ガリ島(フレーザー島)にて子どもを攻撃し、刺傷されたディンゴがレンジャーによって安楽殺された

      2025/11/17

英語記事 202506-Rangers-euthanase-stabbed-Kgari-Fraser-Island-dingo-that-attacked-child

Lucy Loram記 ABC 

オーストラリア放送協会

2025年5月24日

担当Jomiy 

写真注釈ガリ島ではディンゴは文化的および生態系的に重要な存在であり、保護動物種である

レンジャー(自然保護官)は、「ガリ島にて、ディンゴが子どもに噛みつき、その顎から子を解放するためにポケットナイフでディンゴが刺されました。ディンゴは、一日かけた捜索の後、人道的に安楽殺されました。」と語った。

地域の代表者は、この攻撃を『残念な教訓』と呼び、世界遺産に登録されているこの島を訪れる際は、手の届く範囲に子どもを留めておくように注意を促した。

当局は、金曜日に9歳の少年がガリ島中央東海岸のイドニ―ロック付近のキャンプエリアにいたところ、腕を噛まれたと発表した。現場近くにいた通行人が少年の救助のために駆け付け、ディンゴを少年から離そうとしていた、と複数の目撃者がレンジャーに報告した。

クイーンズランド公園野生生物局(QPWS)のレンジャーであるマーク・コディ氏は、男性がポケットナイフを取り出し、少年への攻撃を止めるためにディンゴの首を刺したと報告されていると説明した。

「我々が現場に到着した際、そのディンゴは当初、生気のないように見えましたが、目は開いていました。」

「レンジャーらがビーチにいた人々を誘導している間に、他のスタッフは負傷したディンゴに人道的な処置を施すための薬を持ってきていたが、その間にディンゴはさらに茂みの奥へと移動してしまいました。」 その後、レンジャーがディンゴを発見し、人道的な安楽殺を行ったと、土曜日の午後に環境局の広報担当者が語った。

写真注釈ディンゴによる攻撃後、救助船が子どもを島の外へ搬送した

ガリ島では、ディンゴは保護動物種であるが、子どもを守るために行った行為であるため、ディンゴを刺した男性が起訴されることはないだろうとコディ氏は言った。 少年は軽症を負いハーベイ・ベイに運ばれた。

子どもをそばで見守って

先住民は、ガリ島では親は常に子どものそばにいて、決して一人で行動させないようにと注意を促した。

写真注釈レンジャーと先住民らは、攻撃を受けないために、子どもは常に大人から離れてはならないと述べた。

この島でディンゴレンジャーとして働いていたブッチュラ民族(Butchulla)の代表者のダレン・ブレイク氏によると、このような事件は必ず防ぐことができる。「この事件は双方にとって良い知らせではありません。私の心はその少年に寄り添っています。彼はこのような経験をする必要はありませんでした。そのワンガリ(Wongari、当先住民族の言葉でディンゴを指す)は究極の代償を払いました。親としてあの島に行くときは気を抜くことはできません。決してリラックスなどすることはできません」とブレイク氏は語った。

「私自身も親であり、ディンゴの目が常にこちらを見ていると分かっているので、身の毛がよだつ思いがします。だから私は常に警戒しているのです。」

写真注釈先住民らは、キャンプ場や集団の周りをうろつくディンゴを追い払うよう、訪問者に呼びかけている。

ブレイク氏は訪問者に対して、キャンプ場をうろつくディンゴを棒で追い払うよう呼び掛けた。「ディンゴたちは、飢えているわけではありませんが、狩りをし、腐肉を漁る生き物です。だから、チャンスがあればすぐにその機会を利用します。誰もが適切に対応してディンゴを寄せつけないようにしなければなりません。自分の周りをうろつかせてはいけないのです。」と彼は言った。

ディンゴに関する安全教育

フレーザー・コースト市の副市長サラ・フラージ氏は、キャンパーや日帰り観光客に対して「もしこの島のディンゴについて心配なことがあれば、レンジャーに相談してください。島に来る人々ができる限りの教育を受け、リスクを理解することがとても重要です。」と言った。

写真注釈フレーザー・コースト市は、訪問者にディンゴに関する安全についてレンジャーに積極的に相談するよう呼びかけた。

「道路を渡るときに子どもの手をつなぐときと同じように、子どもが一緒にいるときは最大限の注意を払わなければなりません。」

クイーンズランド州政府は、事件が起きたエリアでのレンジャーによるパトロールを強化し、観光客に対してディンゴの安全対策についてレンジャーが説明を行ったと発表した。

感想

ディンゴが人を攻撃する理由の一つとして、餌付けが挙げられている。そのような人と動物の双方に危険が及ぶ無責任な行動を減らすためにも、正しい動物との関わり方を広く周知することが非常に重要だと感じました。(Jomiy)

 

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