都市の拡大化が進む中でコアラ保護のバランスをみるために新たな国立公園を設立したニューサウスウェールズ州(NSW)政府 2023年12月11日

      2023/12/11

『NSW government to set up new national park as it looks to balance koala protections with urban sprawl』(英文PDF)

ABC Illawarra
Tim Fernandez and Myles Houlbrook-Walk記
2023年9月22日

担当:Y.A.

【要約】

NSW政府は都市の拡大化の脅威の元で州で最後の健康的なコアラの集団の一つの保護を強化するために、シドニーの南西の国立公園に資金を供給していた。州政府はコアラ保護のために、ジョージズリバーコアラ国立公園の設立のための最新の予算である4300万ドルを含めて8000万ドルを使う予定である。

労働党が州選挙前に約束した国立公園は1000haの公有地を含むジョージズ川沿いの1830haをカバーする。繰り返しコアラの死亡事故を起こしている2つの現場を含むこの地域内の3つのコアラが横断する場所でもまた、2600万ドルの費用が充てられていた。
公園は、開発者らが16000件以上もの家の建設の承認を要求しているギルアードとアッピンの郊外に広がっている。
この地域は生息しているコアラの頭数が増えていて、州の中で唯一のクラミジアに罹患していないグループがあると考えられている。

NSW州のペニー・シャープ環境大臣が言うには、政府はコアラの生息地を守りながら住宅供給を増やすという圧力に面している。シャープ氏は“私は計画大臣と緊密に協力しています。彼には大きな仕事があり、政府は住宅建設に全力を尽くしています‘と述べていた。
“しかし、私たちはコアラの保護の重要性とのバランスも確実に確保する必要があり、どちらもできると考えている。”

 

環境法の見直し

コアラは、ニューサウスウェールズ州を含む複数の州や準州で絶滅の危機に瀕しており、生息地の分断は、この象徴的な種にとっての重要な脅威のひとつである。
去年、前政府は環境保護を確保しながら開発者らがシドニー周辺に住宅を建設し続けることを許可する枠組みとして、Cumberland Plain Conservation Plan (CPCP)を発行した。
シャープ氏はこの計画が約束した生物多様性の成果をもたらしているのかどうかを見直していると述べた。“前政府は私たちにとても複雑な計画を残し、その計画を全て確実に行うのはとても難しい。”と彼女は述べた。
“私たちはその計画を注意深く観察し、改善案を作ることができるかを検討している。”

環境大臣はコアラがジョージズ川とネピアン川の間を移動するための通路を含めた慎重な土地区画においてギリアードで3300戸の住宅を建設するという計画もまた見直すそうだ。開発の提案者であるレンドリースは、この地域はNSW主任科学者のコアラ保護についてのアドバイスを満たすだろうと主張しているが、環境保護団体や投資家はコアラの通路の広さに関する詳細が欠如していることに懸念を示している。
4月に、キャンベルタウン市議会は、バイオ認証のためにこのプロジェクトをニューサウスウェールズ州計画環境局 (DPIE) に付託した。

シャープ氏は局のアドバイスが卓上に届き次第、注意深く見直すと述べた。
“私の環境大臣としての優先事項は可能な限り通路を保護することで、それは私たちが取り組むことである。”と彼女は述べた。
“ギリアードの開発とCPCPに関するプレッシャーは私たちが注視していることで、入念に対処しなければならない。“

前計画責任者の開発者への参加

ニューサウスウェールズ州計画局はまた、マイケル・カッセル前長官が辞任直後にプロジェクトの開発会社ウォーカー・コーポレーションに入社し、アッピン開発区画整理の承認への関与を検討している。

シャープ氏は政府には計画プロセスが非難される余地のないものである確実なものとする責任があると述べていた。

“私たちは計画プロセスに整合性があることを確認する必要があり、計画大臣はその点に非常に重点を置いているのは承知している。”と述べていた。

“私たちは政府がつくるあらゆる決定が公共の利益のために行われることを確認する必要があり、それがこの政府が焦点を当てていることである。”

【感想】

 NSW州のコアラに関する記事であったが、私が最初に“NSW州”で思い浮かんだのは、2019年のNSW州での大規模火災である。火災により多くのコアラが犠牲になったと知った。記事中に、“コアラの生息地を確保しながら住宅地の開発も進めていく”というような記述があったが、住宅地がコアラの生息地、森林に侵入していけばそれだけ人為的要因による火災が増えてしまうのではないか。

 

 

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