NEWSLETTER 2021年5月号 VOL 23

   

NEWSLETTER 2021年5月 Vol.23に掲載された記事の中から、「AJWCEF卒業生突撃インタビュー」の記事をご紹介します。
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AJWCEF卒業生突撃インタビュー

AJECEF は創設以来、野生動物保護を大きな生態系の観点から捉え“人と自然のよりよい共存” について考える機会を提供すると共に、日本では経験することの難しい有袋類や単孔類の保護や救護に関する知識の向上、野生動物の治療・リハビリなどの臨床及び豊かな海洋生物の生息する亜熱帯の海域において海洋環境・生物保護に関する知識の向上や、参加者の皆様が海外で安全に生活をするための基礎知識や実用英会話の向上も目的として、毎年、年に数回トレーニングコースを主催してきました。

トレーニングコースにご参加いただきました多くの方々の中では、このコースをきっかけにその後も野生動物保護や環境保全の活動に取り組んでいらっしゃる方もいらっしゃいます。その中でも今回は2014 年にAJWCEF 初級トレーニングコース(現在の基礎トレーニングコース)に参加され、その後、タスマニア大学に留学。この春に晴れて修士課程をご卒業されて日本へと帰国をされました田村樹理さんにお話を伺いました。


 

オーストラリアの自然と動物が大好きだった私は、大学2 年生の春休みにAJWCEF の野生動物保護トレーニング初級コースを受講しました。その時点で将来はオーストラリアで野生動物保護に携わることを決めていましたが、どのような形で渡豪するかはまだ悩んでいました。水野先生に「学士は日本で取るんだからオーストラリアで修士に進めばいいんじゃない?」と後押しされ、修士課程に進むことを決意しました。

私はこれまで行ったことが無く本土とは違った自然が見られるタスマニア州にある、タスマニア大学に進学することを決めました。オーストラリアには、3 年ほどかけて研究をするMaster by Research work と、1 年目は授業を受けて単位をとり2 年目は研究に専念するMaster by Course work という2 つの方法で修士号を取ることができます(コースや大学によって年数は異なります)。私はMaster by Course work を選び、1 年目は2 年生や3 年生と一緒に授業を受けて単位を取りました。1 つの授業はほとんどが、午前中に2 時間の座学と午後に3 時間の実習で構成されており、学んだことをアウトプットする機会が全ての授業でありました。2 年目の研究ではウォンバットの疥癬を研究している先生の下でウォンバットとカンガルーの競争関係について統計的に解析しました。


覚悟していたものの語学の壁は想像以上に高く苦労しましたが、オーストラリアで学ぶ生態学は新しく知ることばかりで、野生動物や環境に関して深く勉強することができました。大変なことも多いですが固有の自然のど真ん中で生態学や保全学を学んだことは私の環境問題に関する視野を広げてくれました。留学の大変なことや大きな壁の話はよく聞きますが、留学をして後悔したという人を聞いたことがありません。もし検討している方がいたらぜひ挑戦してほしいと思います。

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