ミルクのボトルを求めて、毎週マキンタイアー動物保護施設に帰ってくるカンガルー2021年10月12日
2021/10/12
『 This kangaroo returns to McIntyre Wildlife Shelter each week – for a bottle of milk』(英文PDF)
ABC Central Victoria
2021年7月21日
Sarah Lawrence記
担当:うた
≪要約≫
マキンタイアー動物保護施設のデニス・ブリッジェス氏は、17年間にわたり、数百ものカンガルーの救護、野生復帰を行ってきた。けれども、ある一匹のカンガルーは常連のリピーターとなった。
オオカンガルーのケンダは、ミルクのボトルを求めて毎週のように施設に立ち寄っては自分の前足を使って哺乳瓶からミルクを飲みます。
2018年、ケンダは車にはねられて死んでしまった母カンガルーの育児嚢の中からわずか3キログラムの子供として救助された。
“ほとんどの動物が戻ってくることはありません。しかし彼女は例外です。”ブリッジェス氏は言った。
“彼女は、最初の頃は今よりもっと頻繁に戻って来ていました。”
“私は、いつもバックパッカーを泊まらせるのですが、彼らも彼女のことを知っていきました。”
“そして彼らは、新たなバックパッカーにもしも彼女を見たら、ボトルを渡して良いことを伝えます。”
“カンガルー用のミルク”を求めてホッピング
“人懐っこく可愛らしい”ケンダは、“ソフトリリース(つまり、臨機応変に対応しながら自然に戻す事)”されるまでの14ヶ月間をベンディゴの北西にある野生動物保護施設で過ごした。
“彼女は地元で発見されたから、その環境へ戻ることができます。”と、ブリッジェス氏は言った。
“つまり、私が野生環境への門を開くと、彼らはこれ以上戻らなくても良いと思うまで、好きなように出入りできるのです。”
ブリッジェス氏が言うには、野生動物はいつも集団で放たれるようだ。
“施設の庭には、動物たちが野生環境で苦闘した時のための食料や水、避難場所があります。”彼女は言う。
それ以来、ケンダは少なくとも週に1回、特別な‘roo milk’を求めて訪れては自分の手で飲んでいく。
“彼女は賢明です。彼らが自分でボトルを支えてミルクを飲む事は珍しく、普通はボトルを落としてしまうのですから。”と、ブリッジェス氏は言った。
その特別なミルクは20kgにつき400ドルかかる。しかし、彼女が言うには1セントの価値もないそうだ。
“私は、我々の固有の野生動物は酷い目にあっているのだと本気で思います。”
“今やカンガルーたちはペットフード用の肉として殺されています。。―――うんざりしてしまいます。”
ケンダ、君かな?
ブリッジェス氏は、なぜ毎回訪れるカンガルーがケンダだと確信できるのかについて尋ねられた時、毅然とした態度で答えた。
“彼らには個性があるのです。”
“毎日彼らを見ていると、どれが誰なのか見慣れて、どのような顔をしているかも分かってきます。”
ケンダはまた、子供と一緒に戻ってきてかつての飼育員を喜ばせたのだ。
“彼女が今も元気でいることがわかるのは素晴らしいことです。”ブリッジェス氏は言った。
“彼らが保護施設で育てられているのは、野生に戻り、通常の生活を送れるようにするためなのです。”
【感想】
保護されたカンガルー、ケンダと人間の信頼関係を感じられた心が和む文章でした。保護された野生動物が自然復帰できた後も、定期的に自ら施設に戻ってきてくれるようなことがあるのには驚きました。
また、記事を読んで私たちの生活は野生動物と隣り合わせであることを再確認し、事故に巻き込まれる動物が1匹でも減ってほしいと強く感じました。