障害者教育における馬の役割 2021年8月17日
2021/08/17
『How horses are helping children with disabilities learn』(英文PDF)
ABC News Online 2021年5月9日
Tamara Glumac記
担当:yuk
≪要約≫
馬は、ミア・スローアンが世界とかかわる能力に変化をもたらした。
11歳のミアはダウン症で、発言することや文章をつくることに苦労していた。
しかし2年前にタスマニアの南東に位置するマリオン湾の馬の群れを紹介され、彼女の世界は良い方向へ変化していった。
「馬に乗っていると、彼女はまさに怖いもの知らずだ。」ミアの母、クラリサ・リアリーは言った。
「私たちがコミュニケーションを取ろうとしていた時と比べて、彼女の自信は一歩先のステップへ進んだ。彼女は誰からも理解されないことから、とても怒ったりイライラしていたのだ。」
「しかし驚くことに乗馬中は、『馬に乗れるよ』という文章を発しながら馬に乗ることができる。」
ミアは”トゥルートレイル”という、読み書き・計算・乗馬を教える乗馬療法プログラムに参加する障がい児50人のひとりである。
学習環境は5頭の馬を中心に乗馬場と黒板がある。
「基本的な部分には馬がいる。馬が学習者の仲間になるというのが乗馬療法での学びだ。」トゥルートレイルの創始者チェリ・アランビーが言った。
「競技場の周りに乗馬環境と黒板があれば、読むことが嫌になった子供たちはすぐに馬に乗り、体を動かすことができると気づいたのだ。
「乗馬の動きは脳を刺激するという研究結果がある。」
子供たちと馬と学習のつながりを見ることは親に大きな影響力を与えると、アランビー氏は言う。
「この結果は、親が何年も待ち望んでいた結果だ。」ともアランビー氏は言う。
全ては山火事から始まった
トゥルートレイルはダンナリーの山火事後、2013年に寄付で始まった。
「山火事でみんなが離れ離れになった後も若者が繋がれるようプログラムを運営している、復旧のための乗馬プログラムなのだ。」アランビー氏は言った。
「悩んでいる学習者への思いやりを持つというアイデアが降ってきて、それを馬術と結び付けた。」
16歳のリアノンは自閉症で視覚障害のため読むことが難しかった。
「プログラムを始めてから、リアノンは人生で初めて自宅で自分の目を使って喜びながら小説を読んだ。」
馬は落ち着きと自信の形成を助ける。
「馬は幸せな場所だ、彼女は人に話すよりも動物に話すことが多い。」リビーは言った。
「周りと違ったり、違うと感じる子供には、自分は優れているのだと感じることができる場所を持つことがとても重要なのだ。」
10歳のシーン・アンドリューは自閉症で、プログラムを始めるまで”読み書きを苦手”としていた。
「1対1での読み書きの補助を得る事において、私は、学校から協力を得るのに何年もの間悪銭苦闘していた。」彼の母のベス・アンドリューは言った。
「トゥルートレイルでなければ、彼はきっと読みの能力は小学1年生レベルだった。しかし今、彼は3~4年生レベルの読みの能力を持ち、5年生になった。」
「トゥルートレイルが与えた影響は学習能力だけではなく、身体的にも効果があり、大きな自信となった。」
動物がギャップを埋める
乗馬療法を含む動物療法は発展中の分野である。
ウェンディ・クームは直接サービスを提供することを目的に、3年前”Animal Therapies”を設立した。
このチャリティーには現在250の協賛者がおり、動物にはトカゲや鶏からアルパカや馬が対象である。
「言葉の発達が遅れている子供の親から特によく聞く話の一つは、初めて子供が言葉を発したのは動物に対してであるということだ。」クームさんは話した。
「自閉症の人々はジェスチャーで動物とかかわることができるという研究が多く存在する。自閉症の人の中には、アイコンタクトを維持することが難しいということが分かる。」
「動物療法はセラピストとセラピーを受ける人のギャップを埋め、彼らがセラピストと良い関係を築き、より良い結果を得る手助けをするのだ。」
<感想>
特にコミュニケーション面において、動物と人間の不思議を感じさせられる記事であった。
人間同士、その中でも絆が強いと言われている家族同士でのコミュニケーションが難しい状態でも、それを可能とする動物の不思議。
言葉を発する初めての相手が動物であるという不思議。言葉というのは人間同士のコミュニケーションツールだと考えていたので、初めての言葉が人間に対してでなく動物に対してという事例が多くあるということに驚いた。
この記事より、言葉は人間が互いにコミュニケーションをとるためだけでなく、一方的に自分を表現する方法の一つかもしれないと考えた。