロッパ人の入植時には約5,000頭が生息していたと推定されている。
彼らが絶滅した原因としては、ディンゴの数の増加や海面かの上昇など、いくつかの説が挙げられている。
タスマニアタイガーは約1世紀前に絶滅したとして扱われているが、タスマニアタイガーが未だに存在することを上手くいかずとも証明しようとする人たちもいる。
グウィン氏は、今回の映像は、彼らが姿を消す前にいかに希少であったかを強調するものだと語った。
“多くの人は、この素晴らしい動物が、ホバートの非常に簡素なスラブ床の囲いのような場所を歩き回る映像をよく知っているだろうと思います。”と彼女は言った。
“ベンジャミンは、飼育されながらこの囲いの中を歩き回り、犬のような親しみのある引っ掻き方をしたり、少しハァハァしたり、よく知られる威嚇のあくびをして、顎を大きく開き、その驚くべき開口量を示しています。“
"彼らの顎だけを見ても、当時本当に珍しい種であったことがわかり、今では絶滅してしまったのが残念です。"
【感想】
今回初めてタスマニアタイガーに関する記事を読みました。絶滅危惧種に興味がある私にとっては、このように今は見られないタスマニアタイガーのリアルな映像を見られたことは非常にわくわくしました。それと同時に、現存する絶滅危惧種もそうでない種も、私たちが見るためだけに関わらず、生態系を崩さないためにも絶滅は絶対にさせたくないと思いました。最後のタスマニアタイガーの生存者であるベンジャミンから学んだことが現代に生かされてほしいと強く思いました。