2020年3月 体験談 (基礎)
2020/06/08
原賀 瞳 (社会人)
飛行機から降り立った瞬間のムッとした暖かいような暑いような気候と、空港で働いている人たちののびのびとした雰囲気に迎えられ、少し緊張しながら始まった初めて尽くしの2週間のオーストラリア、ゴールドコーストでの生活を無事に終えることができました。
AJWCEFのスタッフの皆様に通訳をしていただいたり、安全を確かめていただいたり、しっかりとサポートをしていただき感謝しています。また、トレーニングコースの参加者の皆さんや野生動物病院、野生動物公園で働く方達、動物との出会いにも感謝しています。
映像では見たことがあったコアラやカンガルー、そして初めて見る種類の動物であったディンゴやロリキートと間近で会ったこと。現地の人に助けられながら、バスや電車を乗り継いで目的地まで行ったこと。新しくできた友達と自由時間を過ごして色んな話をしたこと。ルームメイトと自炊を頑張って楽しく過ごしたことなど、初めて行く国で経験したたくさんの新しいことの一つ一つがとても楽しくて、とても素敵な時間でした。 研修中に学んだことで、野生動物が傷ついている主な原因の一つに「人間の生活によるもの」がありました。例えば、都市開発をする上で元からその場所に住んでいた動物の居場所を奪ったり、居場所を失って人間の生活する所に来た野生動物を物理的に車などで轢いてしまったり、家で飼い慣らされた犬などの動物が攻撃をしたりするというものです。また近年、気候変動が世界規模で大きな話題となっていますが、これも「人間の生活によるもの」が原因であるとされています。実際に野生動物に関わっている方の話を聞くことでより身近なことに感じ、他の生き物のことや環境のことを考えないでいれば、そのうちすぐに人間のせいで誰も生きていけなくなると、改めて危機感を覚えました。
オーストラリアの人たちは動物と共存しているという話を聞きましたが、実際にエコビレッジという所を訪れた際、野生のカンガルー達が私の歩いているすぐ向こう側にいて、人間と一緒の空間で生活していました。また、野生動物病院の啓発活動を通して、傷ついた野生動物を見かけた際には病院に連れてくるという共通認識が市民にあるようでした。動物虐待防止協会では動物にも権利があるということを発信されていて、実際に動物専用の救急車があったり、施設から動物を引き取る際には飼い主側が審査されたりします。また、動物に餌を与える際にも、単純にお皿に餌を置くのではなく、動物自身に頭を使って食べてもらうというやり方が実践されていました。
私は日本では自然のないところに住んでおり、集合住宅のルールで犬や猫などの動物の飼育も禁止されているので、私にとって自然や動物は身近なものではなかったです。従って、これまで「動物との共存」という考えに辿り着くことがなかったです。オーストラリアでは街で大型犬を散れて歩いている人を多く見かけました。また、動物に触れたことがないということは人々にとって考えられないことだそうです。それぞれの生きる環境によって、生活習慣や物事に対する考え方が異なることは当然だと思いますが、今回、これまで意識することのなかった考え方に触れて衝撃を受け、感動すると同時に、同じ地球に住んでいるのだから他の生き物のことを考えるべきだと思うようになりました。そして外に目を向け知らなかったことを知ることで、より良く正しい選択ができるようになると思います。
また、働いている方が皆生き生きとしていて楽しそうだったことも強く印象に残っています。実際に話を伺うと、この仕事が楽しい、ずっと続けていきたい、夢のような仕事だと仰っており、素敵だと思いました。
私もこれから興味のあることにはできる限り全て挑戦し、やっていて楽しいことや幸せになれること、環境に貢献できることを見つけてやっていきたいです。
小原 歩実(大学生)
今回、私はトレーニングコース基礎に参加しました。動物が好きなのに将来やりたいことが全く見つからずに大学を過ごし、何かないかと思った時にこのAJWCEFのトレーニングを見つけました。
今まで海外は行ったことがありましたが、全て家族に連れられて行ったものでした。なので今回のように自分の力で現地へ行き、現地で食材を手に入れて料理して、という1人の大人としての行動力を求められることが非常にわくわくしました。
到着の翌日から始まった研修は、園内の動物たちの世話や生態学、形態学、動物園学など様々な分野で盛り沢山でした。少人数のグループに分かれての研修は、他の参加者との仲が深まるだけではなく、やらせてもらえることが多くなり、気兼ねなくレンジャーさんに質問することもできました。
行く前は不安が大きく、やりたいこともないまま参加して大丈夫かなと思ったこともありました。しかし考えるよりまず行動すべきだ!と飛び込んだオーストラリアの地は、今まで行ったどの国よりも一番素敵な国でしたし、トレーニングコースも大満足でした。将来やりたいことの方針も無事に見つけることができました。
詳しい内容や出会った動物たちは、ぜひみなさんの、自分たちの目で見て欲しいと思います。間違いなく感動することを誓います。
最後に、コロナの影響で混乱している私たちをどこまでも心配してお世話してくださったスタッフの方々に心の底からお礼を申し上げます。おかげさまでとても安心して帰国することができました。本当にありがとうございました。
金谷 美里 (大学生)
大学では野生動物と社会の軋轢について専攻しているものの、文系のフィールドにいるので実習の機会にあまり恵まれない日々を過ごしていました。そこで、なにかプログラムがないか探していたところこのAJWCEFのトレーニングコースを見つけ、応募しました。
オーストラリアでは本当に貴重な経験をすることが出来ました。日本でも環境NPOの方や動物園の方と関わる機会をいただいたことがあるのですが、今回ほど獣医の方々やレンジャーの方々と密接に関わらせていただいたことはなかったので、間近で現場を見る経験が出来てとても勉強になりました。
また、私はエンリッチメントについて興味があったのでオーストラリアの展示方法を学ぶことが出来て良かったです。大学での自分の個人研究にも活かしていきたいです。
また、オーストラリアではドネーションや慈善の文化の度合いが日本と異なることに衝撃を受けました。道中でも多くのカランビンをはじめとした野生動物への募金箱を見かけるに加えて、各施設にはボランティアが多く在籍しており、人々の協力で運営されていることを強く感じました。
やはりオーストラリアでも野生問題に対して抱える問題は大きく、コース中様々な場面で人間の与える影響の大きさを思い知らされました。孤児のコアラや片目を失ったコアラ、ひかれてしまったアナコンダの話や埋め立てられたウォンバットの巣穴の話を聞きとても心が痛みました。いかに人間が自然に対して寄り添えるかが共生のヒントだと感じました。また、オーストラリアでは小学校から野生動物に関する教育があると聞き驚きました。日本ではまだ野生動物に対する理解は深いとは言えないと思います。ですが、これから人々が深めていくことはできると思うので自分もそれらの一端を担えるように日々努力していきたいと思います。
一人で国際線に乗り、ゴールドコースト行きの飛行機の中で緊張して眠れなかったのが今ではとても懐かしいです。オーストラリアの方々は英語が得意でない私にも気さくに話しかけてくださり、とても楽しく過ごすことが出来ました。
コロナウイルスの影響でまだ見通しは立ちませんが、留学でまたクイーンズランドを訪れるのが楽しみです。
日々私たちの体調管理や、通訳など生活にかかわる様々な面で尽力してくださったAJWCEFの皆様をはじめ、たくさんの貴重な経験をさせてくださった各施設の方々、そして毎日楽しく一緒に活動してきた参加者のみんなに大きな感謝を申し上げます。オーストラリアでの2週間は私にとってとても大きな経験になりました、ありがとうございました。
S.Y.(大学生)
「オーストラリア 動物 仕事」とインターネットで検索したことがAJWCEFのトレーニングコースに参加するきっかけとなりました。
周りの友人が就活を始めている中で、自分は日本で特にやりたいと思う仕事が見つからず、人に合わせて就活を行う気になれず家業を継ぐ選択をしようとしていました。
しかし、消去法のような形で自分の将来を決めるのも何か引っかかるものがあり、兼ねてから興味のあったオーストラリアの動物、特にカモノハシの飼育に関わる体験ができる場所はないかと考え、検索するに至りました。
動物に興味があるといっても、私は大学で生物とは異なる分野を専攻しており、生物に関する専門知識がない状態でした。それに加え、英語も得意と言えるレベルではなかったので、コースへの参加が決定してからも、少し不安を感じていました。
しかし、実習中はスタッフの方々がレンジャーさん達の通訳をしてくださり、またその内容も私にも理解できるものが多く、楽しく学ぶことができました。
また、実習以外の場面でもスタッフの方々はとても親しみやすく接しやすい距離感を作ってくださったので、慣れないオーストラリアの地でも安心して生活を送ることができました。
トレーニングコースを通して学んだことはたくさんあります。
各動物の基本的な生態についてはもちろん、エンリッチメントという言葉とその意義、エンリッチメントの具体例、生態系展示のメリットデメリット、動物ごとに異なる治療法、野生動物と人間の共存の実態、ボランティアや募金活動の日本との意識の違い等々。
毎日初めての事をたくさん学んで、実際に体を動かしてたくさんの経験して、本当に1日1日が充実していました。
また、今回参加した人たちは、将来やりたいことが具体的に決まっている人、まだ決まっていないけれど前に進もうとしている人、それぞれ違いましたが、どちらにしても自分の将来について前向きに悩んでいるみんなの姿にとても刺激を受けました。
私はあと1年で大学を卒業してしまうので、もう大それた事に挑戦する時間はなく無難に将来の夢を決めるしかないと思っていましたが、自分のやりたいことのために今からでも時間かけて良いのかもしれないと思えました。
1人で飛行機に乗るところから始まり約2週間、本当に毎日が初めての連続で貴重な体験をさせていただくことができました。
コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて対応が大変な状況の中、私たちの健康状態に気を配っていただきながら予定通りコースを開催してくださったスタッフの皆様全員に感謝申し上げます。
N.S.(大学生)
私は、海外でどのように動物と関わる仕事ができるか興味があったため、トレーニングコースに参加しました。日本では経験できない様々なことを学ぶことができました。
この2週間で印象に残ったことがありました。それはオーストラリアと日本における野生動物保護に関する社会への浸透度の差です。
トレーニングコースで訪れたRSPCAは虐待を受ける動物を人間から守るシェルターの役割を持っています。日本では人間が飼えなくなったなどの都合で動物を保健所へ連れてくることと比べると真逆の視点であることに大変驚きました。
実習でお世話になったDavid Fleay Wildlife Parkでは生態系展示を行なっており、動物が感じるストレスをいかに軽減させるかのエンリッチメントについてもレンジャーさんたちが試行錯誤して行われていて、感銘を受けました。
また、Currumbin wildlife Sanctuaryでは寄付やボランティアからなる野生動物病院があり、実習中でも怪我をした野生動物が多く運び込まれ治療を受けているところを多く見ることができました。
Freedayではトレーニングコースでできた友人とナイトマーケットに行きました。ナイトマーケットが行われている近くの原っぱでは野生のカンガルーを見ることができました。人が近づいても逃げることなく草を食べていられるくらい人に慣れていました。オーストラリアでは人と野生動物が身近であることを感じられました。 日本とオーストラリアでは、環境も違いますが、野生動物を害獣として扱うのではなく、共生していくものとして見られるようになって欲しいと思いました。
今回このトレーニングコースで、私は今まで自分が考えたことのない獣医師の活動を知り、将来の選択肢が広がりました。もっと色んなことができると知ることのできた、思い出に残る2週間となりました。一緒に参加したメンバーに、スタッフの方々に、大変お世話になりました。ありがとうございました!
S.K.(大学生)
私は大学のサークルの先輩を通してこのプログラムを知り、2020年3月の回に参加しました。
動物関係の知識や経験はもちろん、海外での日常生活・英会話など、事前に考えていたより多くの方面の経験を積むことができ、とても刺激的で楽しかったです。
私は英語に不慣れで特にリスニングが苦手だったので、プログラムを無事修了することができるかなと当初不安でした。しかし、約2週間の実習の中で現地の方と色々とお話しするうちに段々と英語に対するハードルが下がり、少しだけですが自ら英語で質問することができるようになったり初日より聞き取れるようになっていきました。
また、スタッフの方や同じプログラムに参加している友達の存在も大きく、色々サポートしてくれたおかげで、楽しく全日程を過ごすことができました。ありがとうございました。
T.N.(大学生)
今回の2週間のトレーニングコースに参加して、日本では絶対に学ぶことのできない多くのことを学ぶことができました。
初めての海外ということもあり、不安でいっぱいでしたが、スタッフの皆様のサポートや、一緒に過ごしたメンバーの支えによって充実した2週間を過ごすことができました。
実習中に得た知識や経験は、かけがえのない大切なものであり、今後の学習や将来に活かしていきたいと思います。
このトレーニングコースに参加して本当に良かったと思っています。各施設のレンジャーの皆様、ボランティアの皆様、AJWCEFのスタッフの皆様、本当にありがとうございました。
T.K.(大学生)
オーストラリアには心うたれる景色が溢れていました。
日本と違う匂い、日本より青く感じる空と海、いきいきと働く人々、個性豊かな動物達、また、色んな考えを持った参加者のみんなと過ごす時間は、自分の世界の狭さを教えてくれました。
日本の野生動物を守りたい。その一心で今まで過ごしてきました。そのためには、日本にいるだけではだめだ、もっと世界を見て、色んな考えを知って、それを活かしていこう、という考えを持てたのが、今回の1番の収穫だと思います。
大変な状況の中、受け入れてくださったオーストラリアの皆さんありがとうございました。研修に励んだ仲間たちに出会えて良かったです。