オーストラリアの「恐竜」鳥、恐ろしいヒクイドリが、絶滅に向かっている。2024年6月6日
2024/10/03
Australias-‘dinosaur-bird-the-fearsome-cassowary-stares-down-extinction(英文PDF)
Agence France-press South China Morning Post
Laura CHUNG記
2024年6月6日
担当:M.S.
【要約】
絶滅の危機にあるヒクイドリは、「キーストーン種」であり、生物多様性を保つために重要な役割を果たしている。もし彼らが絶滅してしまえば、熱帯雨林が危機に陥ることになるだろう
ヴェロキラプトルのような肢とよく目立つ蛍光色の青い首を持っていることで、ヒクイドリは、オーストラリア北東部の熱帯雨林において、恐るべき存在を与えている。
この人間サイズの鳥と、彼らの刃物のように鋭い10cm(4インチ)の爪は、離れたところで称賛するのが最善である。
「ヒクイドリは現代の恐竜なのです。」と、絶滅の危機にある鳥を保護する団体の代表であるPeter Rowelsは言う。
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彼らは非常に縄張り意識が強く、縄張りが脅かされたときにはシューっという音をたて、深いゴロゴロという音をとどろかせる。
「初めにヒクイドリと目があったとき、彼らは大きな目でまっすぐ見つめてきて、さらに少し強面であるため、恐ろしいと思うかもしれない。」とRowelsは言う。
これらの飛べない鳥は、オーストラリア、ニューギニア、そしていくつかの太平洋の島でしか見つかっていない。
オーストラリア政府は彼らを絶滅危惧種に指定し、野生に生息しているのは約4,500羽ほどであると推定している。
彼らは「キーストーン種」であると考えられており、それは彼らが熱帯雨林の中で生物多様性を保ち、植物の種を撒く手助けをするという上で重要な役割を果たしていることを意味している。
もしヒクイドリが絶滅すれば、熱帯雨林は危機に陥るのだ。
「我々は、もしヒクイドリを守ることが出来れば、他の多くの種が生きることのできる十分な生息地もまた守ることが出来ると考えているのです。」とRowelsは説明した。
彼の団体は、立つと1.5mあり、重さは75kg(165pounds)にもなり得るこの恐るべき鳥を守るために、できることをしている。
例えば、運転手に速度を落とすよう促す標識を作ったり、自然の生息地を守るためにより適した道路の再設計をしたり、怪我をしたヒクイドリのための病院を経営したりしている。
ヒクイドリによって主な脅威となっているのは、車による接触事故、自然の生息地の消失、犬による攻撃、そして気候変動である。
「ヒクイドリは、適切に扱われているときは攻撃的ではありません。」と、ヒクイドリによる死亡例を2つ挙げてRowelsは言った。
若いオーストラリアの少年は、1926年、ヒクイドリを追いかけまわした後、頚静脈を切断されたのち亡くなった。一方フロリダの男性は、ペットであったヒクイドリに攻撃されて亡くなった。
過去300年の間に、約100種のオーストラリア特有の動物又は植物がこの地球から消えてしまった。
WWF(世界自然保護基金)
によると、この絶滅の割合は、増加傾向にあるという。
「やらなければならないことが大量にあるのに、重大な影響を与える資源が足りない」とWWF Australiaでチーフ保護役員を務めるDarren Groverは言う。
「オーストラリア政府の絶滅危惧種のリストには約2,000種が指定されており、またその数は年々増加している」と彼は加えた。
脅威には、気候変動や生息地の減少、外来種の存在が含まれるとGroverは言う。
オーストラリア政府は、象徴的であるヒクイドリ、そして多くの他の種を保全するための国家の復興計画を進めており、先住民族や保護団体とも共に活動している。
多くの国の保全に関する努力は、キーストーン種を守ることに重きを置いているが、これは1960年代に動物学者らによって提唱された概念である。
Groverは、資源が限られているとき、生息地において他の動物にも影響をもたらすため、これが一番良い方法であると言っている。
しかし、この戦略は、オーストラリアの野生動物を十分に救うためにはある程度までしか効果を現さない可能性があると、彼は警告している。
「ヒクイドリは素晴らしい種であり、どこであれ、野生で出会うことが出来たなら、それは素晴らしいことです。」と彼は言った。
「しかし、彼らは本来気難しい鳥であり、大きくて力が強いため、注意しなければならず、また私たちは彼らに居場所を与える必要があります。」
【感想】
ヒクイドリは、オーストラリアを訪れた際に印象的だった動物種の1つでした。記事にもある通り、首の青い色がとても綺麗で、またハズバンダリートレーニングにおいて、ぶどうを好んで食べていたのを覚えています。
そんなヒクイドリが絶滅危惧種に指定されており、人間の活動が大きな脅威になっていることを知り、心苦しく感じました。また、ヒクイドリがキーストーン種であり、個体数の減少が熱帯雨林の存続に大きな影響を与えることを知って、危機感を覚えました。
私達人間の安全と、ヒクイドリを始めとする多くの野生動物種、そしてその周りの環境の保全のために、野生動物の生態を知り、適切な距離を保ちながら活動することが重要だと感じました。